未確認生物調査報告書【詩'n'鮮】(2)
何気なく産み落としたものが
誰かの胸を貫いて
それが自分の知らなかった
隠れた異才だったことについての
調査報告書をもらったり
なんだ、こんなものが良いのかと
きみ自身が思うものほどに
それが誰かにとっては愛おしく感じるようだ
きみにとっては薄気味悪い未確認生物でも
誰かにとっては愛くるしいうさぎちゃんなのだ
自分にとっての日常は誰かにとって非日常だし
誰かにとっての日常はきみにとって非日常だ
きみの世界と誰かの世界は確かに違う世界で
けれども確かに同じ世界で混じり合ってる
それは微妙な距離感であればあるほど
奇妙な違和感に変わってゆく
勘違いすれば恋に落ちるし、殺意にもなる
口から出る言霊ショックも下手すれば人が死ぬ
きみはそこでホントの意味での
薄気味悪い未確認生物になってしまうのだ
だから、こんなものが良いのかと
きみ自身が思うことも
誰かがそれを愛おしく感じることも
みんなまとめて受け入れて、調査報告書とする
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