2004年1月の京都タワーはどのような姿だったのか
「京都タワー」をご存知でしょうか。
JR京都駅のすぐ北側にそびえ立つ、車窓から見えるあの白い蝋燭のような塔、京都の街中でもチラッと見えることのあるあの白いロウソクのようなタワー、白い巨塔です。
入ったことはないけど見たことはあるという方も多いのではないでしょうか。
2017年4月には地上2階から地下1階が「京都タワーサンド」という綺麗な商業施設にリニューアルされ、オシャレな雰囲気のお土産屋さんや「スターバックス」「鳥せい」などの飲食店が入居される近代的なスポットとなりました。
ではリニューアル前の京都タワーはどのような姿だったのでしょうか。
リニューアル前……2004年1月までタイムスリップします!
というわけで、「びわ湖タワー」「りんくうパパラ」に続く復刻記事シリーズ第3弾です。
オリジナルの記事はこちらです。
京都タワーへやって来た
2004年1月10日、私はJR京都駅に降り立ちました。
JR京都駅のすぐそばという絶好の場所に建ちながら、なんとなくスルーされている印象のある京都タワー。京都府民の知り合いがチャットのオフ会で京都ツアーを企画したときもその行程には含まれていませんでした。どうして。
あらかじめ謝っておきますが、写真はちょっと少なめです。そして解像度も低めです。
2004年1月という頃はデジカメや携帯電話のカメラなどが普及し始めてはいたものの記録媒体はまだまだ高価で、256MBのSDカードが1万円を下回っていたら「安い! お買い得!」という時代でした。現代ではタダで貰ってもちょっと困ってしまいますよね。
しかも別の場所へ行った帰りの京都タワーでしたので、空き容量が少なくなったため解像度を下げて撮影していたのでした。半ば無制限の撮影が可能な現代では考えられませんよね。
昭和の雰囲気が残る京都タワー
さて、京都タワーに入ります。
1階はお土産屋さんが並んでいます。ペナント……はないにしても、キーホルダーなどが並ぶ昭和の雰囲気のお土産屋さんでした。
このエスカレーター!
いやまぁエスカレーターは現代でもあちこちで見掛けますが、なんともたまらない雰囲気を感じます。
各階ご案内!
2階3階4階地下1階地下3階という並びがちょっと謎なのですが、並んでいる店舗も「100円プラザダイソー」「京都タワーブックセンター」「ゲームプラザ」「吉田歯科」「健勝苑大阪ショールーム」「手芸用品」「地下食堂街」「タワー浴場」と現代の雰囲気とはまるで違うメンツです。
2階のダイソーは現代でもあちこちで見掛けるお店ですが「100円プラザ」とは何やら懐かしい響きですね。そういえばそう呼ばれていたような……。かつての公式サイトを見ますと2001年2月頃までその呼び名が使われていました。
4階の健勝苑大阪ショールームとは何ぞと思いましたら呉服屋さんだったようですね。詳しくは検索してみて下さい。
地下3階のタワー浴場は2021年6月30日をもって閉店されました。
エスカレーターで3階に着いたところで展望台の入り口は1階ということが分かりました。
エスカレーターに乗る前に気が付けよという話だったんですが……。
楽しい掲示物
下りのエスカレーターが見当たりません。どこかな……。
下りのエスカレーターはなさそうですね。
ちなみにこの広い「売り場」が京都タワーブックセンターだったのだと思います。ゲームプラザはどこだったのかな。営業はされていたのですが、写真を何故に撮影しなかったのか。惜しい、惜し過ぎる。
よく見ますと美容室も営業されていたのですね。なんというか、昔ながらの雑居ビルという雰囲気だったのですね。
しかしこの避難図……
この絵!
好き過ぎる……。
「姿勢は低く ハンカチを口へ」を体現するピクトグラム界一のイケメンと言いましても過言ではありません。
さ、階段で下りましょう……。
階段の踊り場に掲示されていました「フリータイムクーポン加盟店」。
「フリータイム」という名称やこの絵からして修学旅行生向けのクーポンが発行されていたのでしょうかね?
遠慮がちに描かれた京都タワー……。
ちなみに絵は村生ミオ先生。1972年にデビューされ、2022年に亡くなられています。このステッカーは'83とのことで、2004年の時点で既に19年ほど貼られていたのですね。
ちなみに
先のエスカレーターの写真にもチラッと写っていました。「フリータイム」の前にも文字が書かれているようですが……何だったのでしょうね?
階段にはフロアガイドも掲示されていました。
和食、中華、麺類、喫茶と同レベルで並べられているカレーととんかつよ。和食や中華は料理のカテゴリという感じですが、カレーととんかつもそうか……?
