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6~7月 観た映画リスト

 2012/8/5にアップしたやつ。

 6月のブログで「欧州サッカーもシーズン終わったし、6月は映画観れるかなあ」なんて言ってたのだけども、よく考えたら6月はEURO2012なのでした。なので、やっぱりサッカーずっと観てた&ライブに行ったりしてたので全く映画を観ることが出来ませんでした。
 7月に入って、映画をよく観ておりましたよ。

 浅野忠信が出てたので観ましたよ。浅野さんの記念すべきハリウッド進出映画ですから。
 途中からどんどんソーがイケメンに見えて来て、ヒロインのジェーンとの恋模様もキャッキャ言いながら観てました。映画のストーリー自体は、そのスケールのでかさを全く消化しきれてないけど。ヒーローものなので、あまり細かいことを突っ込まずに観るべきなのかもしれないですね。
 監督がケネス・ブラナーってところでひっくり返った。こないだロンドン五輪の開会式を観ていたらそこにケネス・ブラナーが出演していて、もう1回のけぞりました。

 こう言うベタベタな任侠ものを死ぬほどおもしろがれるメンタリティなので、私は未見の深作欣二とかを絶対観ないといかんなと思いました。
 ジョン・ウーの出世作ですが、白鳩は飛んでおりません。
 兄貴役のティ・ロンが何だか孫正義に見えてしまって、一緒に観ていた旦那に「この人が孫正義に見える」と申告したところ、「(弟分役の)チョウ・ユンファが俺には劇団ひとりにしか見えない」と返されて、それ以降孫正義と劇団ひとりが香港マフィアに追い詰められていくようにしか見えなくなってちょっと辛かったです。それ以外はとても面白かったです。

 ジェイソン・ステイサムちょうかっこいいよね、って言うだけ。ガチでそれだけ。あと、犯人役がシド・ヴィシャス激似(←多分わざとそうしてるのだとは思う)。そんだけ。

 長かった。すげー長かった。
 西部劇ならではの爽快感を求めて観ると思いっきり肩透かしを食らう。保安官と言う職業を現代の警察官にまんま当てはめて観ると、これまた疑問符が頭をかすめる。ワイアット・アープと言う男の一代記なんだけど、伝説の保安官ワイアット・アープって、ヒロイックな先行イメージを持ちながら観ると、「あれ?」って思っちゃうかも。
 私はそのワナにはまり、「あれ?」って思っちゃいました。
 90年代の正しい大作って感じだ。セットも衣装も丁寧に作られていました。ワイアット・アープがもう少し魅力的な人物だったら良かったのにな。

 ジョニー・デップ扮するFBIの潜入捜査官が、アル・パチーノ演じるイタリアン・マフィアのボス「レフティ」のもとに潜入、家庭の不和に悩んだり、レフティとの間に生まれた心の交流に苦悩しながらも任務を遂行するおはなし。
 これは面白かった。緊迫感のあるストーリーもさることながら、アル・パチーノが演じている冴えないマフィアの中ボスみたいなオッサン、「レフティ」がとても良かった。金回りも悪いし、頭の回転も速くないので、周りのマフィアとの出世競争に負けたり、ドンと呼ばれるようなクラスのマフィアのおじさんたちには思いっきり軽んじられていたり。そのことに薄薄気付いて、傷つきながらも、「俺はマフィアのボスで、シマを任されているんだ」と言う心意気だけは忘れない。家族には愛情深く、手下にも情が厚い。そんなオッサンなんです。良いですよね。そう言うオッサン。それをまた、アル・パチーノが素晴らしく上手に演じているわけです。名優ってやつはこれだからすごい。特に、映画のラストシーン、仲間に呼び出され、ある予感を持ってそこに赴くレフティを追うシーンがとても良かったです。レフティと言う男の魅力が全てその1シーンに凝縮されていました。名演技だと思います。
 と言う訳で、面白い映画でした。
 アル・パチーノも「セント・オブ・ウーマン」より良かった。

