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デッキ紹介記事 #04『The Dark Company』

ブラック企業、それは「労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す」「企業全体のコンプライアンス意識が低い」という特徴を持つ極悪非道な組織であるー
(参考:厚生労働省ウェブサイト)

今回は戦いを終えたE・HERO達がブラック企業に酷使されるデッキの紹介です。
なんて非道いコンセプトだ…


一、はじめに

このデッキの成り立ちですが、ざっくり言うと「初めて組んだデッキ」の終着点です。
以前「ミソのデュエルのミソ」のミドリラジオ『付き合いの長いカード』の回に送ったメールがこちら。

かれこれ15年以上の付き合い

【お触れブラックパラディン】が乗っ取られた形ではありますが、今では立派なフェイバリットデッキです。
記憶の限り思い出した当時のデッキと、今回紹介する【The Dark Company】を並べてみましょう。

こんなんだったと思うんだよなぁ
逆に今お触れ入るのもアリ…?

このデッキ紹介記事ですが、先に申し上げておきますと非常に長い記事になってしまいました。
思い入れがある故にやたらと筆が進みました…
過剰な解説をしている部分もありますので、有識者の方々は流し読みでも構いません。
私自身のための記録も兼ねて、この魂のデッキをご紹介します。
ぜひお付き合い頂けると嬉しい限りです。

二、コンセプト

正規融合に次ぐ正規融合でガンガン攻めるデッキです。
長い初動も手の込んだコンボギミックもありません。

遊戯王OCG最初期から存在する「融合」という召喚法は、他のシンクロ、エクシーズ、リンクと比べて消費枚数が1枚多いです。
カジュアル環境と言えど、7期辺りからそのリソース差に苦しんできました。
それを解決してくれた(解決したとは言ってない)のが《融合再生機構》の登場です。ブラック企業が誕生してしまいました。
HEROに於いては《E・HERO シャドー・ミスト》が手札コストとして最適であり、エンドフェイズの回収も加味すると消費1枚で融合召喚が可能となります。

《モンスター・アイ》《物資調達員》も絶賛労働中!

更に《E・HERO リキッドマン》《クロス・キーパー》の登場によりリソース増強の手段も増えました。
《融合再生機構》をブチ建ててHERO達を使い回してたくさん融合する。
それだけです!

三、E・HERO関連(メインデッキ)

デッキのエンジンであり大事な従業員たち。
《E・HERO エアーマン》《E・HERO シャドー・ミスト》は皆さんご存知かと思いますが、HEROのサーチです。

キミ、漫画版とは別人だよね?
②はデッキからでもX素材からでもOK

チェンジ系は邪道なので入ってません。これ大事。
《E・HERO エアーマン》は同名ターン1が無いので、蘇生により更にサーチをしても良し、魔法罠を割っても良し。最強。
ただし注意点が2つ。
まずはタイミングを逃すという点。
2つ目は魔法罠の破壊効果について「効果処理時に表側で存在する他のHEROの数まで、1体でも存在すれば最低1枚は必ず(自分のでも)魔法罠を破壊する」という点です。
その分、チェーンされて状況が変わっても柔軟に対応できるメリットでもあります。

《E・HERO リキッドマン》はこのデッキのエースです。ガンガン働いてくれます。
召喚時にHERO蘇生、HERO融合の素材になった場合に手札回復が可能です。

それぞれターン1にしてくれ

水属性のため《E・HERO アブソルートZero》の融合素材のどちらの条件も満たしています。
このデッキは彼に頼る部分が大きく、水属性という点は高ポイントです。

似た効果を持つのが《クロス・キーパー》。

かの悪名高きPOTEの追加組

展開した後に墓地効果で手札回復をしてくれる、期待の大型新人です。
リンク2へのアクセスがグッと楽になりました。
強すぎて一時《トゥルース・リインフォース》を採用していたほど。。

《E・HERO ソリッドマン》も展開と蘇生効果を持っていますが、この2人と比べると若干の使いにくさがネック。
しかし初手に《E・HERO エアーマン》と共に揃うととても嬉しい。

②がL召喚に非対応なのは時代のせい

続いて《融合》サーチがメイン任務の《E・HERO ブレイズマン》。
いざという時は②でネオス系をコピーして2500打点で殴ります。

②の縛りはEXだけにしてくれ

《V・HERO ヴァイオン》ではなく《E・HERO ブレイズマン》。
逆張りではなくマジです。
《V・HERO ヴァイオン》は《召喚僧サモンプリースト》初動での採用歴はありますが、手札コストと墓地リソースが不足してしまいます。
何より《E-エマージェンシーコール》非対応なのが痛い。
また《E・HERO アブソルートZero》以外の属性HERO融合体は「E・HERO」指定であるため、融合素材へのなりにくさも気になりがち。

