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FIFAワールドカップ・欧州予選 グループC 第4節 イタリアvsブルガリア感想

サッカーを愛する皆様、こんにちは。
くろだといいます。
ワールドカップ欧州予選アーカイブ計画として、僕は「#W杯欧州予選グループC全部見るマン」として今回はイタリアvsブルガリアを取り上げてみたいと思います。

試合前情報

先日行われたEURO2020で劇的な優勝を決めたイタリアについてはそれほど多くを語る必要は無いかと思いますが、かつての代名詞として語られる事の多かった「カテナチオ」という言葉からの脱却を見せ、モダンなサッカーを展開しつつも要所ではカテナチオを彷彿とさせる守備力で非常にバランスのいいサッカーを見せるチーム、というのが現状の評価として妥当なのではないかと思います。

ただ、EUROで大きな活躍を見せたスピナッツォーラが負傷で選外とならざるを得なかったのは痛い所。
とはいえ、試合開始時点で3勝のグループ1位を走っている事から、大きな事件さえなければそのまま首位通過でワールドカップ出場を決めるのではないか、という力関係にあると思います。

対して、ブルガリアはFIFAランキング71位とランキングだけで見ればグループ内で4番手、スイス・北アイルランドとの2位争いが現実的な所か、という立ち位置です。
試合開始時点では2敗1分ので北アイルランドと3位を争っているような状態。

予想される試合展開としては、押し込むイタリアに対してブルガリアがどのように対応できるか、我慢できるか、という所ではないかと思います。

スタメン

EUROで大活躍だったキエッリーニはベンチスタート。代わりに入ったアチェルビはラツィオ所属らしいですが、どんな選手かが気になります。

ブルガリアは「~フ」という名前が多すぎてベンチに収まっているヴェルコフスキという名前が異彩を放ちます。いや、実際には試合を見てみてから、という所ですがGoogle先生からの情報では上記の並び。キエーザ・インシーニェの強力な2枚に対してサイドがどれだけ頑張れるかに注目したいと思います。

試合雑感

イタリアの攻撃は上の記事でも触れられていた3-2-5の配置へ向かい前進する事が多いですが、左サイドはバルミエリ(3)が大外を駆け上がりインシーニェ(10)が少し中に入り、右サイドはキエーザ(14)が大外でバレッラ(18)がインサイドを担当、という雰囲気。大外と中央さえ固まっていればハーフスペースについては状況に応じて、という感じに見えます。

イタリアの先制点はまさにそんな配置からキエーザ(14)がカットイン、インモービレ(17)とのワンツーから素晴らしいシュートをゴールに流し込みました。
キエーザ(14)にボールが渡った段階ではネディアルコフ(14)とヤンコフ(12)の2枚が対応に当たっており、イメージとしてはそのままサイド深くまで追い込みたかったのだろうと想像していますが、その二人の間を抜き去りディフェンスラインの目の前を見事横断する事に成功しました。
ブルガリアの守備陣は押し込まれた時はヴィタノフ(8)がディフェンスラインに吸収されながら5レーンを埋めつつ押し返すイメージですが、横断された事でレーンを埋める効果を半減させられてしまいました。

先制点を許した事で反撃を狙いたいブルガリアですが、ビルドアップ阻害はイタリア守備陣に人数を合わせつつ、ミドルプレスに移行した時はヴェラッティ(6)やジョルジーニョ(8)の顔出しによって網にかけることが難しい展開を強いられます。
そうなるとブロックを形成してカウンター、というのが有効な攻め筋に思えますが、24:24あたりの配置はブルガリアとしては狙っていきたい配置だったのかもしれないな、と思います。

イタリアとしては、左サイドバック片上げを基本として前線で幅と中央レーンでの流動性を確保しつつ押し込みたい志向を持っていますし、おそらく再現性のある有効打と成り得る攻め筋だったと思います。
直後ではイタリアも警戒して右サイドからの攻め筋も見よう、という所でしたが、同様にサイドバックからの配球を警戒したフィルター形成によって攻め直しを余儀なくされます。

このことから、ブルガリアは中央密集の守備陣形からの散開によってカウンターを成立させるような志向を見せており、そのキモとなるのが両ワイドのデスボドフ(11)とヨモフ(17)なのでしょう。ボールサイドと逆側のウイングがボールの逃がし所として機能できるかどうかでカウンターへ移行できるかどうかが決まるような気がします。

