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モノ作りの考え方 #11(鍛造ピストンその5)

慣らしは慎重に行いました

鍛造ピストンを組んでみて、エンジンはかかりました。とりあえずはひと安心。でも、クラブの友人の焼き付きがトラウマとなっています。苦労して輸入して、お金もかけてボーリングした。
おいそれと「やっぱり焼き付いちゃった、ならばもう一度」なんて出来ません。

何度目かに個人輸入したワイセコピストンの箱

いろいろと考えた結果、時間をかけて、走らずに初期慣らしする事にしました。もともと、レーシングマシンでは初期はそういう慣らしをしています。ホンダのCR110を所有している友人が、慣らしのマニュアルがあって、何千回転で何分、次は…というような事を言っていたのを思い出しました。ワークスならエンジンに送風して温度も計りながらやるのでしょうが、そんな事は出来ません。その分時間をかけてやろうとなりました。

ある廃墟になった住宅地を見つけ、友達のワンボックスにオートバイを載せピクニック気分で行きます。おそらく、開発中に会社が倒産したか何かで人は住んでいないから、騒音も問題なし。そこで、エンジンをかけてある程度暖気したら、止めて冷やす。それを、何度も繰り返すのです。
家に戻ったら、シリンダーを外してピストンやスリーブを確認し、必要があれば耐水ペーパーにオイルを塗って、当たりを取る。
これを確か4回やりました。大変だけれど、これでもかという感じでやっていましたね。友人も良く付き合ってくれました。

初期の当たりは大丈夫だろうという事で、実走に入ります。もちろん、中回転域まで、慎重に、とにかく慎重に。そして、無事焼き付くことなく走れるようになりました。
それからずいぶん経って、ワイセコが普及し始めました。

マジ軽ナットはすでにレースでも使われています。エコランでは2校、学校の授業にも採用されている技術です。

レースとしては終了してしまいましたが、今月、鈴鹿サーキットでソーラーカーの走行会があります。技術協力をしている工業高校のOBが出走するのですが、新たにマジ軽ナットを含む除電チューニングをして臨みます。

優勝経験があるソーラーカー「除電を知っていれば、もっといい結果が出たはず」と顧問の先生

その車体には小さいですがステッカーを貼って下さるそうです。

購入時に差し上げているマジ軽ナットのステッカー

走行会に行かれる方はこのマシンを気にしてみて下さい。部活の前顧問のN先生は、最初は「そんな事、ある訳ない」と完全否定派でしたが、今やかなり詳しい除電マニアとなり、昨年、この除電技術を自動車科のある工業高校の全国大会で発表しています。
質問すればいろいろと答えて下さいます。
8月18日(日)厚木市で午前5時より開催予定のエクスチェンジマートに出店を予定しています。
天候による開催の告知は、開催予定日前日の13時にエクスチェンジマートのホームページで発表となります。


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