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閑話休題その2『2030.7.18』

2030.7.18(晴)

今日、芽衣ちゃんから、プラネタリウムへ誘われた。
鈴木くんと、私と、芽衣ちゃんで、プラネタリウムへ行こうって。
そんなことになったら、きっと、きっと楽しいと思う。
行きたい……。
でも、今は……。

さっき、鈴木くんからコネが来た。
嬉しかった。
芽衣ちゃんと私の仲を心配してくれてるみたい。
なんでもないよって言ったけど、ホントは、そんなことない。
何があっても、私は芽衣ちゃんの友達でいたい。
味方でいたい。
でも……やっぱり、怖い。
クラスが、学校が、芽衣ちゃんを苦しめようとしてる。
その中で、いつも通りの私でいる。
そんなこと……できない。
サイトでは、私も制裁するって書かれてた……。

怖い。

怖い。

怖い。

でも、芽衣ちゃんと距離を置けば……?

今日、バレー部で芽衣ちゃんを制裁するって話だった。
どうなったんだろう……。
そのほかにも、いろいろな制裁をするって……。
そんなのに、巻き込まれたくない……。

裏サイトなんて見なければよかった。
そうすれば、今もきっといつも通りに芽衣ちゃんと……。

……ううん、違う。

見てなければ、きっと、私も今頃制裁されてたんだ。
見てよかった。
見たから、芽衣ちゃんと距離を置ける。
距離を置いたから、私は制裁されない……。

ごめんね、芽衣ちゃん。
芽衣ちゃん、ごめんね。
私は、弱い。
芽衣ちゃんみたいには、いられない。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

こんな私じゃ、きっと、鈴木くんにも嫌われるよね……。
でも、やっぱり、怖いよ。

明日から、どんな顔して学校へ行こう。
芽衣ちゃんに声をかけられたら、どうしよう?
鈴木くんに声をかけられたら……?

明日なんて、来なければいいのに……。

#小説 #サイバーパンク

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