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Periscope配信にイベント参加してみて~エア麦酒夜宴編

去る5月2日、Periscopeを活用したリレー配信によるオンラインイベント「エア麦酒夜宴」が開催され、盛況のうちに幕を閉じました。
企画面や技術的なことについては、せばすさんことSebastainさんの記事を読んでください。

この記事では参加者側の視点で、個人的に気付いたことを書いていきます。今後、同じようにネット配信を活用したオンラインイベント開催の参考になれば幸いです。

まえがき~エア麦酒夜宴開催前の状況

4月7日に発出された緊急事態宣言を受けて会場は休業となり、麦酒夜宴第二十四夜は開催中止と相成りました。細かい事情はわかりませんが、かなりギリギリのタイミングでの判断だったのではないかと思います。

そんなところに「ネット配信によるエア麦酒夜宴を開催します。配信にはPeriscopeを使います」と告知があり、嬉しい反面「本気? 本気でネット配信でやるの?」という驚きと不安が先立ってしまいました。

しかし、そういう星回りなのか単なる偶然なのか、おがたさんのテスト配信開始時に居合わせ、その流れでPeriscopeについて調べました。
この時のテスト配信を聞きながら書いていた自分用メモをまとめ直し、不足部分を再度調べて書き上げたのが一つ前の記事です。

かくして、期待と不安を抱きつつエア麦酒夜宴に臨んだのでした。


視聴環境の準備

当日は、Periscopeのチャットだけではなく「#エア麦酒夜宴」のハッシュタグを使ってTwitterとも連動(手動)させることになっていました。
テスト配信時の経験から、自分はPCでの視聴(ウィンドウ切り替えとキーボード入力)の方がやりやすいとわかっていたので、多少汚れても構わないキーボードを用意するところからはじめました。

人数が多いということはチャットの流れも速いので、自分にとって最も早い入力手段を選択するとストレスがありません(※)。
これは、配信側が視聴環境に選択の幅をどの程度持たせているかにも関係してくることだと思います。

また、飲食することが前提ならば、机の上にランチョンマットを敷いたり、おしぼりや布巾の類を用意しておくと良いです。飲食を伴わないイベントでも最低限の飲み物は用意しておいた方が良いです。特にこれからは暑い季節になっていくため、熱中症対策も重要でしょう。

※開催中の視聴環境は参加者によって様々で、長時間参加している人は主にPC(デスクトップorノート)とタブレット端末を使って、自分なりに机のスペースを確保しつつチャットやTwitterでのやり取りを楽しめるようにしていたようです。


開催されるイベントならではの準備(麦酒夜宴仕様)

当たり前ですが、会場が自宅(自室)なので飲み物や食べ物はセルフサービスです。飲食物が特色となるイベントでは、保存ができるものは早めに用意しておき、当日用意にするものは最低限に留めておくと楽です。
言い換えれば、イベント中は視聴している場所から気軽に離れて、気軽に戻れるようにしておく、ということですね。

麦酒夜宴をは「音楽を楽しみながらクラフトビールを飲もう!」というイベントですので、何はともあれビールを用意します。

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左からピルスナーウルケル、コロナエクストラ、上越線ビール(C61クラフトビール)、ブールムーン・ベルジャンホワイト、TOKYO CRAFT I.P.A.2020の六種。コロナエクストラは、前の記事の写真の通り半ダースあり、缶ビールは二缶ずつ用意しておきました。
この他、おつまみとしてチーズやスナック菓子などを用意しておいたのですが、当日の午前中に買い物(生活物資の補給)へ行く予定があったため、ついでにサラダなどの惣菜を買ってきました。


エア麦酒夜宴開催当日~シームレス配信

エア麦酒夜宴の当日の様子はPeriscopeのアーカイブで見られます。

本編は37:10付近からです。もし上手く再生できなかったらWatch LIVEのホームから「麦酒夜宴」で検索してみてください。
Twitterではハッシュタグ「#エア麦酒夜宴」で当日のツイートはおおよそ表示できます。

アーカイブを見ての通り、開始から終了まで一つのチャンネル(配信URL)で放送された完全シームレス配信でした。
イベント本編は、15:00開催の22:00終演というタイムテーブル(各出演者の出番は1時間)で、22:00からは出演者による音声チャット(Discord)によるオンライン飲み会配信という趣向です。

では、実際どの様に進行したのかというと、おおよそこんな感じです。


おがたさん
カメラの画角は左側面から、ターンテーブルなどのDJ機材を操作する様子を映しつつ曲を流していく、という配信ではスタンダードなスタイル。……なのですが、実際この角度かつ近距離からDJの姿を見ることはまず無いので新鮮さがありました。
カメラへのアプローチも積極的で、同じ場に居合わせるというの雰囲気作りにもなりトップバッターとしてこのやり方は大正解だったと思います。


