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春立てる霞の空に

寒くなってきて、早くも春を待ちわびています。
今年の4月から、推敲しようと思いつつ、ずっとそのままで下書きに残ってた記事を投げちゃいます。
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ちょうど久しぶりに会うときに、春が来て、近くの桜並木は盛りの時期でした。車の窓からぼんやりと赤い提灯がぶら下がっているのが遠く見えます。200mくらいはずっと続く一本道に入り、辺りは桜の淡い色に包まれていました。

赤い。

少しいったところで、車を降りました。私たちの他には、近くのラーメン屋の娘さんとその相手がいるばかりの静かな夜でした。


次の日は、バイクに乗せてもらうことになりました。ヘルメット二つ分。私はこれが初めてだったのですが、全身にスピードを感じる不思議な体験でした。初めはゆっくりスタートして、40kmから60kmくらいまで慣れるまで桜並木の一本道をぐるぐる回っていました。

一番奇妙だったのは、カーブする時でした。

「曲がるときは、踏ん張ったりせずに同じような角度で倒れてね。」
と言われました。いざそのときがくれば変に強張ってしまうと思い、緊張していましたが、ふんわりと曲がることができました。

それから少し慣れ、周りの景色を見る余裕ができました。

気温は27度まで上がる暖かい日で、空を見上げると
「春立てる霞の空に」という言葉が頭に浮かび、この景色を見て、自分が作ったものと思い上がりましたが、そんなことはもちろんありません。笑

そういえば、靄のいう字も雨偏ですが、この字の下の部分は、まめまめしいという意味らしく、雨よりも粒が小さくて細かい「もや」の感じを言い当てていると思いました。

薄いピンクのソメイヨシノ。
主張は強くないけどほんのり色づいている。
空は、冬の、緊張感のあるはっきりとした輪郭を持たず、湿気のため、あるいはありとあらゆる生物が(特に植物)春の到来を喜んで空気中に立ち込めているような、ぼんやりとした印象を抱いていた。これがまさに「春霞」なのかもしれないと思った。

「桃源郷」そんな印象を受けました。

話は変わりますが、この写真は、三ヶ月ほど前から気になっていたカフェに行ったときのものです。敷地の端っこに一本桜の木があって、満開でした。
そこに行く前には踏切を一つ渡り、そこを過ぎるとなんとも形容しがたい田園風景が広がっていました。

10輪以上のタンポポが群生していたり、菜の花もたくさん咲いていました。
こんなところにカフェが存在するのだろうか。
と思っていたところに酒蔵作りの建物が現れ、看板は私たちの探していたものが見つかったことを示してくれました。
授業で参考図書に挙がっていたテリー・イーグルトンの「文学とは何か」もそこにありました。少し前のヒット曲がBGMで流れ、本棚には政治学と日本文学を中心としてびっしり蔵書がありました。

だんご
参道


まとめるの無理でした(笑)

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