Tristars-Tec. トライスターズ テック

自動車メーカーの元開発テストドライバー。 有名な2輪レースチームの部品を製造していた友…

Tristars-Tec. トライスターズ テック

自動車メーカーの元開発テストドライバー。 有名な2輪レースチームの部品を製造していた友人と共に静電気の除電を研究し、2014年に特許を出願、2018年に取得。 特許を応用した、タイヤを除電する”マジ軽ナット”をBASEで販売中。 ..

記事一覧

自由研究にマジ軽ナットはいかが?

先生をギャフンと言わせよう夏休みの自由研究、毎年頭を痛めていました。私の場合はだいたい7月末、25日位になると「どうしよう、間に合わなくなっちゃう」と図書館に通っ…

ヨシムラの話 その5

なぜ、ヨシムラはスズキを選んだのか? 細かくは諸説ありますが、これで間違いがないと思います。POP吉村氏が進駐軍の間で、名チューナーとして有名になっていったのは、…

住友ゴム(ダンロップ)の除電特許 その2

ではどうやって帯電を解決するのか? ”その1”の続きです。このページから読んだ方は、一つ戻って読んで下さい。住友ゴム(ダンロップ)の特許公報を基に解説しています…

住友ゴム(ダンロップ)の除電特許 その1

転がり抵抗と導電性とのせめぎ合い マジ軽ナット タイヤ用は、タイヤから路面に流切れていない静電気を除電する特許グッズ。 知名度は少しづつ上がっていて、使ったユーザ…

マジ軽ナットインプレッション その2

2012年から様々な材料で行われていた除電の研究に参画していました。 現在の形は第4世代。その試作品を私に見せながら彼は、「これ、何だか分かる?」と質問、間髪入れずに…

電気の話 その3(特許取得のいきさつ)

静電気を取るメリット カーボン=炭素ですから、電気を通します。タイヤにそれを混ぜ込んでいるのには、ちゃんと理由があり、「発生する静電気を路面に放電させる」のが目…

マジ軽ナット生インプレッション その1

マジ軽ナットユーザーの生の声「タイヤを除電するってなに?」と思われる方がいるでしょうから、超簡単に説明します。 フリースを脱ぐ時に静電気が起きる(帯電) と、脱…

モノ作りの考え方 #11(鍛造ピストンその5)

慣らしは慎重に行いました 鍛造ピストンを組んでみて、エンジンはかかりました。とりあえずはひと安心。でも、クラブの友人の焼き付きがトラウマとなっています。苦労して…

電気の話 その2(特許取得のいきさつ)

静電気がなくなると、劇的に変わります トヨタが車の静電気を除電すると、様々なメリットがあるという特許を取りました。 さすが世界のトップ企業ですね。特許の文献はす…

最新技術の展示会TECHNO FRONTIER その2

除電技術の展示はなし電気自動車を中心とした最新技術の展示を巡りました。EVだからモーター系の展示は多い。その中で気になった展示を見つけ、質問をしました。 「モータ…

ヨシムラの話 その4

実は貴重な資料を持っていました ”ヨシムラの話”シリーズを書いていますが、時代が前後するのをご了承下さい。 ずいぶん前(1992年頃)ですが、海外の姉妹クラブからビ…

自動車開発の思い出 その13

米国滞在の休日の過ごし方ドイツでは毎週末が観光三昧。「今週末はあそこに行こう!」と週末が楽しみでした。 米国は田舎の州ですから、観光といってもどこに行くにも遠い…

自動車開発の思い出 その12

米国ディーラーの恐るべき修理 テスト車両の日本車の中にトヨタのカムリがありました。当時の日本のカムリは大衆車の真ん中か少し上のあたり。庶民的な車ですが、北米仕様…

ドイツのミーティングに参加 その6

パスポートを取り戻した!オートバイでブレーメンを出発。アウトバーン走行の途中でパンク修理をしながらおおよそ450kmの距離を走って、ローレライ近くの会長の家まで無事…

最新技術の展示会TECHNO FRONTIER その1

EV関連の最新技術を見て来ましたマジ軽ナットの除電技術は電気自動車やハイブリッド自動車の技術サイトにも掲載されている技術。勉強がてら電気自動車関連の技術展示会TECH…

除電で熱対策、エアコンも冷える

除電で冷却効率アップ除電を長くやっていると、今までの経験の疑問が解決する事があります。 エアフィルターの除電をやったのは2012年か2013年の前半。エアフィルターの素…

自由研究にマジ軽ナットはいかが?