Sebastianさん
生ピアノ演奏の有無を言わさぬ説得力……とツイートした方がいましたが、まさにその通りでPeriscopeもTwitterも流れがゆっくりになりました。みんな聴き入っていたからです。当日の様子についてはせばすさん自身が記事を書いているのでそちらを参照してください。


ちょむさん
まさかのバ美肉DJ!? 全参加者(出演者含めても誰一人知らされていなかった)がびっくり仰天。それでいて、指の動きなどのアバターの所作が本人その物であり、見た目のギャップと動きのシンクロ(そして選曲)にコメント欄は大いに盛り上がりました。
技術的なことについては、どの様にして実現したのかという記事をちょむさん自身が書いているので是非読んでください。

なお、バ美肉とはバーチャル美少女受肉の略で、美少女のアバターを操作することです。


片霧烈火さん
ご存じにゃんこのアバターでの歌唱配信。この際、YouTubeチャンネルの方でもPeriscopeと同時配信をしていたそうです。ライブで言うところのMCで「(自宅の)防音室から配信しているので暑い」とこぼし参加者の笑いを誘うサービス精神豊富な烈火さんならではの歌唱配信でした。


Agaiさん
おがたさんをゲスト(音声チャット)に招いて、前回2019年9月22日(日)の麦酒夜宴第二十三夜で行われた「ハードコア将棋プロレスリング」のオーディオコメンタリー。夕飯時にさしかかる時間帯と進行状況もあって、ウェブラジオさながらの進行は非常に良いところにはまった感がありました。
以下、参考までに。


なきゃむらさん
現在アメリカ在住のなきゃむらさんは、こっちは夜だけどあちらは朝というタイムゾーンを越えてのDJ配信。こんなワールドワイドな真似できるのもネット開催ならではでしょう。
ちなみに、ヘッダー画像のピルスナーウルケルのバックに映っている画面はなきゃむらさんのDJパートです。


Whoopee!さん
麦酒夜宴ではわりといつものことなのですが(実際はあまりよろしくない)、時間が押してしまって曲数少なめのDJ告知タイムでした。それでも色々期待が膨らむ告知内容にPeriscopeのチャットは沸き立ち、次回開催に思いを馳せるのでした。
ここからDiscordでのオンライン飲み会へそのまま繋がる形で、今回のシームレス配信の中継を担ったA-KIさんも加わり、和やかな雰囲気のまま最後の「Ein prosit」を唱和したのでした。この様子はPeriscopeにも流れているため、残っている参加者全員でのアフターにもなりました。


シームレス配信についての補足
開演中に放送が途絶えることは、一度もありませんでした。
出演者交代時──中継のチャンネル切り替え時──に麦酒夜宴のフライヤー(宣伝チラシのこと)が表示されるところは、会場でVJがプロジェクターにフライヤー画像や恒例のネタ画像を映す雰囲気が出ていて麦酒夜宴らしくなっていたと思います。
なによりこの〝間〟は、開演から通しで見ている参加者には、幕間の小休止になったとも思います。というより、実際なりました(笑)。

こうしてエア麦酒夜宴は、最初から最後まで盛況のうちに幕を閉じました。


イベント参加中に気を付けていたこと

PeriscopeのチャットとTwitterを使い分け
メインはあくまでもPeriscopeのチャットとして、時折Twitterをチェックして双方に書き込んでいました。
Twitterに書き込む際に気を付けていたのは、ツイートには必ず「#エア麦酒夜宴」のハッシュタグを付けることでした。これは、出演者がツイートを拾いやすくするためと、TLには麦酒夜宴とは無縁な方もいるのでミュート設定しやすいようにするためです。
Periscopeのチャットの方は、出演者へのエールやトーク内容などに関わる質問に使っていました。参加人数が多いため、特定の相手との会話が生じた場合は適宜Twitterを併用するようにしていました。

Periscopeのチャットログもアーカイブに残ることを意識する
オンラインイベントなので当然オフレコはありません。たとえ出演者の側から振ってきた話題でも「これはそのまま書いてもいいのかな?」と迷った際は書かないか、ぼやかして書くかにしました。後者は「書いても問題無さそうだけど、念のため具体的なワードはあえて伏せる」という書き方です。

自分に対するアクションがあれば積極的に応じる
オンラインイベントに限ったことではないのですが、ネット上の方がピンポイントで応対しやすいのと、文章のみでは足りない情報を補うためです。
場を作るという意味では、こうしたちょっとした振る舞いが、実地での開催よりも強く作用するかもしれません。


Periscopeを使用する上での注意点

まず、せばすさんがこの記事のChapter.4に書いているとおり、「時々動画URLを含んだツイートをしないと、途中から参加したい人がどこに動画があるのかわかりづらい」という点なのですが、イベント名などのキーワードで検索した方が早い場合があるため、ここは欠点と言うほどではないと思いました。