 地方の小さなパブをドサ回りして細々と暮らす、60代のカントリー歌手、バッド・ブレイク。かつて多少のヒットもあったが、今ではアルコール中毒に陥り、創作意欲も失っていた。
 とある町でタウン紙の取材を受けたバッドは、記者のジーンと恋に落ちる。4歳の息子バディを1人で養う、聡明で頑張り屋なジーンとの日々を通じて、バッドは少しずつ自分の中の弱さと向き合い始める。
 ジェフ・ブリッジズがアカデミー主演男優賞を獲った作品と言う訳で、ちょっと楽しみにして観たのですが、少し楽しみにし過ぎたかもしれません。
 アル中のおじさんの失恋と、立ち直るまでのお話、なんですけど、アル中に陥るまでの苦悩と、アル中を克服するまでの過程をわりと端折ってるので、「アル中のおじさんが若い彼女に振られて、アル中から立ち直りました」みたいにアッサリとした印象になってしまっているのが残念。最後もほろ苦い感じにしたかったのかもしれないんだけど、女ってゲンキンだよなあ、なんだかなあと言う印象を受けてしまう。超個人的ですが。
 もうちょっと良くなりそうなもんだなあ、と思いながら観てました。
 個人的にヒロイン役のマギー・ギレンホールの良さが100%理解できないので、それもまた一因だと思う。
 ジェフ・ブリッジズはこれだったら「トゥルー・グリット」の方が良かったなあ。
 おちぶれたおじさんを描く映画だったら「レスラー」の方が100倍良かった。
 監督の力量の差かと言う感じです。

 クリント・イーストウッドが監督としてアカデミー獲った映画。色々あって初めて観ました。
 かつては極悪人の殺し屋で、愛に触れて改心した男と、街の秩序を保つために過激な暴力を振るう保安官。
 善と悪、正義と悪が絶妙に混合された男たちが主人公です。
 今、私が生きているこの世間よりも簡単に人が死んでいき、簡単に人が殺され、人を殺していた、1800年代のアメリカを舞台に「人の命を奪うこと」とはどんなことなのかを描いている作品、なのかなと。
 役者が良かった。ジーン・ハックマンの保安官やら、モーガン・フリーマンの相棒やら、本当に良かったです。
 クリント・イーストウッドは映画の中に自分を出すと、自分の演じる人間がカッコ良くなり過ぎる感があるなあ。自分の中のダンディズムを思いっきり投影しちゃうように見えます。「グラン・トリノ」とかもそんな感じだよね。
 まあ、実際超かっこいいんだけど。クリント・イーストウッド。
 結婚したいです。
 以前も書きましたが、私のPCは代々「Hurry」と名付けられ、iPodも「Hurry-Pod」と名付けられております。そのくらい「ダーティ・ハリー」が好きなんだ。

 そしてこっちもやっと観たガス・ヴァン・サントの西部3部作。
 だいぶ昔の作品だけど、ガス・ヴァン・サントのガス・ヴァン・サントたる所以が炸裂しまくってる。最近の作品に比べればそれは粗削りですが、でも、非常にみずみずしく、美しく、そして哀しい。
 ガスさん天才や!天才やで!

 こっちもクリント・イーストウッド監督。最新作になるのかな。
 クリント・イーストウッドは自分を出さない時の方が、良い感じに登場人物を突き放した作品を撮ってる気がするな。
 主人公のフーバーの人物像を知らないままに観はじめたので、ヒロイズム全開の作品かと思っていたら、こじんまりとまとまった作品だったので、意外な印象を受けました。「許されざる者」と同様、人間の善と悪のバランスを鋭く見つめた作品のように思います。そしてこれは、イーストウッド監督の作品全てに通じるテーマだと思います。
 ディカプリオも熱演なんだけど、もう一歩って感じだった。69%くらいの感じか。良いんだけど、突き抜けて良くは無い、みたいな。「冷血」とか「太陽」みたいな映画だった。

 良い映画だった。泣いた。モーガン・フリーマンが良過ぎて泣いた。
 ユダヤ系の実業家の未亡人のデイジーは、自宅の車で軽い事故を起こしたのをきっかけに、息子から初老の黒人運転手をあてがわれる。デイジーさんはそれが気に入らなくて、その運転手、ホークに意地悪をするんだけれども、やがて彼の仕事ぶりと人柄を認め、何処へ行くにもホークの運転する自動車に乗るようになる。
 と言う、字にしてしまうと「ふーん」ってな感じのあらすじなのですが、アメリカの南部に色濃く残る差別的な風土への批判を盛り込んだ作品でもあります。
 そして、有色人種として差別を受ける立場のホークを、かばっていたつもりだったはずのデイジーに肉薄することで差別の本質を明らかにしようとしている作品でもあります。デイジー自身が、ユダヤ系の出自であるがゆえに差別を受けることになったり、また、デイジーの中にも実は有色人種への差別の心が潜んでいて、それを他ならぬホークに指摘されたり。つまり、差別とはそれほど紙一重、コインの裏表のようなもので、誰でも差別を受ける可能性があり、誰の心にも差別はひそんでいるのだと言うことを、老女と運転手の交流を通じて描いています。
 89年アカデミー作品賞受賞。まさに良作、そして佳作。


 そんな訳で7月はわりとガッツリと観てました。男くさい映画ばかりだったので、もうちっと柔らかい作品も観たいな、と思いつつ、何だかんだと男たちがプライドをかけてぶっ殺し合う映画が大好きだったりします。

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