横浜F・マリノスの決算(2023年度)
2024年5月21日付にJリーグより2023年度(2024年1月期)の決算が発表された(2024年3月期決算チームを除く)。
まずは、Jリーグ全体総括資料。
https://aboutj.jleague.jp/corporate/assets/pdf/club_info/club_doc-2023.pdf
注目は、Jリーグが掲げた「トップ層が、ナショナル(グローバル)コンテンツとして輝く」の経営指標の関連値が①売上高上位20クラブ平均、②売上高50億円以上のクラブ数、③売上高成長率上位10クラブ、の3つだったこと。
これはおそらく、トップ層を示す数値ではなく、トップ層がナショナル(グローバル)コンテンツとして輝いた結果がJリーグにどう反映されたを示す指標。Jリーグは、全Jリーグクラブの規模を1.5倍から2倍にすることも目指しているので、どちらかというとその指標。
次に、チームごとの決算数値資料。
https://aboutj.jleague.jp/corporate/assets/pdf/club_info/j_kessan-2023.pdf
横浜F・マリノスの決算数値
1.損益計算書推移(直近3年)
収入、売上原価、販管費、利益の額はほぼ前年と変わらずだが内訳は変わっている。
2.貸借対照表推移(直近3年)
流動資産と流動負債がまあまあ増減しているが、内容は不明。
3.売上の項目別チームランキング
(1)売上高
2005年度以降、この形式で発表されるようになって最高売上高。
そして、浦和が100億達成。
(2)スポンサー収入
(3)入場料収入
2005年度以降、この形式で発表されるようになって最高入場料収入。
(4)Jリーグ配分金
2019年優勝の理念強化配分金の終了に伴い、前年比△5億円。
(5)アカデミー関連収入
横浜F・マリノスは、2021年度から一般社団法人F・マリノススポーツクラブ管轄になっている。
(6)女子チーム関連収入
(7)物販収入
2023年度から自社HP販売から楽天販売へ変更されているし、単純な売上と手数料売上が混在しているので規模は比較できない。物販収入は浦和がダントツだけど、物販関連費との差引を利益とみると、うちがダントツなので、純粋な売上総額は横浜F・マリノスが1位なのかもしれない。
また、おそらく今シーズンからだけど、物販の販売場所を増やしているのはナイス判断だと思う。以前は、トリワンの長蛇の列をみてあきらめていた人も多かっただろうにと思っていたので。
(8)その他収入
ここに移籍金収入がふくまれるとしたら、岩田智輝、高丘陽平、藤田譲瑠チマ、マルコス等が大きなところ。
4.売上原価の項目別チームランキング
(1)売上原価
(2)チーム人件費
浦和が神戸を抜きNo1へ。
もう横浜F・マリノスの人件費は中位ではなく上位。
(3)試合関連経費
(4)トップチーム運営経費
(5)アカデミー運営経費
(6)女子チーム運営経費
(7)物販関連費
(8)その他売上原価
5.販売費および一般管理費のチームランキング
6.営業利益のチームランキング
7.営業外損益の項目別のチームランキング
(1)営業外収益
(2)営業外費用
8.経常利益のチームランキング
9.特別損益のチームランキング
(1)特別利益
(2)特別損失
10.税引前当期利益
11.法人税および住民税等のチームランキング
12.当期純利益のチームランキング
損失をだしているチームの状況は下記の通り。
FC東京は、財政状態は1番よくみえ、これぐらいの損ではびくともしないし、先行投資を明言。
鹿島も、スタジアム移転の話をするぐらいなので、いざとなればメルカリからマネーが入るはず。
横浜FCは、債務超過状態だが、親会社が三ツ沢競技場の改修を名乗り出るぐらいなので、ここもいざとなれば助け船がでるはず。
札幌は、ギリギリ債務超過を免れており、かなり厳しい状況。
広島は、新スタジアム開業への投資で、当初から4~5億円の赤字見込みで、補強、賃上、円安の影響で赤字膨らむ。約19億円の増資(主にエディオン)で資金繰りは問題なし。
総評
売上高やら、スポンサー収入やら、人件費が少ない言われてきましたが、そんな時代は終わり、今シーズンは2023より上記項目は増加すると思われるし、今のところビッククラブへの道を着実に歩んでいる。
チームの不調、キューエル監督の契約解除が発表されたので補強のタイミング等が難しくなってしまったが、ジャンクルードが加入したように夏が厳しくても冬の補強は確実に行われると思うし、チームが好調であれば、スター選手の加入もありえるかもしれない。
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