先生をギャフンと言わせよう夏休みの自由研究、毎年頭を痛めていました。私の場合はだいたい7月末、25日位になると「どうしよう、間に合わなくなっちゃう」と図書館に通ってぎりぎりに提出していました。 今回は間違いなく先生が知らない、静電気の除電で転がり抵抗が減るのを、どのご家庭でもすぐ実験してレポート出来る。きっと「よくそんな事知っているね」と高評価になる事うけあいです。 ネジ・ボルト形状で静電気を除電し、物の動きを良くする発明は2013年の後半の事です。「これはすごい発明だ!」

ヨシムラの話 その5

なぜ、ヨシムラはスズキを選んだのか? 細かくは諸説ありますが、これで間違いがないと思います。POP吉村氏が進駐軍の間で、名チューナーとして有名になっていったのは、以前書いた通りです。それで、当時は構造が単純な2ストロークしか作れなかったメーカーがたくさんありました。1960年代までは敗戦後の復興と共に、足としてのバイクが必要となり、多数のメーカーが出来ました。 今でも形が可愛く人気のあるラビットは、富士重工製。母体は一式戦 隼や隼や四式戦 疾風等を製造した、中島飛行機です

住友ゴム(ダンロップ)の除電特許 その2

ではどうやって帯電を解決するのか? ”その1”の続きです。このページから読んだ方は、一つ戻って読んで下さい。住友ゴム(ダンロップ)の特許公報を基に解説しています。 正直、ここまで突っ込んでブログを書いている人はまずいないと思います。 パリ オリンピックが終わりましたが、実はタイヤを使う競技にマジ軽ナットを採用してもらおうと動いていました。例えば、あるスポーツクラブです。 その会社の社長を知り合いなので、自転車のプロチームに提供しようと伝えました。社長さんは「そんな技術があ

住友ゴム(ダンロップ)の除電特許 その1

転がり抵抗と導電性とのせめぎ合い マジ軽ナット タイヤ用は、タイヤから路面に流切れていない静電気を除電する特許グッズ。 知名度は少しづつ上がっていて、使ったユーザーさんが気に入ってくれ、何度もSNSに投稿してくれています。 写真はブリヂストンのエコピアに設けられている「導電スリット」。路面への放電量が不足しているので、一部に導電性の高い部分を設けて少しでも静電気を路面に流そうという工夫です。 これはオートバイのタイヤにもあります。確認しているだけでも、ミシュランやブリヂスト

マジ軽ナットインプレッション その2

2012年から様々な材料で行われていた除電の研究に参画していました。 現在の形は第4世代。その試作品を私に見せながら彼は、「これ、何だか分かる?」と質問、間髪入れずに「それ、電気でしょう!」と答えました。 既に、除電のテストを始めて2年が経っていて、何の目的かはすぐに理解したのです。「これで特許を取ろうと思う」、「そうなの、凄いね!」と返しました。 特許を取ると簡単に言っても、すごく大変です。私の兄が特許申請された資料を過去の申請された膨大なデータベースと突き合わせて、重複

電気の話 その3(特許取得のいきさつ)

静電気を取るメリット カーボン=炭素ですから、電気を通します。タイヤにそれを混ぜ込んでいるのには、ちゃんと理由があり、「発生する静電気を路面に放電させる」のが目的の一つです。 その2で書きましたが、車・バイク好きなら、タイヤが黒いのはカーボンを混ぜてある位は知っていると思っていたら、意外に知らない人が多くて驚きます。私が知ったのは中学生の時、技術の先生が教えてくれました。 回転する物には、特に静電気が帯電します。例えば、エアコンの室外機。 コンプレッサーが回転して帯電する

マジ軽ナット生インプレッション その1

マジ軽ナットユーザーの生の声「タイヤを除電するってなに?」と思われる方がいるでしょうから、超簡単に説明します。 フリースを脱ぐ時に静電気が起きる(帯電) と、脱ぎにくくなります。 このように静電気が帯電すると、物の動きが悪くなります。 それと同じで、タイヤのゴムが分子レベルで動きが悪くなる=ゴムが硬くなるのです。逆に言えば、ゴムを柔軟(設計思想に近い状態)にするには、不要な静電気を取れば本来の性能が引き出され、振動をより吸収してロードノイズが低減、接地感(タイヤが路面を捉え

モノ作りの考え方 #11(鍛造ピストンその5)

慣らしは慎重に行いました 鍛造ピストンを組んでみて、エンジンはかかりました。とりあえずはひと安心。でも、クラブの友人の焼き付きがトラウマとなっています。苦労して輸入して、お金もかけてボーリングした。 おいそれと「やっぱり焼き付いちゃった、ならばもう一度」なんて出来ません。 いろいろと考えた結果、時間をかけて、走らずに初期慣らしする事にしました。もともと、レーシングマシンでは初期はそういう慣らしをしています。ホンダのCR110を所有している友人が、慣らしのマニュアルがあって

電気の話 その2(特許取得のいきさつ)