「CDコーナ」も気になりますね。コーヒーではなく「コーヒ」みたいな。
この絵もたまらんねぇ……。小さい子供に見えますが髪型は不良がよくやっていたあれですよね。
たまらんねぇ。子供、浮いてますよね……。
いよいよ展望台へ
楽しい掲示物でもうわりと満足したのですが、展望台へも登りましょう。1階で入場券を購入し、エレベーターで11階へ向かいます。
エレベーターホールに貼られていたポスターです。
このポスターの五稜郭タワーは2006年に営業を終了しています。現在のタワーは2代目なのですね。
11階、展望台入り口に着きました。舞妓さんと綺麗なお姉さんがお出迎えして下さいました。
この飾りも京都らしいというのか昭和らしいというか……。商店街にも飾られていそうですよね。
お姉さんにチケットを見せ、再びエレベーターに入って展望台へ入ります。
連休初日の昼間にしては人が少なめです。そして結構狭いです。眺めは良いのですけど。
展望台に入りますと何かと風景に見惚れがちですが、風景の写真は数多の人たちが載せて下さっていますので私はやめておきましょう。
風景に背を向けて……
誰が為の展示物
温度計と風向計・風速計を眺めましょう。
「地上48mの気温」ほえー。
「温度計 この計器は地上48メートルの気温を示しています」……この説明要る?
針は左に振り切っているように見えますが、これが正しいのか故障なのか……。
ちなみに48mとは
このあたりの高さだと思います。
こちらは調整中でした。他は調整中ではないの?
ちなみに京都タワーの高さは131m。展望台が約100mの高さにあるそうです。
地上48mの風向風速。これは調整中ではないのかしら……?
地上120mの風向風速。
なんというか、これはどういう層に向けて設置したものなのでしょうね?
こ、これは……
「京都タワー測定局」だそうです。ほう!
ちょいと調べてみますと「オキシダント」とは健康被害を引き起こす大気汚染物質、「テレメータ装置」とは測定したデータを監視センターへ送る装置ということです。
で、それが何故ここに……。展望台の客から見えるところに設置しているということはこれも展示物のうちということですよね。私にはよく分かりませんが昭和はこういうものでも喜ばれていたのでしょうかね。
ギリギリ大らかな時代
展望台にはお土産屋さんもありました。
現代では一発でアウトになりそうな「NOVAうさぎ」のパロディである「SOVA」。いや、2004年の当時でもアウトだったんでしょうけど。
よく見ますと隣に並んでいるお土産も
アウトっぽい気がしますね。
サントリー「なっちゃん」のパロディである「やっちゃん」や、「アンパンマン」と「天才バカボン」のパロディである「アンパンボン」や……。
たわわちゃん以前の京都タワー
現在の京都タワーには「たわわちゃん」というマスコットキャラクターがいますが、2004年1月は正式なキャラクターとしてはまだ登場していませんでした。
東京都在住の方から寄贈された絵が飾られていました。
この子をマスコットキャラクターにという話は出なかったのでしょうかね。
他に何か面白いものはないかな……と景色もそっちのけで歩いていましたら
これは……扇風機とスイッチですかね、ですよね。冬ですので布で覆われていますが。
壁や天井に備え付けられている扇風機って昭和の頃はよく見掛けましたね。
あぁ、昭和だなぁ。良い雰囲気だなぁ……。
ホクホク顔で歩いていますとどこかから呼ぶ声が聞こえて来ました。
「ボク、てれぼーくん、遠くの景色がうんと大きく見えるよ。見てね!」
ん、何? 誰? 見回してみますと……
観光用テレビ望遠鏡「てれぼーくん」でした。興和オプトロニクス株式会社さんの製品で、画面は10.4インチ、最高倍率は108倍とのことです。
何故か怖い「展望いべんと館」へ突入する
タワーの展望台とは入口と出口の場所が少し違っているものです。
展望台からエレベーターで下りて行きますと、入場券を見せた入口とは違う場所に出ます。
そこに「展望いべんと館」という謎の館が待ち構えていたのですよ。これは強制です。ここを通らないと帰れません。
本当なら展望いべんと館の入口の写真を撮るべきなんですが、SDカードの容量が少なくてね……唐突な写真でごめんなさいね。
展望いべんと館とは京都の伝統的なイベントを1月から順番に紹介する場所でして、これは1月だったと思うのですが「手(形)と手を合わせてみとーみ」という京都弁らしき指示に従って合わせてみますとガラスの向こうに顔が出現し、「商売繁盛笹持ってこい」という掛け声がどこからか聞こえて来ました。 怖いです。え?