何かと他テーマで話題になる《E・HERO プリズマー》君、ちゃんとHEROの仕事もしてね。

デュエルディスク付属とかいうふざけた初出

対応しているのは《E・HERO オーシャン》《E・HERO フォレストマン》《ヘルカイトプテラ》の3体(《融合準備》も同様)。
HERO2種は《X・HERO ヘル・デバイサー》のサーチ対応でもあります。

かつての輝きはどこへ
こいつが強いんだ。ほんとに。

このベテラン2人が見えると、対戦相手にはたいそう驚かれます。
どちらも自分スタンバイフェイズでのサーチorサルベージ効果を持ちます。
残業(展開の最後に《E・HERO ソリッドマン》《クロシープ》で蘇生)や早出(《戦線復帰》でスタンバイフェイズに蘇生)をさせて働かせましょう。

ネオス系統はリージョンフォーム2種を採用しています。

ダメステの暴力
自分だけ助かるマン

「ダメステいいっすか?」でおなじみ《E・HERO オネスティ・ネオス》君。
ダメ押し、耐性持ち突破、反撃、なんでもござれ。
特殊召喚封じ系のモンスターに対しても《E・HERO エアーマン》召喚からのサーチで4300打点になり、拳で解決できます。

対する《E・HERO スピリット・オブ・ネオス》は守りのカードです。
おまけに《融合》サーチもしてくれるいい人。
あと戦闘耐性は永続します。

融合素材にした彼らを《融合再生機構》で回収するとめっちゃ嫌な顔をされます。見せてあげてるんだから許してね。

上記の従業員たちを呼び出し、もといサーチするのが《E-エマージェンシーコール》《増援》です。
《E-エマージェンシーコール》は《クロス・キーパー》には非対応ですが、他はレベル制限無くサーチ可能なのが偉いですね。

休日に会社から呼び出される恐怖

HERO関連の魔法罠の最後は、比較的最近のカード2枚です。
《フェイバリット・ヒーロー》は《聖騎士の追想 イゾルデ》から《焔聖騎士-リナルド》を経由して《融合再生機構》にアクセスできる最強装備魔法。

おっさんライダー

装備対象こそ限られていますが、ステータス増強、対象耐性付与、フィールド魔法発動、連続攻撃…と、様々な効果を持ちます。
相手フィールドにモンスターが複数いれば《E・HERO ノヴァマスター》で連続ドローも狙えます。
先攻では②の発動が出来ず、①の適用もされない点には注意。

《エレメントの加護》は魔法罠を無効にするカウンター罠。
《E・HERO スピリット・オブ・ネオス》でサーチが可能です。
コストとして場のE・HEROを一時除外します。

《E・HERO フォレストマン》を逃がしても面白い。ほんとか?

《E・HERO アブソルートZero》を使ってね!ってデザインなんでしょうけど、無効にしたい相手の初動魔法の段階ではモンスターは不在がち、かと言って撃つタイミングが遅れるとモンスター効果で処理されてしまいます。
このご時世、モンスター効果無効も付けても大丈夫だったよなぁ…

特筆すべきは②の効果です。
ほとんどの融合E・HEROは「融合召喚でしか特殊召喚できない」という呪いがかけられており(コンタクト融合体は正規召喚した後なら蘇生等が可能)、墓地融合の素材や《HEROの遺産》のコスト等、活用方法が限られていました。
この呪いをすり抜けて蘇生、帰還が可能となり、攻め手がより豊富になりました。

え?発動条件?
そんなもんは気合でどうにかするんだよ!

四、《融合》関連

このデッキの要である《融合》関連はこんな感じです。

《沼地の魔神王》が名誉HEROというのは有名な話

まずは言わずもがな《融合》のズッ友《沼地の魔神王》君。
サーチ、代用素材、《E・HERO アブソルートZero》の素材とマルチタスクなスーパー泥マン。
現在は代用素材の適用は《E・HERO ジ・アース》《ヘルホーンドザウルス》のみですが《超魔導騎士-ブラック・キャバルリー》《真紅眼の黒刃竜》《ミレニアム・アイズ・サクリファイス》等、選択肢は色々あります。
EXに空きがあれば全部ブチ込むのに…
何気に《デブリ・ドラゴン》対応ステータスですが、レベル7ドラゴンSなんて入る隙間も無く。。