とはいえ、サイドバックからの配球をスイッチにしてブロックで引っ掛けようにもネガティブ・トランジションでしくじれば35:13のインシーニェ(10)にシュートを許した場面の様にピンチを迎える事になります。
ひっくり返して考えてみれば、イタリアとしてはビルドアップで相手を引き込むなり、相手の攻め筋を受け止めてからのトランジションで何回か刺すことが出来れば盤石の試合展開を迎える事が出来たはずですが、徹底的に押し込む事を選択。
その結果としてカウンターを綺麗に喰らってしまい38:50に同点に追いつかれます。

そんなわけで前半の残りは、押し込みながら狭く攻めつつ時にはキエーザなイタリア、カウンターを撃ちつつも今度はちゃんと対応するぜなイタリアに阻まれるブルガリア、という展開でした。

後半に入るとブルガリアはヨモフ(17)に代えてデレフ(9)を投入。前半とはうって変わってより外側のレーンでカウンターで発射されたりディフェンス時には大外をケアするなど、イタリアの左サイドをより警戒する形に。それとともに前半に見せたサイドバックからの配球に対するケアよりも重心が下がる形に変更となりました。56分にはヤンコフ(12)に代えてチョチェフ(18)が投入されましたが、ポジションは右サイド寄りに。

ブルガリアの重心が分かりやすく下がった事でイタリアは「ぼぼずっと俺のターン!」みたいな攻め方を続けますが、ブルガリアのゴールキーパー、ゲオルギエフに阻まれ続けます。キエーザ(14)が抜けたして打ったループも、インシーニェ(10)のミドルも実らず。

ブルガリアもデレフが割と直線的なルートを取る選手な事から、前半の様なカウンターのコースを取れず、有効打を打てないまま試合は終了。
イタリアは終始押し込みながらも、カウンターの一刺しによって勝ち点2を失う結果となりました。

注目選手(+今日のインモービレ)

F.アチェルビ

あまり耳馴染みのない名前だったので「期待の若手なんやろなぁ・・・」と調べてみたら33歳!しかも本田圭佑が加入する前年にミランにおった!むしろ歴史の証人的な選手やんけ!という雰囲気。
とはいえ、キエッリーニとローテーションしながら起用されるのでしょうし、試合中の振る舞いに関しては問題を感じない堅実なプレーぶりでチームに貢献していることから、計算できるディフェンダーとして欧州予選を通して顔を見る事になるのかな、とも思っています。
あと、単純に名前の響きが好き。

チーロ・インモービレ

インモービレと呼ぶのは何か物足りない、チーロ・インモービレと言いたい選手権でぶっちぎりの1位です。
もう、ご存知の方も多いと思うのでwikiとかは貼りません。
EUROの時からですが、あのシュートの前までは最高のプレーをする選手、というイメージを裏切らない今節のプレーぶりは最高でした。
どれかが入っていれば勝利は目の前だった、という所を考えるとやはりクリーンナップを任せられるだけの打率を求めたいな、と思う訳です。
ちなみに、今日の成績は3シュートストップ(要審議)、1モーションです。

セリエAでは頻繁に見る事があるこの手の形、知らない良い子はセリエA大好きオジサンに聞いてみよう!!

さいごに(かんたんなまとめ)

イタリアの次の試合はスイスと、ブルガリアはリトアニアと対戦する訳ですが、スイスについてはせこさんの記事を読んで勉強したいと思います。

イタリアはこのまま中盤の三枚を中心として前線のクオリティをいかに発揮できるか、ゲームコントロール次第で展開が変わってくるでしょうし、ブルガリアはリトアニアに着実に勝ちたいところですがリトアニアのクオリティに引っ張られてしまうのか、カウンターを中心にキッチリ仕事を仕上げていくのかに注目なのかな、と。

気が付けば、今日(9月5日)の深夜に第5節が行われます。
強い気持ちで、楽しんでいこうと思います。

それでは、また次の記事で。

試合結果

2021.9.3
カタールW杯欧州予選 第4節
イタリア 1-1 ブルガリア
アルテミオ・フランケ
【得点者】
ITA:16' F.キエーザ
BUL:39' デスボドフ

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