配信途中からログインするとチャットログを辿れない
現状でPeriscopeを使用する場合、この点を踏まえておかないとそうした仕様を知らない人へのフォローができません。新規ログインした人が見るチャット画面はログのない空欄状態なので、積極的な声かけ(挨拶)などで補う必要があります。
また、一度ログアウトして再ログインした場合も、自分のコメントも含めてチャットログが消えてしまいます。現状そういう仕様です。

Periscopeアプリにミュート機能がない
Twitterなどの別のアプリを開いてもバックグラウンド再生ができるのですが、アプリを終了させない限り音が消せないのは地味に不便でした。
しかもスマートフォン/タブレット用のアプリでは、マナーモードにしても音が消えないという仕様なので、ログイン状態を保持したまま音を消すにはボリュームを0にするしかありません。
チャットログが読み込めれば不要な機能なのですが、「ログアウトするほど離れないけど、ちょっと音を消したい」というケースに対応できないのが現状のPeriscopeの仕様です。
これも、Periscopeに頼る以上は事前に踏まえておくポイントです。

Twitterとの連携が不可欠
PeriscopeのチャットコメントはTwitterと連動していないのですが、そのゆえにTLへの影響を気にせず配信に対して気楽にコメントできます。
一方でPeriscopeのチャットには画像が投稿できないため、適宜Twitterを使って参加者も積極的にアプローチしないと出演者の負担が大きくなってしまいます。
ここで重要になってくるのが、配信に特化したハッシュタグの活用です。
今回のエア麦酒夜宴では、当初から多くの参加者がちょっとしたツイートにも「#エア麦酒夜宴」のハッシュタグを付けたため、途中参加の人たちにも自然に広まったのが成功の一因だと思います。
開催告知の時点からの主催者側のアピールも重要ですが、開催中の出演者の「#エア麦酒夜宴のハッシュタグを見てみてると~」といった気配りもまた重要な鍵になります(なりました)。


ちょっと寄り道~麦酒夜宴とボードゲーム

いつの間にか麦酒夜宴を彩るピースとなっていたボードゲームですが、主に遊ばれているのはカードゲームです。
プレイ時間が短く、テーブルのスペースを占有せず、比較的多人数で遊べるゲーム、という条件でのチョイスは非常に難しいと思います。

遊ばれているゲームは大体こんな感じです。

麦酒夜宴でのボードゲームの位置付けは、会話の取っ掛かりとして機能しています。少なくとも、私はそう思います。同時に、この位置付けがちょうど良いとも思っています。

将棋もひっそり行われているのですが、素人でもおおよそのルールがわかるので観戦しやすいという強味があります。
少人数プレイのゲームでも観戦しやすい──見ているだけでもそこそこ楽しい──ゲームなら問題ないのですが、何をやっているのか当人とルールを知っている人にしかわからないゲームは不向きです。

今回のエア麦酒夜宴に際して、オンラインボードゲームサービスが紹介されていたのですが、使い方について調べている余裕はありませんでした。

アカウントを作ってログインしてみないと細かな仕様がわからないので、結局いまも棚上げしています(汗)。
わかったことは、ボードゲーム専用のサイトなのでガチでプレイすることが前提だということです。

また、Board Game Arenaのトップページにあるゲームラインナップを見た限り、麦酒夜宴でお馴染みのゲームはありませんでした。

というより、オンラインで音楽とビールのイベントを開いて、参加者同士の交流もやって、さらにボドゲ……というのは欲張りすぎかな? というのが私の率直な感想です。

それでもあえて、今後また麦酒夜宴をオンライン開催して、そこにボドゲ要素を入れたい……というのであれば、専門家の知恵を借りる必要がありそうです。


まとめ~Periscopeを活用したオンラインイベント開催は可能である

とまあ、参加者側からエア麦酒夜宴の模様を紹介するとこんな感じです。
「Periscopeのアーカイブを見てください」で済ますにはちょっと無理のある長さなので要点を圧縮してみましたが、それでも結構な長文になってしまいました(汗)。

今回のエア麦酒夜宴は、Periscopeを活用したオンラインイベント開催が可能であるという証明になったと思います。
イベントのオンライン開催が「できる」が「できない」で言うなら「できます」ので、「やる」か「やらない」かで迷うのならやるべきでしょう。

というのも、自粛が萎縮になってしまうとあったはずの〝次〟さえもなくなってしまう恐れがあるからです。
そのイベントに関わる人のモチベーション維持、イベントそのもの維持にも繋がるため、単純な「イベントをやりたい」という動機からだけでも開催する意義は十分にあると思いました。

何気に最初から最後まで完走した(してしまった)のですが、飲んだ量の割にはその日のうちに片付けも全て済ますことができ、「まんぞく~」して床に就けました。

楽しかったです。
皆さま、お疲れさまでした。


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