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南イタリアの太陽がまぶしい映画。あーピザ食べたい。

 2011年10月22日にアップしたやつ。

本サイトスコア=72点/100点

 イタリア、行ったことはありませんが、是非行ってみたいです。
 好きなものがいっぱいある気がするのです。
 名画とか。
 ピザとか。
 ワインとか。
 靴とか。
 ACミランとか。
 1カ月くらい滞在していても平気な気がします。主にご飯的な意味でも絶対苦痛にならないはず。
 
 さてそんなイタリアに興味津津の私ですが、イタリアの映画にはあまりご縁がありません。ジュゼッペ・トルナトーレの映画を観たことがあるくらいです。あと「ライフ・イズ・ビューティフル」と。でも、どれも力強い良い映画だなあと思っています。で、先日、そのジュゼッペ・トルナトーレの最新作を観たので、ちょっとまとめときたいなと思います。

 2時間40分と、かなりの大作ですが、構えることなくすんなり観ることが出来ました。監督の郷土愛が炸裂している映像をだらだら観てるだけでも、私は結構満足しました。物語の緩急と言うか、濃度が、2時間40分どっぷり映画に付き合っても苦痛じゃないさじ加減だったのだと思います。
 男の子が貧しいながらもまっすぐ育って、仲間を得、政治に興味を持ち、恋に落ち、子を為す。美しい妻、愛らしい子、親、兄、と慈しみあいながら、大樹のように生まれた地に根を下ろしていく。そんな風に、一人の男性の生きざまを、まっすぐに見据えてスケッチしているかのような作品です。そこには挫折も苦悩も貧困もあるけれど、それ以上の愛があり、幸福があります。嫌な奴、強欲な奴も出てくるけど、とにかく、もう全て肯定。主人公の生まれた町ごと肯定。監督の温かいまなざしが、隅々まで行きわたっている、そんな感じ。
 この映画を撮る前に、ジュゼッペ・トルナトーレ監督は暴漢に襲われて生死の境をさまようというアクシデントに見舞われたのだそうです。そんな修羅場からの生還が、この人生全肯定人間賛歌的映画として昇華されたと言うのは十分頷けます。
 ただ、温かいまなざしで包み込み過ぎ、おおらか過ぎて、ちょっとだけドラマティックさに欠けるきらいはあります。もうひと波乱ふた波乱あっても良かったと思います。ま、そのへんは好みだと思いますけど。
 個人的には、この監督さんは「生活」を描かせたら天下一品だと思っていて、今回も南イタリアの人たちの生活を色濃く描いてくれて、私大満足。旅情を誘われます。憧れを掻き立てられます。行ってみたい。追体験したい。

 そう言えば、この映画のサウンドトラックも、雄大で良い感じです。ドルチェ&ガッバーナの2011年の春夏だか秋冬のコレクションのショーかなんかで使われたと言う話を聞いたような聞かなかったような。彼らの作る洋服のフィロソフィーにも、シチリアの影響は色濃く投影されているのだとか。色んな人に影響を与える大地、シチリア。行ってみたいです。そんでイワシのパン粉焼きとか食べたいです。

 この映画好きなんですよね。本当に良い映画だと思う。思春期をこんなに綺麗に描くって中々出来ない気がする。こう言う、きれいで、ユーモアがあって、でも基本的に哀しい、みたいな映画大好き。モニカ・ベルッチの美しさがハンパない。

 「感動した映画」ランキングとかで、「ショーシャンクの空に」あたりと並んで上位に来るテッパンの映画な気がします。私もコメントが特に無いくらい良い映画だと思ってます。

 観終わったあとに「あー人生って捨てたもんじゃないかも」って思えるのがジュゼッペ・トルナトーレの映画だと思います。凹んだ気分の時に観ると、青い空とかアイボリー色の煉瓦とかやたらとリズミカルなイタリア語の響きとかも相俟って、ちょっと元気になれる。自分にとってはそう言う監督さんです。


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