インターネットにはオンラインカジノを紹介する偽サイトが溢れていたという話
2023年6月、神戸市立須磨海浜水族園の旧ドメインを使用した偽サイトが存在するというニュースが流れました。
パッと見は須磨海浜水族園のサイトでドメインも須磨海浜水族園っぽいのですが、読み進めているとオンラインカジノを紹介するテキストが現れるというものです。
何故このようなことが起きたかと言いますと、インターネットの住所にあたるドメインというものがありまして、かつては「sumasui.jp」というものでしたが、サイトのリニューアルか何かのタイミングで「kobe-sumasui.jp」に変更されたのです。
ドメインを維持するのはタダではありませんので、古いドメインを手放されてしまったのですね。そうすると他の人がそのドメインを取得出来るようになるのです。
その古いドメインを取得した人間が須磨海浜水族園を装ったサイトを作り、オンラインカジノを紹介するテキストを載せたということです。
どこからどう見てもオンラインカジノを紹介するサイトでしたら興味のない人はすぐに閉じてしまいますが、何かのきっかけでアクセスして須磨海浜水族園のサイトと思いながら見ている人なら引っ掛かってしまうかも知れませんものね。
なお、日本でオンラインカジノを利用して賭博を行うことは犯罪です。外国で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本から接続して賭博を行うことは犯罪です。
詳しくは警察庁のサイトをご覧下さい。
オンラインカジノを紹介する偽サイトは他にもあるのか?
結論から申しますと、ありました。
2023年9月も終わろうとする頃、先の偽サイトのニュースをふと思い出しまして、他にもあるんだろうかと検索してみたのです。
よくよく考えてみましたら須磨海浜水族園を狙って偽サイトを作ったというよりは、色々なサイトを狙って偽サイトを作った中に須磨海浜水族園があったという方が自然ですよね。
というわけで注意喚起のため、いくつか紹介します。
無理がある例 1
自分の町へ来て貰うための観光協会のサイトが何でアメリカカジノ旅行のヒントを載せるねん!
さすがに怪し過ぎてこれは騙されませんよね。
無理がある例 2
まさかまさかのお寺のサイトにカジノのお知らせが。お寺がそんな欲望にまみれたものを紹介するわけねぇがや! 怪し過ぎますよね。
もっともらしい……いや無理があるやろの例 1
他のお寺にもオンラインカジノのお知らせが見付かりました。
先のお寺は唐突にオンラインカジノの紹介が始まったという雰囲気でしたが、こちらは驚くことにもっともらしいテキストになっています。
「都内からだと、移動時間も1時間以上と長くなってしまいます」「帰りの電車で座れたのなら」と、お寺のことを全く知らずに書いたわけではなさそうなあたりが謎です。調べたのか、元ネタになるテキストがあったのか……。
「オンラインカジノでは運で紹介が決まるゲームが」と、「勝敗」を「紹介」と書き間違えているあたり人がパソコンのキーボードで入力したっぽい雰囲気ですね。
お寺で必勝祈願をしてオンラインカジノに挑むという流れはまるでデタラメというわけではないような気もしなくもありません。謎に力の入ったこのテキストを読むとうっかり騙されてしまう人が……おらんやろ! 1万人に1人もいなさそう……。いや、さすがにお寺がこんなことは言わんやろ……。
もっともらしい……いや無理があるやろの例 2
そこに住まれている方やこれから住もうという方が閲覧される村役場のドメインが取られてしまうのは由々しき事態と思います。
一見するとおかしなところは……ありますね。レイアウトが少し崩れていたり、新着情報が表示されていなかったり。
しかしオンラインカジノ云々というテキストは見当たりません。検索してヒットしたのですからどこかにあるはず……スクロールしていきますと
「サイト運営をサポートしていただいたスポンサーの皆様」「村の目標はお客様のためになるコンテンツを提供すること」とは?
村役場のサイトにしては不自然さを感じます。「すべてのスポンサーサイトを見る」を開いてみますと
んなわけあるかー!
そしてさらに違和感が……右下に目を向けますと、懐かしいアクセスカウンターが! ではなくて、
怪しげなバナーが!
「Igaming産業 ジョイカジノと○○村が提携」。Igamingとはオンラインで賭博を行うサービスを指す言葉です。いやいやさすがに提携はせんやろ……と思いつつ開いてみますと
この力の入れよう!
確かに日本ではIR(Integrated Resort、統合型リゾート)を整備してその中にカジノを入れましょうという話がありますけど、それは店舗のあるランドカジノというものであって、オンラインカジノではありません。
もっともらしく書いてはいますが、○○村をモデルにしたオンラインカジノって何ですか? メタバースってのですか?