静電気がなくなると、劇的に変わります トヨタが車の静電気を除電すると、様々なメリットがあるという特許を取りました。 さすが世界のトップ企業ですね。特許の文献はすごいボリュームです。 その特許を簡単に説明します。 つまり、静電気はなかなか目には見えないけれど、それを減らす事で空気抵抗が少なくなるので、燃費が良くなったり、最高速度が伸びたりする、という事です。 トヨタやダイハツの車のテールランプの外側に▲の出っ張りが数本あるのを見た事があるでしょう。あれも特許だと思いますが

最新技術の展示会TECHNO FRONTIER その2

除電技術の展示はなし電気自動車を中心とした最新技術の展示を巡りました。EVだからモーター系の展示は多い。その中で気になった展示を見つけ、質問をしました。 「モーターは回転するから静電気が多く発生しますが、どのように対策していますか?」展示会では様々な質問があると思いますが、このような質問はまれだと思います。多くはどの位のトルクなのかとか、消費エネルギーを聞かれるのでしょう。 担当者は「通常のベアリングでなく、セラミックのベアリングがあります」という答えでした。鉄製のベアリング

ヨシムラの話 その4

実は貴重な資料を持っていました ”ヨシムラの話”シリーズを書いていますが、時代が前後するのをご了承下さい。 ずいぶん前(1992年頃)ですが、海外の姉妹クラブからビデオが届きました。北ヨーロッパですからVHSテープではありますが、記録方式はPALシステム、日本と米国はNTSCシステム(懐かしいですね)でそのままでは見る事は出来ません。ただ、とても興味がある事が書いてあるラベルが貼ってありました。 友人が記録方式を変換出来るビデオデッキを持っていたので、変換ダビングしました。

自動車開発の思い出 その13

米国滞在の休日の過ごし方ドイツでは毎週末が観光三昧。「今週末はあそこに行こう!」と週末が楽しみでした。 米国は田舎の州ですから、観光といってもどこに行くにも遠いのです。 データ収集テストのチームの長は酒が大好き。休日はほぼ朝から晩まで飲んでいます。人間的にも好きではないので、気の合う若者同士で別行動です。 当初はオートバイの姉妹クラブの会長がカリフォルニア州に住んでいるので、日帰り訪問を考えていました。しかし、いくら日帰りでも一人で往復するには距離があり過ぎで断念。「今、出張

自動車開発の思い出 その12

米国ディーラーの恐るべき修理 テスト車両の日本車の中にトヨタのカムリがありました。当時の日本のカムリは大衆車の真ん中か少し上のあたり。庶民的な車ですが、北米仕様はなんとV6エンジンが載っていました。 米国人がV8が好きなのは分かっているけれど、コストやエンジンルームの制約、燃費もあってそうしたのでしょう。 おそらく米国内だけの仕様だと思いますが、イグニッションスイッチをONにすると、シートベルトがAピラー(フロントガラスの枠)にレールが内蔵されていて、前部から「シュルー」っ

ドイツのミーティングに参加 その6

パスポートを取り戻した!オートバイでブレーメンを出発。アウトバーン走行の途中でパンク修理をしながらおおよそ450kmの距離を走って、ローレライ近くの会長の家まで無事?戻って来ました。 とりあえずホッとしたものの、翌日は再発行されたパスポートを取りに当時の首都、ボンの領事館(当時)に行ってから出国しないといけません。 会長の奥さんは車でミーティングに参加していたのですが、もちろん先に戻っていました。 夜になって、夕食後に「寝たいか?、それともお風呂に入りたいか?」と聞かれ、パリ

最新技術の展示会TECHNO FRONTIER その1

EV関連の最新技術を見て来ましたマジ軽ナットの除電技術は電気自動車やハイブリッド自動車の技術サイトにも掲載されている技術。勉強がてら電気自動車関連の技術展示会TECHNO FRONTIERに行きました。 開催場所は東京ビッグサイト、国内最大級の会場です。それはいいのですが、駅から歩くにはきつい陽気。当日は真夏の酷暑、日向を歩いている人は皆無です。 「さて、どこから巡ろうか?」と最初に目に留まったのが、(有)伊藤自動車整備工場。「なぜ、整備工場が出展しているの?」と素朴な疑問

除電で熱対策、エアコンも冷える

除電で冷却効率アップ除電を長くやっていると、今までの経験の疑問が解決する事があります。 エアフィルターの除電をやったのは2012年か2013年の前半。エアフィルターの素材は、昔は紙製もあったかも知れませんが、現在は石油由来のプラスチック繊維のフィルターがほとんど。細かいフィルターを空気が通過する事で静電気が発生・帯電します。その静電気が空気と干渉する、つまり流れる邪魔をするので、吸気効率が悪くなります。 思い出したのが、会社で真夏に屋外で作業する事があり、麦わら帽子を被って作