無限のハエにはありったけのベイプを。モンゴル②
ですます調は見えない誰かに媚びやすいことを発見。今日はダデアル調でドライにお届けな気分である。
海外旅行1泊目の朝はいつもより早く目覚める。
この日も7:00には自然に起床。目覚めのシャワーはいつまでたっても冷たいまま。
ホテルのフロントで、テレルジ行きのタクシーを予約してもらう。
モンゴルの移動手段は、基本的にはタクシー。我がポリシーには反しているものの、
バスは難易度が高そう+電車は情報が集まらず泣く泣くタクシー。
時間まで、ホテル周辺でしばしの時間つぶし。
タクシー運転手は予定時刻通りにホテルにお出迎え。
フロントのお姉さんも玄関まで出てきてくれて、とても心強い。
この日の宿であり、この旅のハイライト(になるはずだった)のゲルに向かう。
どこからテレルジ国立公園なのかわからないほど、市内を抜けるとすぐに両サイドに草原が見える。
牛・羊・らくだ。後部座席で声を上げると、優しい運転手は速度を落としてくれる。
タクシーでテレルジ国立公園のエントランスを通過する。
公園内はゲルつきの宿泊施設が数多く点在。「ここか、、?」と期待するたび通り過ぎる。
駐車場には見えない原っぱにタクシーが止まる。
施設から15歳くらいに見える少年が寄ってくる。
Welcome だけは聞きとれた。彼がきっとフロントなのだろう。
名前・国籍・予約番号など何も聞かれずに、ただNo.7のゲルを指定される。
ま、こんな大自然で悪さを企む人もいないだろうと楽観し、念願のゲルにチェックイン。
お、意外とちゃんとしてる。
絨毯・暖炉・ベッドフレームの柄がチンギス感をそそり、リネン類も清潔な様子。
気持ちは別班、高まるテンション、群がるハエ。
ハエ。
大自然だから。仕方ない。追い払おう。とまらない。どうしよう。
ベイプの出番。
これが防衛本能だろう。どういうわけか持っていた。
部屋に数プッシュすると、ハエが落ちてもがく。*←こんな感じでじーじーと回りながら弱る。めっちゃキモい。
しかし。
何度プッシュしても、ハエがとまらない。おそらくゲルのどこかに穴が開いている。
エンドレスにハエが入ってくる。わんこハエ。
宿をかえようか。割と本気で悩む。
同居人との協議の結果
・まずはベイプを吹き散らかして、しばらく放置する
・とりあえずキャッチボールしてビールを飲みに行く
・戻ってきてもハエクライシスが起きていたら、そのとき考える
ことに決定。何も決めないことを決める。
20発くらいベイプを吹き、くたばれ!と吐き捨てて自然に出る。
ずっとこんな景色。
動物の群れ、うんちトラップ、乗馬体験中の観光客。
いかにもボケが進行しそうな場所である。
そして、ゲルに戻る。
建付けの悪いドアを開けると、、
旋回するハエが約2匹、墜落したハエが100匹ぐらい。
地獄絵図。
フロントに掃除機レンタルを相談すると、ほうき+ちりとりの武装をしたお姉さま登場。
部屋に入って掃除をしてくれる。
Google翻訳を介しての会話のため、真意はわからないが
「何よこれ!何撒いたのよ!ひどい!」
とかこんな感じの独り言を言っていたのだろう。
ともあれ、安心して眠れそうな宿に様変わり。
ありがとう、ベイプ。
これから君はびんぼ―旅の不動のレギュラーだ。
安心してベッドでくつろぎ、ゲルのフロントで夕食をとる。
モンゴリアン・トラディショナル・ミール・プリーズ がギリ通じ、謎の炒め物定食をいただく。
夜になると、支配人らしき女性がゲルを巡回。とても綺麗な英語を話す方で、困っていることは無いか聞いて回っている様子。
「夜は寒くなるので、焚き火のストーブをつけましょうか?」
「(寒暖差大きいって聞いたしな。)おう、お願いします。」
判断ミス。
夕食後、同居人とそれぞれシャワーへ。
お腹いっぱい、シャワーでさっぱりした後、焚き火で温まったゲルでぬくぬく眠る。
はずだった。
シャワーを終え、ゲルに戻る。
先に戻っていた同居人の不安げな顔と、元気よく旋回するハエ10匹ほど。
嘘じゃん。
いなくなってたじゃん。なんでいんの。
まあそうか、ハエも寒いもんな。おいでおいで。
とかならない。半日自然と戯れても人生観は変わらない。
無慈悲なベイプ攻めを敢行。黙ってベイプ。でもとまらない。どんどん入ってくる。
支配人にヘルプを求める。よくある問い合わせなのだろう。
「焚き火の火が消えて、電気消せばハエたち出て行くよ。大丈夫。おやすみ。」
さっきまで優しかったのに急にドライじゃねえか!!!
おやすみ。 覚悟を決める。
同居人と本日二度目の協議。
議題は「私たちはどう眠るか」。
結論
・イヤホンをして寝る(旋回音をかき消す)
・シーツを頭までかぶる(墜落したハエが万一口に入ったら当分立ち直れない)
そして決行。オードリーのラジオ、ナベのくせに、すべらない話まとめをエンドレスリピート。
ハードだなあ、、と思いつつも、戦闘力の高まりを感じながらいつのまにか就寝。
翌朝、ハエはほとんど墜落しており、我々は戦いに勝利した。
ほぼハエの話だ。思い出し笑いしてしまう。同居人は強し。
この日をもってゲル泊を終了し、別のコテージへ。
次回でラスト。 皆様ぜひご覧ください。それでは。
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