○○村に貢献と言うと聞こえは良いですが日本では犯罪や言うとるやろがい日本統括マネージャの○○聡さんよ!
不安のある日本語だけど……?
タイトルが怪しさ満点ですが、読み始めますと近隣の観光案内のようです。
しかし「多くの国内から訪れた観光客」という理解は出来るけどなんとなく不安な日本語や、「日本どこをみてみ」「人生で一度は訪れたいとしても評価されている」という破綻した日本語がやっぱり怪しさ満点です。
外国人旅行者は旅をしながら資金をカジノで増やすそうです。ホントかよ。
「日本に住む日本人でも参加することができるカジノゲームとして(中略)オンラインカジノという存在をご存知ですか?」
参加は出来ても犯罪になりますからー!
なんとなくもっともらしくなって来た
あるホテルのサイトと思いきや、ブログを開きますと
リーズナブルな価格で宿泊して浮いたお金を観光やオンラインカジノに回しましょう、と。
今どきのホテルはWi-Fi環境が用意されていて当たり前ですものね。
「旅行中もルーティーンであるオンラインカジノに参加できるのは嬉しい!」依存症ですやんもう。
観光の後はホテルでオンラインカジノ……先のお寺に比べると随分もっともらしい気はします。しかし「公営ギャンブルよりも還元率が高いため人気があるようです」何度も言いますけど犯罪ですからね!
読ませる文章を書き始めて来た
こういうことはあまり言いたくはありませんが、なかなか読み応えのあるテキストでして
うっかり最後まで読んでしまいました。温泉や食事を楽しみつつオンラインカジノも遊ぶという休日の姿を思い浮かべてしまいました。
しかも夢中になり過ぎるなと注意してくれています。あらまぁなんて優しいお方。いやいやいやお前が言うか……。
土台になるテキストがあったのかドメインを取った人物がゼロから考えて書いたのか分かりませんが、謎に力の入ったテキストにちょっと圧倒されてしまいます。
オンラインカジノ文学の爆誕か
京町家がオンラインカジノを楽しむスポットとして注目を集めている!? 京町家とオンラインカジノの相性の良さ!?
何を言っているのでしょう。
ギャンブル好きの人ならワクワクするのかも知れませんが……するのか? 知らんけど、だんだんとファンタジーな要素を投げ始めて来ましたね。京町家がピッタリなスポットか……?
なんも素敵じゃねぇがや!
「嫌な思い出になりがちな旅行の待ち時間・空き時間ですが」そうか? そうだとしても、オンラインカジノに手を出してしまいますとお金を溶かしたうえにいずれ逮捕される未来しか浮かびません。「楽しかったな」「熱中しちゃったな」そして「逮捕されちゃったな」です。嫌な思い出です。
書いている人の妄想が酷過ぎてこれはもはやオンラインカジノ文学と言えるでしょう。嘘です。適当に言いました。
テレビアニメの公式サイトのドメインが取られて……
テレビアニメの放送終了後に公式サイトのドメインを手放すということは珍しくないことなのでしょう。
公式サイトが復活したように見えなくもありませんが、右上の「特殊な」「品」というあたりに不安な日本語を感じます。
インターネットアーカイブを調べましたところ元々のデザインはこのような感じだったようです。
さて、この偽サイトは……
いやいやいや遊んでるかい!
登場しねぇよ!
呪い殺されてしまえ。
他にもアニメの公式サイトのドメインが取られた例はあるのだろうかと探してみましたら、ありました。
元はこのようなサイトが
こうなっていました。偽サイトになりますといかにも某ブログのテンプレートみたいなデザインになるようですね。
さて、このサイトは「ニュース」がいかにもな感じですが
こちらの「最新投稿」はオンラインカジノと関係のない、むしろこのアニメの話題が書かれていてゾッとします。
検索しましてもこのサイトしかヒットしませんのでわざわざ書いたということ? どういう人間が書いているのでしょうか……。
どうなる? と妄想するのは勝手ですが……ならんやろ。
犯罪をおすすめしないで下さいね。
とりあえずまとめ
探せばまだまだ見付かると思うのですが疲れて来ましたので一旦ここでおしまいにします。
偽サイトにうっかりアクセスしてしまう可能性はゼロではないと思いますが、オンラインカジノを紹介するテキストが現れましたらすぐにページを閉じましょう。
何度も言いますが日本でオンラインカジノを利用して賭博を行うことは犯罪ですからね!
2024年7月7日、まさかまさかの続編を書きました。
読み終わられて「面白かった」「役に立った」「他の記事も読みたい」などなど思われましたらサポートを是非よろしくお願いします。