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新作拡張『リトル・トリックテイカーズ』〜今までとの変更点〜

<はじめに>

リトル・トリックテイカーズ(以下リトル)』は、『トリックテイカーズ』のルールとイラストを変更した「リメイク作品(スピンオフ作品?)」になります。

『リトル』をプレイするためには、『トリックテイカーズ』の基本セットが必要なため、新作拡張(2022年ゲムマ春発売予定)という扱いにしています。
※通常価格2,750円(税込)、春のゲームマーケットでは特別価格2,000円(税込)で販売を予定しております

※『トリックテイカーズ』をプレイしたことある方向けの記事になっています

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■左『トリックテイカーズ基本セット
■右『トリックテイカーズ拡張セット
■『リトル・トリックテイカーズ』の箱は作成中(2022年2月12日現在)
※基本セットの40枚のプレイングカード、キングのレアカード、バーサーカーデッキ、ギャンブラーダイス、レジスタンス革命トークン、コレクターのコレクション予約トークン、勝利点タイルを使用します


『リトル』を制作しようと思った最初のきっかけは、『拡張セット』で登場した召喚獣マル、グル、ネム、オコ、エル、ミリアのイラストがかわいかったので、かわいい小動物のキャラで、リメイクしたくなったからでした。

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ゲーム性については、はじめは『トリックテイカーズ』初見の方に向けた、ルールを簡単にしたライトなゲームを考えていたのですが、途中からコンセプトを変更して、『トリックテイカーズ』をおもしろいと思って頂いている方に向けて制作するようにしました。

ライト版のテストプレイをした時に、私自身が、ある程度の複雑さがないと、楽しめなかった。という理由もあります ^^;)


ちなみに、『リトル』では、『拡張セット』で召喚獣として登場した「エル」と「ミリア」がキャラクターカードとして再登場します。

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それでは、『リトル』と『トリックテイカーズ』との、ゲーム性(ルール)の簡単な違いを3つみていきましょう。


<変更点(1)>
得点のみの勝負になった

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王冠システムの削除により、
『リトル』では、得点のみの勝負になりました。
(ほぼ)必ず3ラウンドまでプレイすることになりました。


<変更点(2)>
オプション選択が追加された

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キャラクターの選択だけでなく、「手札強化」や「アイテム購入」といった選択ができるようになりました。

通常の『トリックテイカーズ』と同じように、5枚の手札が配られた後、キャラクター選択をするのですが、「キャラクター選択」か「オプション選択(アドベンチャラーの何でも屋)」のどちらかを1つを選択します

1人2回選択することになりますが、連続で選択するわけではなく、1回ずつ選択します。つまり、2周します。


例えば、Aさんが「キャラ選択をした」、次にBさんも「キャラ選択をした」、Cさんは「オプション選択をした」、Dさんは「キャラ選択をした」、最後にEさんが「オプション選択をした」。これで1周です。

次に、Aさんは、さきほどキャラ選択をしているので、次に選択できるのは「オプション選択」のみです。Bさんも「オプション選択」、Cさんは「キャラ選択」、Dさんは「オプション選択」、Eさんは「キャラ選択」。
と、このように、1人2回選択します。

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【キャラ選択】
■キャラクターは全員で10人いますが、毎ラウンド公開されるキャラカードは5枚です。

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【オプション選択:強化カードの購入】
■手札の強化カードは、下記の5枚が毎ラウンド登場します。カードを購入するためには、勝利点を消費します。1枚ずつしかありませんので、早い者勝ちになります。強化カードは必ずこのラウンドで使用しなければなりません。

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【オプション選択:カードの交換】
無料で「ポーカー交換(捨てた枚数だけ山札からとる)」か「ハーミット交換(山札から1枚とり1枚捨てる)」をすることもできます。

