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【映画感想】ディレッタント!ロバート・ダウニー・Jrのくたびれ感が素敵だったホームズとか。

 2011年6月21日にアップしたやつ。

 ここ1カ月、私は期限切れのために仮免になってしまった我が普通免許をどうにか再取得するため、セコセコと自動車教習所に通っております。ついでにペーパードライバーも脱するつもりです!がんばれ!自分!
 あとちょっとで卒業です!超がんばれ!
 そんな中、最近このかたの映画を観る機会が多かったので、軽く感想など。

 監督がガイ・リッチーだって知らずに観初めて、「結構かっこいい撮り方するな~誰が監督?」って思ったらガイ・リッチーでした。
 ストーリー自体はコナン・ドイルの原作には無いものなんですね。連続殺人犯の黒魔術師を捕まえて処刑したら、そいつが蘇ってさあ大変、と言うお話。すごいざっくりですが。
 緻密な完全犯罪を解き明かす、と言ういわゆる「探偵モノ」と言うよりは、アクションモノと言った脚本、かつノリであります。とりあえず色々爆発しまくりです。
 でも、「一瞥しただけで対象の置かれている状況を瞬時に推察する」というホームズお得意の探偵術は随所に現れますし、コナン・ドイルの原作におけるホームズもボクシングの名人だったりするので、設定そのものはそこまで原作と乖離していないと思います。初期の、コカインやモルヒネを嗜んだりするディレッタントなホームズのイメージを踏襲している感じですよね。その変人具合に主演のロバート・ダウニー・Jrの雰囲気が結構マッチしていて、怜悧な名探偵と言う従来のホームズ像とは少し違いますが、これはこれで良いホームズなのではないかと思ったりしました。
 イメージと違うのはどっちかって言うとジュード・ロウのワトスン君の方でした。こんなにカッコよく動き回るワトスンなんて原作にいたかしら。まあ良いけど。
 シリーズになるみたいなので、2人の当たり役になるといいですね!
 と、あまりに普通な感想文を書いてしまった自分に軽く驚愕しました。次回作は監督次第かな~。

 ロバート・ダウニー・Jrの良さは「端正なのにちょっとくずれたところ」だと思うのですが、そんなボブさんの演じる変身ヒーローは、「会社を経営する傍ら世界も救うよ」というバットマンスタイルながら、バットマンのキリッとした、シャツに皺の1本も寄っていなさそうな感じとはだいぶ違います。おっさんだからバトルの後に疲れちゃって、ドーナツ屋でドーナツ食べたりしてるのがいい感じ。
 ミッキー・ロークが出て来て、私大喜びの映画。
 飛行機の中で観たんで、ちゃんとTVで観ればもっと面白いのかなあ。まあもう観る気はしないんだけれども。

 これに出てくるボブさんは、しょっぱなから自転車でひっくり返って病院に運ばれ、すわ駄目人間来たか?と私をワクワクさせてくれたのですが、その後は普通に知的かつ行動的な新聞記者の役でした。そう言う意味では物足りない。
 路上生活者、精神疾患、貧困などの諸問題と、それらへの救済、弱者の依存と自立、と言うかなり難しい主題に取り組んでいますが、語りつくせていない・消化不良である、と言う印象。原作は実話であり、それもかなり直近の話題なので(原作となったコラムの初出はL.A TimesのHP上には2005年の4月に掲載されている)、それが理由かなあと思います。主人公ふたりの人生はまだ続いていて、そこに脚本家や監督の想像を入り込ませるスキマが無いというかんじ。いろいろ難しかったんだろうなあ。よどみなく美しい映画ではあるけれど。




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