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【旅行記】人類の宝を観に行ったら、吉田麻也のデビュー戦もついてきたお話。その③

2012/9/22にアップしたやつ。

 「人類の至宝を観にイタリアに行こう・完結篇」です。
 まさかの3部作。

2012/9/14(FRI) ローマ、嵐からの曇り
 昨日の雨からイヤな予感はしていたのですが、起きたら雨。しかも中々の大雨。
 ツイてないことに、今日は野外散策。昨日と旅程が交換だったらまだマシだったのですが。
 でも、めげずに出発。
 まずはメトロB線に乗って、ピラミデ駅で降ります。
 テスタッチョ市場と言う市場に行くのです。旦那が市場大好きなのと、私も嫌いではないので。目論見では、そこでパニーノでも買って、お弁当にしながらコロッセオとかフォロ・ロマーノを見学しようぜ、と思っていたのですが。
 市場、無くなってた。
 行けども行けども住宅しかない。その一街区に、青空市場の名残のがれきみたいなのしかない。
 張り紙見たら、7月で終わってた。
 改装中なのか、終わったのかは、語学力が無いので良く解りませんでしたが。
 びしょぬれの雨の中、この仕打ち。苦笑いしか出てきません。
 しょうがないからすごすごと退却。
 メトロに乗って、コロッセオ駅で下車。本来ならスゴイ行列のはずですが、お天気が悪過ぎて、気合の入った観光客しかいやしねえよ。ガラガラです。

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 どーん!
 と、駅を降りた途端にこの光景。すげー。ローマすげー。
 ローマはこの週、連日27~28℃くらいの天気予報で、観光客も薄着の人が多かったのです。雨ばかりか気温も低く、風も強いと言う結構最悪のコンディションで、装備の無い人やサンダル履きの人もたくさんいて大変そうでした。
 我々は山用のレインジャケットを持参していたので何とかしのいでおりました。ジャケットしか持ってきて無かったけど、ボトムスも欲しいくらいの雨でした。
 そんなコロッセオ。広い。

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 映画「ドラゴンへの道」で、ブルース・リーとチャック・ノリスが戦ったり、「グラディエーター」でラッセル・クロウが男気ムンムンの剣闘士を演じたり。
 ここに数万人もの人が集まって、日々、人間と獣の殺し合いやら、人と人との殺し合いを観ては足をふみならし、拳を突き上げて、「殺せ!殺せ!」とか叫んでたんだろうなあ、と想像すると、それはスゴイ眺めだったのだろうなあと思います。野蛮やなあ。それが娯楽になるのがよく解らんが。

 雨足は留まるところを知らず、でも何とかコロッセオを観終わって、パラティーノの丘に登ろうとしました。が、足元が土だったので、ドロドロでコンディションが悪過ぎ、とてもじゃないけど登攀とかしてる場合じゃない。とりあえず丘は後回しにして、フォロ・ロマーノを素通りし、近在のカピトリーノ美術館に避難すべく、ルートを変更することにしました。
 フォロ・ロマーノの中にいるのに、わき目もふらずに出口を目指して歩いていたら、雨が小止みになってきました。雲の隙間からお日様が! あったかい! お日様あったかいお!!!!
 なので、またルートをちょっと変えて、そのままフォロ・ロマーノをぶらぶら。

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 ローマみたいな大都市で、これが残ってるってすごいな!
 下の写真の水たまりと雨粒の大きさが、我々の受けた苦難を物語ってくれていると思います。
 さて、雨は止みましたが、なんかもうグッタリしちゃって丘にのぼるどころでは無かった我々、そのままルートを変更してカピトリーノ美術館に参りました。ここは、2つの館で構成されている、古代ギリシア彫刻と初期ルネサンス~17世紀写実主義の絵画のコレクションを中心とした美術館です。どこの美術館も大体そんなんだけど。

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 有名どころとしては、上の「瀕死のガリア人」(ガリア人て何人か、まだ調べてない)と、下の「カピトリーノの雌狼」の彫刻、さらにティツィアーノとかカラヴァッジョの絵があったりします。
 来るまで全然知らなかったのですが、すごくしっかりした、良い美術館でした。お客さんもそんなに多すぎず、ゆっくり観ることが出来ました。
 この美術館、フォロ・ロマーノすぐそばの小高い丘の上に在り、フォロ・ロマーノを一望できます。

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 なんだかさあ、なんでもかんでもデカいよねえ……。
 さてその後、雨はすっかり止んだのですが、もうパラティーノの丘に行くのはやめました。
 フォロ・ロマーノとは反対側に向かって丘をくだり、10分ほど歩いて、「真実の口」があるサンタ・マリア・イン・コスメディン教会で、10分くらい並んで、真実の口と記念撮影。写っている我々が余りにもアホヅラなので、写真は割愛させていただきます。
 そのあと、チルコ・マッシモ(ローマ時代の大競技場。現在もイベント会場として使われてます。何も無いとただの原っぱにしか見えませんが)のわきを通りぬけ、いい加減お腹がすいたので、チルコ・マッシモ駅そばのレストランでごはん。
 旦那が「チーズとハムのたっぷり乗った、ピザ中のピザ(何だそれ)が食べたい」と、ローマ滞在の後半ずっと言っていたのです。メニューに、まさにそんなのがあったので、彼は迷うことなくそれを丸ごと1枚、行ってました。デブるぞ!
 私はキノコのオイル系タリアテッレ。美味しかった。
 ほんと、どこで何を食べても、外れが無いっす。驚嘆するっす。