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【オプション選択:アイテムの購入】
アイテムは全部で10種類あります。1ラウンド目ではランダムで3枚が公開されます。2ラウンド目以降では、5枚になるように補充します。
■アイテムを購入するためには、勝利点を消費します。1枚ずつしかありませんので、早い者勝ちになります。アイテムは次のラウンド以降に持ち越すことができます
アイテムは「自分のターン時のみ」に使用できます。前回のアドベンチャラーの場合は1ターンにアイテムは1つしか使用できませんでしたが、今回の『リトル』では、複数のアイテムを同時に使用できます。アイテムは1回使用するとなくなり、同じゲームで再度、登場することはありません。

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アドベンチャラーが使用していた「奇跡のつるぎ(キングの剣)」「バーサーカーの斧」「運命の地図(ギャンブラーの地図)」「ハーミットの秘伝書」「臆病なブーツ」「先回りの翼」は同じ性能になりますが、、、

『リトル』では、新たに「軍師の扇」「錬金術師の秘薬」「巻き戻しの時計」「シーフの仮面」が追加されました。これらは『拡張セット』のキャラの能力を引き継いだアイテムとなっています。


『リトル』でのアイテムのイラストは、キャラカードのイラスト担当して頂いているNinaさんに描いていただきました(^^)/



<変更点(3)
キャラとキャラの組み合わせ(コンビ)が楽しい

最終ラウンドの3ラウンド目では、1人2キャラを選択して、2キャラ分の能力と得点が同時に発動します。こちらが『リトル』での最大の特徴となります。

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例えば、「コレクター」は「キング」とコンビを組むことによって、レアカードを確実にコレクションすることができます。本来「コレクター」は、カードをたくさんコレクションしたいため、トリックに勝ちたいキャラでした。しかし「コレクター」自身がトリックに勝つ能力を持っていないため、コレクションできるカードが少なくなり、低得点で終わってしまうことがある、という欠点を持っていました。「キング」とコンビを組むことで、「コレクター」の欠点を補なうことができます。


<キャラカードの選択>
1ラウンド目で選択したキャラカードは、返却せずに、自分の手元に裏向きで置いておきます。
■2ラウンド目では、1ラウンド目で公開されなかった5枚のキャラカードの中から選択することになります。
3ラウンド目では、手元にある2枚のキャラカードのうち、どちらか1枚を返却します。そして、3ラウンド目に新たにキャラカードを選択します。
1ラウンド目で選択したキャラカードを返却しなければ、最終ラウンド(3ラウンド目)で確実に使用することができる、ということになります。
※2ラウンド以降の「キャラ・オプション選択」は、勝利点が少ない順(負けているプレイヤー順)で選択します。

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<召喚獣カードの獲得(最終ラウンドのみ)>
最終ラウンドでは、2キャラクターを使用します。1か2ラウンド目に選択していたキャラと、3ラウンド目で選択するキャラの、2キャラクターです。

3ラウンド目に、キャラクターを選択した時点で、手元のキャラカードと今回選択したキャラカードの両端にある「召喚マーク」がそろうと「召喚獣カード」を獲得することができます

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例えば、忍者とサムライのカードの組み合わせでは、「マル(赤)」と「オコ(黒)」の召喚獣カードを1枚ずつ獲得することができます。

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「召喚獣カード」は、「勝利点アップ系」と「特殊能力系」があります。「勝利点アップ系」は、5トリック終了後の勝利点獲得時に、トリックでとった数字カードの色の枚数によって追加得点が得られます。

「召喚獣カード」も早い者勝ちになりますので、マークがそろっても、すでに召喚獣カードがない場合は、獲得することができません。


と、いうことで...


『リトル』では、「キャラクターの能力」や「トリックテイキングとしてのゲーム性」は、『トリックテイカーズ』とほとんど変更はありません。

その代わりに、トリック開始前に、キャラ選択だけではなく、「手札強化」や「アイテム購入」の選択ができるようになり、また、最終ラウンドでは、2キャラ分の能力と得点が同時に入るようになりました。


これにより、トリック開始前の準備段階(キャラ・オプション選択)から戦略が大切になりました


「手札とキャラの組み合わせ」だけではなく、「アイテムとキャラの組み合わせ」「キャラとキャラの組み合わせ」が、楽しいゲームとなっています(^-^)/



<キャラクターの紹介>

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デビルカードは表と裏が同じデザインですので、誰が何の色を持っているのかがわかってしまいます。


