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【救急疾患を知ろう】 鼻血(鼻出血)

みなさんこんにちは、救急医のかたかたです🚑
私は日々活用できる、知ってて自慢できる救急の知識を提供しています👊🏻

今回は救急疾患、鼻血、医学的には鼻出血と言います。
鼻出血って救急疾患か?
言いたい気持ちわかります、でも舐めていたら止まらない時にめちゃくちゃあせります!
正しく知識をつけて、いざという時に正しい対応できるようにしましょう!

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結論

鼻出血は、鼻の中の前と後ろの二箇所で起こり、ほとんどが前側で起こる。
原因が不明なこともあるが、多くが外傷や鼻をいじる操作で生じる。
鼻翼をつまんで、前屈みになって10分程度は止血に集中!
止まらなければ受診を!
鼻の根元はつままない!笑


子どもの鼻出血

皆さんの多くが子どもの頃にすでに鼻出血の経験をされていると思います。
統計的にも鼻出血の経験がある人は、学童期には鼻出血をしているようです。
しかし、2歳未満での鼻出血は外傷がなければ異常の可能性が考慮されます。

出血が起きやすいのはキーゼルバッハ部位といって、鼻の中にある動脈の多くが最終的に行き着く先があり、鼻の中の前側に存在します。
子どもでは稀ですが、後ろの部位からの出血もあります。

鼻を縦に切った図です

原因は大人と似ている点としては、鼻を触る操作です。
子どもは無意識のうちによく鼻くそをほじることが多いですが、これが鼻出血の一般的な原因となっています。
他には、乾燥や鼻炎、外傷などがあります。子ども特有のものとしては異物(電池やおもちゃ)も原因としてあります。
稀なものとして、内科的な病気があり(特発性血小板減少性紫斑病、ウォン・ウィレブランド病など)、2歳未満の外傷が関与しない発症歴や繰り返す鼻出血の場合はこれを考慮する必要があります。日頃から青あざ(内出血)ができやすいかなど確認しておいてください。
よく鼻くそをほじるので、内科的な病気がないことも普通にありますので過度の心配は必要ありませんが、気になるくらいの頻度であれば小児科での相談を推奨します。


大人の鼻出血

ほとんどの人が鼻出血をしたことがあると思いますが、病院に受診したことがある人は少ないでしょう。
データとしても約10%程度の人しか受診することはないようです。
日本では高齢者(65歳以上)が多い印象です。

出血する部位は上記と同様で、ほとんどがキーゼルバッハ部位で、後方の出血もたまにあります。

原因としては子どもと同様で鼻をいじる動作や乾燥などで起こります。
違う原因として、悪性腫瘍や血液をサラサラにする薬の内服、高血圧、アルコール、花粉症などで使用する鼻腔内ステロイド製剤(すべてではありません)が挙げられます。
子どもと同様で原因が不明なものもあります。


対応

初期対応

とりあえず鼻にティッシュを突っ込んでおく、あまり意味ないです
若い人ならこれで止まることもありますが、つっこまなくても止まっているでしょう。
また、鼻の根元の骨の部分をつまむ、これは昔教えられたことがある人がいるのではないでしょうか。これは最高に意味ないです

正しくは、以下のイラストのように鼻翼という鼻の膨らんでいるところをつまみます。臭いときにつまむところです。
そして血が喉のほうに流れ込まないように、前屈みになる
この2点が止血操作の鉄則です!
覚えておいてください!
子どものほとんどはこれで問題なく止まるでしょう。

止まらなかった時

鼻出血は出血量自体は少なめですが、気分が悪くなり失神する(意識がうすれる・なくなる)人も多くいます。
そしてごくごくまれに、大量失血で死亡する人もいます。
特に後ろ側の出血は耳鼻科以外では止血が困難な例があります。

上記の止血操作で効果がない時はすぐに受診をしてください

鼻出血後によくあるやつ

思っているより血を飲み込んでいます。
たまに、鼻出血後にしばらくして気持ち悪くなり吐いたら真っ黒(もしくは赤ワイン色)で、びっくりする方がいます。
まぁでもそりゃ血を飲んでますから。
腹痛など他の症状がある場合は一概には言えませんが、通常は様子見でも問題ないことが多いです。


最後まで閲覧いただきありがとうございます🤩
不明な点などあればいつでも質問してください!
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それではお疲れ様でした!


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