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デジタル遺品となってしまう前にできる備え


■デジタル遺品になる前に

デジタル遺品には実体はなく、故人のデジタル機器の中に存在します。
だからこそ、いざという時に見つからず何も見ることができない、といった事態が起こる可能性が高いです。

◎スマートフォン、パソコンのパスワード

ExcelなどのデジタルツールでIDやパスワードを控えている方もいらっしゃいますが、
そもそもExcelを開くためにパスワードが必要だったり、
ファイルの場所が分からずに、見つからないということもあります。
IDやパスワードをノートやメモに書くなど、実はアナログな方法が有効です。
また作成したメモなどは、「何かあったらここを見てね」とご家族と情報共有することが重要です。

◎インターネットバンクの口座情報

近年では、残高照会や振込がインターネット上で出来るインターネットバンクを利用されている方が増えています。
インターネットバンクの情報は、IDやパスワード、暗証番号だけではなく、取引パスワードや本人にしか分からないような秘密の質問などがあり、金融機関によって異なります。
これらの情報は本人だけが知っている場合が多いですが、いざという時に備えてご家族に知らせておくと、将来的なご家族の負担を軽減することができます。

◎定額サービス(サブスクリプション)のアカウント

映画やドラマなどの動画配信サービスや電子書籍など、毎月もしくは毎年定額でお支払いされているサービスがあれば、そのアカウント情報を共有していただくことで、残されたご家族の労力を減らすことができます。
アカウントの情報が分からないと、なかなか解約できずに余計な費用がかかってしまう場合もあります。
海外のサブスクリプションを利用している場合は、言語の壁が発生し、デジタル遺品の専門家に依頼する必要が発生してしまいますので、使っていないものは解約する、本当に必要なのかを今一度考えていただくなど、お客様のこれからの暮らしに寄り添っていけるといいですね。

◎ブログやSNSのアカウント

亡くなられた方のSNSはどうなると思いますか?
ご本人が亡くなり、ログインしていない状態が何年続いても、アカウントが自動で消えることはありません
例えばFacebookの場合、亡くなられた方のアカウントを削除するためには、削除申請する人が肉親であること、もしくは亡くなられた方の執行人であることを証明する書類を送る必要があります。
また死亡診断書のスキャンデータか写真を送ることでも、アカウントの削除申請をすることができます。
必要な書類や手続きなどは、SNSによって異なるため、利用しているサービスが多いほど、残されたご家族の重荷となってしまいます。
ログインのIDやメールアドレス、パスワードを残しておき、何かあった場合にアカウントを削除するのは誰かをあらかじめ決めていただけると、万が一の時にスムーズに対応することができます。

■生前整理が頓挫する場合

生前整理は様々な要因で頓挫してしまう場合があります。
特に、メインの依頼者以外の第三者(依頼者の家族)が介入すると、意思決定者が増えるために
スムーズに整理が進みにくくなる場合もあります。
以下、よくある生前整理が頓挫してしまうパターンをまとめます。

◎価値観の違い

一緒に暮らしているご夫婦でも、一方からしたら宝物、もう一方からしたらただのゴミだと認識されるケースがあります。

◎片付けで喧嘩になる

女性同士に多く、お母さんの家を片付けたい娘さんが、あれもこれも要らないとお母さんに代わって判断することで喧嘩になり、生前整理が頓挫する場合があります。

◎家やモノへの思い入れが強い

これまで暮らしてきた家や大切に保管しておいたモノは、なかなか手放せずに整理が進まないことがあります。

◎身内が全く手伝ってくれない

ご家族の関係構築で、あまり上手くいっていない場合などは手伝ってくれないケースもあります。

◎モノが大量で、対応しきれない

モノが大量にあると何から手をつけて良いか分からずに、結果頓挫してしまうこともあります。

このようにいざ生前整理をしようと思っても、進めていく中で思ったように進まないケースは非常に多いです。
その可能性もお伝えすることで、相談者の価値観を尊重しながらも、「本当に」大切なものは何かを一緒に考えていける専門家になりたいものですね。

デジタル遺品となる前に、生前整理としてできることをご紹介してきましたが、
デジタル遺品となってしまった場合、どのようにスマートフォンやパソコンを調べていったら良いのかについては、こちらのセミナーで詳しく解説しております!

【相続関係事業者が知らないとヤバい!デジタル終活セミナー】

デジタル遺品の生前整理は、非常に重要だと分かってはいつつも、緊急性が高くないため、なかなか手を付けられないという方が多いです。
その方々の背中を押し、安心や信頼につながる助言ができるようにしていきましょう!

今回の記事のベースとしているTRINITY LABO.セミナー
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