さらに進むと「節分の行事」として鬼が登場。怖いです。
「都をどり」……実際には華やかな舞台と思いますが、人形や薄暗い照明が怖いです。
写真を撮る私を2組の家族連れが追い越して行ったのですが、2組とも「怖いねー」と言っていました。 ですよねー…….。薄暗い照明や無機質な雰囲気が謎に怖いのですよね。
毎月のイベントは機械仕掛けで紹介されていまして、なかなか飽きさせないつくりになっています。現代なら一通り動画に残すのですけどねー。現代は恵まれていますよね。
残り少ないSDカードの容量と相談しつつ、面白いと思ったイベントを厳選して残したのだと思います。
何のイベントだったかは記憶にないのですが、無情にも落ちていく舟がツボにハマって撮影したのでした。
ところで「合わせてみとーみ」は別にして、これらの機械は自分でスイッチを押して動かしているわけではなくて、その月のエリアに入ると自動的に動き始めていたのですよ。どういう仕組みなのでしょう?
あたりを見回してみますと
これがセンサーなんですかね。ハイテクだなぁ……。
さらに進みますと、
「捕まえられるなら、つかんでごらん」
と何やら挑戦的な声が聞こえてきました。
「世界一の幸運が訪れる」
と言い切っているところがすごい。これは何としても掴まねば!
……ホログラムでしたー。
ん、これはイベントと関係があるのか? 面白いので設置しましたみたいなお遊びなのか?
カオスな雰囲気を感じつつ進みますと、唐突に泉が現れました。お金を投げ入れて下さい、そのお金はどこかへ寄付されますよ、と。
まぁそれは良いんですけど何の脈絡もなくそんな愛の泉が出現するあたりカオスを感じざるを得ません。
また、お金を入れるとどこからかお告げ? の声が聞こえます。 お告げは何種類かあるようでして、色々聞いてみようと思い1円玉を探していましたら後から来た家族連れが面白がってお金を入れ始めてくれました。ラッキー。
しかし1円玉とか5円玉とか結構な軽さと思いますが、それをトリガーに出来るものなの? 技術に詳しくない人間ですので、何やらすごい技術と思ってしまいます。
家族連れが行ってしまいましたので私も進むことにします。
うはははは。「とってもおもしろい マジック・ミラー」。いやまぁ面白いけどさ、試してみちゃいますけどさ。
このコンセプトのブレ感というかごった煮感が昭和ということなのかなぁ。子供が面白がりそうな物をとりあえず置きましたみたいな。
そして舞妓さん。美人ではないものの言うほど怖い人形ではないはずなんですが、謎に妖艶なライティングで怖い雰囲気になっています。
うはははは。なんなん、どしたん。面白過ぎ。ちょっと笑いが止まりません。何がしたいの。怖がらせたり、面白がらせたり、もう勘弁して下さい。
どこまでが展望いべんと館だったのかよく分からないのですが、進みますとゲームコーナーが見えて来ました。
「ドキドキ初体験 人生変わるかもよ♥」
うはははは。言い過ぎです。いやまぁ人生を変えちゃうゲームも存在しますけどね。
しかしまさかこんなトドメが待ってるとは思いませんでしたわ。 どっちかっつーとこの京都タワーがドキドキ初体験で人生変わるかもよ♥ でしたけど。
京都タワーを出てJR京都駅へ歩いていますと
京都タワーが京都駅に映っていました。楽しい時間をありがとう、こんなにも目立っているのに、面白いのに、マイナー感漂う京都タワー。
また来ますね。
おまけの2012年11月25日
また来ました。
なんとなく近代感のあるディレクトリが掲示されていました。スターバックスコーヒーが入居されたのですね。
マスコットキャラクターのたわわちゃんが登場していました。あぁ、時代は平成なんだなぁ。
と思いきや
村生ミオ先生の「フリータイムクーポン加盟店」は健在でした。いつ頃に発行されていた、どのようなクーポンだったのでしょうね。
エスカレーターの横には、うわぁー、昭和感! たまらんねぇ。家に飾りたいです。
とりあえず3階まで上ってみます。
がらーん……。
「ふたば書房」という名前が見えますが
閉店されたようです。
おぉ、この避難図は健在!
久し振りー!
2階……何やら寂しい雰囲気ですね。
ダイソーは一時閉店とのことでした。再オープン日未定って……。
地下へ来ました。ザ・地下という雰囲気……そしてこのパイプ椅子は? 休憩所?
「駅前温泉 タワー浴場」と「理容室」が営業されていました。観光して帰る前にサッパリするのも良いですね。
ちなみに京都タワーの北側には「タワー食堂ビル [北新館]」がございます。正式には「京都タワービル北新館」のようですね。
「食堂ビル」良いなぁ。
ということで、おまけも含めて最後までお読み下さいましてありがとうございました。
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