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 そのあと、カラカラ浴場に行きました。
 カラカラ帝が造営した、公衆浴場+運動場と言う、ローマ人のための厚生施設です。
 ただのお風呂とバカにしていた私。

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 だから、デカイって……。
 温水浴場と冷水浴場があったんだって。古代ローマの時代にすでに温熱システムがあったことがまず驚きなんですけれども。ローマ人凄過ぎるだろ。水道系にかけては神の領域だよほんとに。
 なんでも、現在は夏季の野外オペラの会場として使われているとか。いやでもそのくらいのスケール感は間違いなくあります。観光客が少ないのが全くもって不思議。みんな来ればいいのに。カラカラ浴場、超面白いよ!!
 何て言うか、コロッセオとかフォロ・ロマーノは、もう「すごくて当たり前」って感じで、来るまでに写真もたくさん観ているので、「おお、これがあの」って感じですんなりすごさを受け入れられるんだけれども、カラカラ浴場は知識が無かった分、そして用途が「風呂」って分、新鮮な感動がありました。ボールを投げられた時、「投げるよ!」と言われて投げられたらキャッチ出来るけど、不意に投げられたらキャッチ出来ない、みたいな感じと言うか。
 この日に廻った野外の遺跡では、カラカラ浴場が抜群に面白かったです。
 往時は白大理石とモザイクで飾られていたらしく、ところどころにそれを偲ばせるものが置いてあります。

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 ねえwwwこれwww大事なものじゃないのwwww あっさり置いとき過ぎじゃないのwwww 誰も持っていかないのwwwww
 レプリカなのかなー?
 こう言うユルい感じも、カラカラ浴場、面白かった。

 さて、そろそろローマともお別れの時間が近づいてまいりました。
 ですが、お土産を買わねばなりません。
 Castoroniと言う、ローマにも何軒かある食材店に行きました。メトロA線、フラミニ駅そばの店舗に行き、そこで私はタリアテッレとペンネと瓶詰のパスタソースを購入。旦那はお菓子とワインを買っていました。
 フラミニ駅のそばには、ポポロ広場と言うキャワユイ名前の広場があります。例によって立派な広場なのですが、そこのそばに、かのフェデリコ・フェリーニが常連だったと言うカフェがあると言うではありませんか。ってガイドブックに書いてあったんだけど。その名も「CANOVA」。

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 写真撮って超満足。
 メトロに乗ってテルミニ駅に戻り、ホテルに預けていたラゲージをピックアップ。テルミニ駅からレオナルド・エクスプレスで、フィウミチーノ空港へ向かいます。今度は車掌さんが車内で検札に来ました。
 車掌さんの制服は、紺に赤いラインの入ったブレザーだったんだけども、車掌さんの眼鏡のフレームも赤かった。おしゃれ!
 ところで、ローマとフィレンツェの人たちは、私が事前に想像していたよりも、ファッショナブルな感じではなかったです。すれ違う人の大半が観光客だったからかもしれんが。ミラノとかだと、またちょっと違うのかなあ。
 あ、でも、オジサンたちもシャツのボタンを2こ目まで開けて、ジーンズにイン! して、とんがった靴履いてたなあ。「LEON」のスナップみたいだった。
 カルチョ的な話をすると、フィレンツェではフィオレンティーナのグッズショップを見かけたのですが、ローマでASローマのグッズショップを見かけなかったです。オリンピコのそばに行けば、また話は変わっていたのかしら。とは言え、ライブだろうと録画だろうと、TVでは毎晩サッカーの試合を放映していました。私が観たのはユベントスの試合でしたが。

 20時過ぎのBAに乗って、フィウミチーノからヒースローへ。
 ちゃお、ありべでるち! いたーりあ!

 で、ロンドン時間の22時過ぎにヒースローに着きました。
 入国審査の列がとんでもないことになっていて、皆のイライラがジワジワと伝わってくる感じでした。途中で「カモーン!」と、行列の長さに対して余りにも少ない係員に怒鳴ってるおっちゃんとかもいたので、あれがロンドン標準と言うわけではないんだろうなー。
 ヒースローから、ヒースロー・エクスプレスと言う特急に乗ってパディントン駅まで行く予定でおり、それの最終が23時40分ごろ。私たちが入国審査を終えたのが23時20分ごろ。荷物をピックアップしたのが25分ごろ。
 いや、焦ったね。焦ったよ。
 地下鉄は最早終わっていて、あとはヒースロー・コネクトと言う列車も24時ごろには終了、しかも我々のいるターミナル5には停まらない。ゆえに、ヒースロー・エクスプレスを逃したら、タクシー? いきなりタクシー? みたいな状況だったのです。焦るよね。走ったよ。この旅で初めて、マジ走りしましたとも。
 チケットカウンターのお兄ちゃんに、「あと9分で出るから急いでね!」って言われたけど、言われなくても焦るよ!
 なんとか列車に飛び乗って、無事パディントンにたどり着いたら、もう日付の変わる寸前でした。
 パディントン駅から徒歩数分のアパートメントが、ロンドンのお宿です。
 チェックインして、風呂入って、爆睡。
 と思ったのですが、洗濯乾燥機を発見してしまった、洗濯をこよなく愛する私。
 夜中の3時までかかって、大☆洗濯☆大会☆。
 疲労困憊でしたが、死ぬほど満足して寝ました。

 そんなわけで、次回からは「フットボールを観にロンドンに行こう!」をお届けします。

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