《ヘルカイトプテラ》は《ミラクル・フュージョン》から展開と《融合》回収をしてくれます。
素材名称指定されているので比較的アクセスしやすいです。
あと召喚からでも《融合》サーチしてくれるのは普通にアライグマ。タスカル。

《融合再生機構》は1枚のみです。
複数枚欲しい場面も多いですが、極力最低限の枚数で密度を高めたい。
《フェイバリット・ヒーロー》から「HEROにはHEROに相応しい、戦う舞台ってもんがある!」とかほざきながら張ってます。

逆に《融合》はこれが無いと何も始まらないのでフル投入です。
ブースター版絵違いを使い続けてます。ちょっと自慢。

何回見ても古代特有の謎テキスト

《融合》にチェーンされて場のモンスターを除去されても、手札で他素材の選択肢があるのはHEROならではの楽しさ。
逆に1体でも融合可能であれば出さなければならないんですけどね。

《ミラクル・フュージョン》《超融合》は引ければラッキー枠。
《E・HERO サンライザー》からのサーチは最近まで遠慮してましたが、インフレに対抗すべくヘッドハンティングしました。
属性HERO融合体は《E・HERO ガイア》以外採用しているので、場にE・HEROがいれば地、神以外は吸収合併できます。
自分フィールドのみでも《E・HERO アブソルートZero》《クロシープ》《融合再生機構》の起動が可能なら積極的に使っていきます。

《融合回収》は1枚が2枚になるお得カード。
《ブランチ》は試しに入れてみたら意外と使いやすくて採用してます。
《融合準備》も中盤以降はお得カードになります。
相手の除去をかわして撃てば一石三鳥!

《サイバー・ドラゴン》と同期
実はダメステでも(=戦闘破壊でも)起動します
ドラゴンの方は出てこんのかーい

そして《融合》の救世主となった最強融合モンスター《ガーディアン・キマイラ》についてここで触れておきます。

見た目もバチクソカッコいい

BACHで登場し、現在は《合成獣融合》から飛んで来がちな彼ですが、その性能は全ての融合モンスターを過去にしたと言っても過言ではありません。
攻守共に3300という高ステータスを有し、融合召喚と同時にリソース回復と対象に取らない破壊を行い、更に墓地に《融合》があれば真の力を発揮して対象耐性を獲得します。
たぶんその内クーデター起こしてCEOにでもなるんじゃないんですかね、知らんけど。

五、EXデッキ

で、《ガーディアン・キマイラ》とゆかいな仲間達がこちら。

カツカツofカツカツ

前述の通り、属性HERO融合体は《E・HERO ガイア》以外を採用しています。
効果だけ見ると《E・HERO エスクリダオ》の方がしょーもないんですが、闇属性であるという一点で採用しています。

効果が永続してくれたら採用してたのに…

余談ですが、属性HERO融合体は彼が開祖です。
そして初出は定期購読特典。コイツも高かったんだ…

ざっくり効果を紹介すると以下の通り。
《E・HERO アブソルートZero》:場から離れると《サンダー・ボルト》
《E・HERO エスクリダオ》:墓地のE・HERO1体につきATK100アップ
《E・HERO The シャイニング》:除外のE・HERO1体につきATK300アップ
 墓地に行くと除外のE・HERO2体回収
《E・HERO Great TORNADO》:融合時に相手モンスターの攻守永続半減
《E・HERO ノヴァマスター》:相手を戦闘破壊すると1ドロー

エスクリダオほんっとどうにかならんか

《E・HERO アブソルートZero》の強さは周知の事実ですが《E・HERO Great TORNADO》もかなーり頼りになります。

ハイレアリティになってくれ。頼む。
2枚採用しても良いレベル

要求素材が風属性、つまり《E・HERO エアーマン》をフル活用できます。
そして対象を取らずに相手全体の攻守とも半減させます。
これがターン中ではなく永続するってのが皆さん驚かれます。
何度彼の力で盤面をこじ開けた事か…

《E・HERO ジ・アース》は素材名称指定が主なお仕事。
出勤するのは非常に稀です。
《エレメントの加護》の墓地効果を使うしかない…!って場面で彼と心中するつもりで融合します。

同じく名称指定用の《ヘルホーンドザウルス》。
フィールド魔法サーチ効果もあるので素直に融合できたら良いんですが、今の所自力では《沼地の魔神王》+《ヘルカイトプテラ》で出すしかありません。
自分の《ヘルカイトプテラ》《沼地の魔神王》と相手のドラゴン・恐竜と《超融合》を狙うのも無くはない、って感じですね。