<例えば、こんなコンビ>

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<例えば、こんな組み合わせ>

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<さいごに>

『トリックテイカーズ』のコンセプトは「非対称性の強い軽ゲー」でした。どのキャラを選択したのかによって、プレイヤーのできること、勝利点の入り方が変わってきます。こちらは『拡張セット』の完成によって実現できたと思っております。

また、「王冠システム」と「キャラ固有の勝利条件」が、「複数の勝ち筋」と「逆転要素」になっており、最後まで望みを捨てずに、楽しむことができる工夫でした。

ですが、『リトル』では、「非対称性は軽めのキャラクターのみ」となっており、「王冠システムは削除」され、「キャラ固有の勝利条件の実質の削除」をしました。


つまり...

『トリックテイカーズ』のゲームとしての強みを捨てました


『リトル』では、前作のゲームの強みを捨てて、
「オプション選択」と「キャラとキャラのコンビ」による「組み合わせの楽しさ」に焦点を絞ることで、新たなに強みにしました。

ゲームとしての強みを捨てて、新たなに強みをつくることで、異なるゲーム体験(プレイ感)を目指しました。新しい楽しさを味わって欲しいと思っております。


5勝すると「ゲームに勝利する」というキャラ固有の勝利条件は残していますが、こちらはほとんど達成できません。ですので、実質の「得点のみの勝負」となっています。

得点のみの勝負にすることによって、ゲームの勝ち方ではなく、「組み合わせの楽しさ」に集中してもらえるように、ゲームデザインしたつもりです。


自分の望む組み合わせをつくりたいのに、他のプレイヤーに「キャラカード」や「アイテムカード」が取られてしまうことがあります

「あ〜それ欲しかったのに〜」と、「取った取られたを楽しむことができる」と思います。

私は、この「取った取られた」という「間接攻撃のゲームの仕組み」が好きなのです。


<直接攻撃の追加>
今回、『リトル』では、直接攻撃のアイテムも追加しました。

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他プレイヤーを1人指名して、そのプレイヤーの手札から裏向きでババ抜きをするように1枚とります。キング専用レアカードは裏面から何のカードかわかっていますので、ご注意してください。



最後に、今までの『トリックテイカーズ』は、1ラウンド目で「レジスタンスの黒革命が成功して終了」したり、2ラウンド目で「王冠2つ獲得して終了」といった、「3ラウンドをじっくり楽しめないことがある」という、(ある意味)デメリットがありました。

『トリックテイカーズ』を何度もプレイする、といった集まりでしたらいいのですが、「ボドゲ会」など、同じゲームで何度も遊ばないことが多い場合は、消化不良で『トリックテイカーズ』終了。といったこともあったのではないかと思います。プレイ時間より、インストの方が長かったとか...^^;


「別の勝ち筋」があるというのは、メリットであり、デメリットでもある、「諸刃の剣」なのだなぁと思いました。ここをルールで改善できないか、とも悩みましたが、私には難しすぎる課題でした。

今回、『トリックテイカーズ』と『リトル・トリックテイカーズ』とルールを分けて、別のゲームにすることで、私の中では、腑に落ちるかたちで、解決できたと思っております。


『リトル』では「一発逆転」が、ほとんどありません。ですが、1ラウンド目に選択したキャラカードを最終ラウンドで使用することができますし、アイテムを最終ラウンドに持ち越すこともできます。

つまり...
「1ラウンド〜3ラウンド」は、ゆるやかにつながっています。

言い方を変えると、
「1ラウンド目から、最終ラウンドの戦いはすでに始まっている」のです。

このあたりに面白さを感じて頂けると、うれしく思います(^^)/


『トリックテイカーズ』と『リトル・トリックテイカーズ』、どちらのルールが好きでしょうか?


とても長くなりましたが、ここまで読んで頂きありがとうございます。どうぞ、2022年ゲームマーケット春の新作拡張『リトル・トリックテイカーズ』をよろしくお願いいたしますm(_ _)m

以上

2022年2月12日 ヒロケンより


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