《E・HERO サンライザー》は前述の通り、ラインギリギリのパワーカードだと思っています。

せめてE・HERO素材指定しろよ

お手軽素材、《ミラクル・フュージョン》サーチ、全体パンプ、破壊効果…
でもね、コイツの力に手を染めてなお押し負けるのが現在のカジュアル環境なんすよ。
先行制圧ではなく、後手捲り効果なのがせめてものE・HEROらしさかな。

対する《X・HERO ヘル・デバイサー》は《E・HERO オーシャン》《E・HERO フォレストマン》をサーチする代償として激重縛りを要求してくるヤバい奴。

「するターン」

多くの場面では《聖騎士の追想 イゾルデ》を優先します。
融合素材やネオス系をサーチしつつ《フェイバリット・ヒーロー》から《融合再生機構》にアクセスできます。
ここから《ガーディアン・キマイラ》《マグナム・ザ・リリーバー》を出しても良し、《クロシープ》に繋げて更に展開しても良し。

ノーレア顔だけどそうじゃなくてよかった
今話題の光・悪魔

《クロシープ》も融合召喚の救済者です。
見た目の可愛さに反してバリバリのしごできちゃんです。
対象を取らずに効果有効で蘇生してくれるので、状況に応じて蘇生先を選択できます。
リンク先に融合モンスターを置いておけば、もう片方のリンク先にメインモンスターが特殊召喚されても起動するのが優秀。

《マグナム・ザ・リリーバー》が現在唯一の自由採用枠です。
比較的汎用性の高い彼を入れていますが《超融合》では出せないのが悩み所。
《融合回収》を墓地コストとして活用できると嬉しいですね。
ちなみに次点の候補は《真紅眼の黒刃竜》です。

キミもハイレアリティになろうよ

最後の1体は《深淵に潜む者》です。
唯一のエクシーズであり、強力なロック効果を持ちます。

ブルシク欲しいんだよなあ

古来よりE・HEROはランク4を組みやすく、水属性シナジーもあります。
①の適用状態では《E・HERO アブソルートZero》が3500まで上昇します。
②は説明不要の強さですね。デッキによっては機能不全に陥れる事も。

六、メインデッキその他

順番が前後しますが、残りのメインデッキのカードを紹介します。

《焔聖騎士-リナルド》は基本的に《聖騎士の追想 イゾルデ》からリクルートして《フェイバリット・ヒーロー》を届けてくれるお兄さんです。
一応《E・HERO ブレイズマン》が対応ステータスなので、引いてしまってもまだ大丈夫です。
その場合は《聖騎士の追想 イゾルデ》から《D‐HERO ディスクガイ》をリクルートします。

未だに記録媒体がディスクってマジ?!

蘇生方法は多めなので、そこそこ2ドローしてます。
《E・HERO リキッドマン》の蘇生範囲がHERO指定なのが活きてきます。
相手に《死者蘇生》されたら諦めて《超融合》して差し上げましょう。

何度も書いているように「水属性であること」の重要度が高いデッキなので、汎用水属性に採用の余地があります。
現在お試しで入れているのが《カット・イン・シャーク》です。

ドリルさんの新弾見る枠で初めてちゃんと効果読みました

《E・HERO アブソルートZero》のサクリファイスエスケープと《E・HERO リキッドマン》《沼地の魔神王》等の回収が可能です。
まだ効果使ったことないですが、たぶん強いです。はい。

ちなみにそれまでは《モコモッコ》《極氷獣ポーラ・ペンギン》等がいましたが、みんな辞めていってしまいました。

最後は汎用罠2種《戦線復帰》《バージェストマ・ディノミスクス》です。
蘇生についてはこれまで何度か触れてきた通りです。

手札コストではなく処理時に捨てる。偉い。

モンスター効果耐性持ちや、置物系への対処方法です。
そして②でモンスター化すれば水属性…もうお分かりですね?

余談ですが、つい先日までは《魍魎跋扈》も入ってました。
通常召喚時の効果や《E・HERO オーシャン》《E・HERO フォレストマン》の起動が狙いです。

フレーバー的にも合ってる

メインフェイズのみという発動タイミングがやや扱いにくく《戦線復帰》と役割も大きく変わらないため現在は抜いています。

七、おわりに

ここまで読んで下さった方、本っっ当にありがとうございます…!
気付けば7000字を超える駄文長文となってしまいました。
しかし長年使い続けたこのデッキの言語化は、とても楽しい時間でもありました。
これからも進化し続けて、常にデュエルを盛り上げてくれることでしょう。

皆さまと熱いデュエルをできるのを心待ちにしております!