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初MMA

最凶コンビと女子達

同じクラスになったIとYは連むようになった。最狂コンビの誕生だ。
戦闘力は圧倒的にIが上だが狂った行動をするのはYの方が多かったと思う。
女子達にもメチャ嫌われていた。
学校を授業中に2度に渡り2人で脱走しクラスの皆で手分けして探し回った思い出がある。

当時女子達の中で消しゴムに好きな男子の名前を書いてそれを他人に見られずに使い果たすとその男子と結ばれるみたいなのが流行っていた。
それを女子達がいないうちに勝手に筆箱を開けて紙ケースから消しゴムを出して誰を好きか暴き皆に言いふらすと言う暴挙をIYコンビはやっていた。
IとYはよく喧嘩していたけど足の速いYは散々文句を言ってIを蹴っ飛ばすとダッシュで逃げていった。
Iは追いかけるけど追いつかない。そんな光景を何度か見た。

Yはヘリコプターはやらなくなったが女子には容赦なく暴力を振るっていた。
一度1人の女子がやられているところを助けた事があった。Yは俺には逆らえないので手を挙げる事を止めた。当然の事と思ってやったのだが、その後女子達は俺が助けた女の子を好きなんじゃないかと噂しまくっていた。人の正義感ですら当時の女子達は恋愛に結びつける。

そんなYは秘密基地を作るのが得意で、ある時は木の上にある時は林の中によく案内されたものだ。そしてYは何故かアヒルを飼っていた。Yをフォローする訳では無いがアヒルを一生懸命に世話するような一面もあった。

6年生になる頃に俺はマグナム44のガスガンを買った。この時代はまだフロンガスが売っていた頃だ。全部金属で出来たシルバーボディーのもの前に買ったルガーとは破壊力が全然違う。この頃からだんだん他所の小学校を意識するようになって抗争が勃発したらこの銃を使うつもりだった。

ベーサト邸

ベーサトは新築に引っ越した。広いリビングはより戦い易くなった。弟のツカは1階と2階の間の天井裏を歩き天井のボードを突き破り天井にぶら下がっていた。
ベーサトは隠し部屋があるに違いないとツカに言い、そんなところに2人で侵入したのだった。
他にも壁に穴が空いていたが、その理由は兄弟で修行したからだそうだ。せっかくの新築もベーサト兄弟には関係なかったようだ。

初MMA

とあるYと一緒の学校の帰り道。Yは意味不明にあちこちに唾を吐いて歩いていた。すると向こうからユズルがサッカーに行くのか我々と反対方向の学校向かってに歩いてきたのだが唾を自分に吐いてきたと思ったようで我々を睨んでそのまま歩いていった。

翌朝の登校時やたらとユズルの4組の軍団が俺にちょっかいを出してきた。4組のボスはユズルだからそれに群がる舎弟みたいなのが皆で挑発してきたのだ。
朝の会の前に教室にいると4組の誰かに「Yと長南出て来い」と廊下から言われたので俺は廊下に出た。
4組軍団の真ん中に立ったユズルが俺に「なぜ俺に唾をかけようとした?」と言ってきた。それはYで俺じゃねぇだろと言い返したがその日Yは学校に来ていなかった。

4組軍団はユズルがいる事をいいことに俺に挑発を続けた。外野はユズルに俺をやらせようとしてるのが見え見えだった。
さすがにもう喧嘩になると思った。やるならユズル相手でも勝つつもりだ。
その前にこの舎弟みたいな金魚のフン達に挑発されていた事によって怒りが最高潮に達しようとしていた。
ユズルに放課後やるか?と言われた。めちゃ頭にきていた俺は今やってやると言った。
クラスの仲間は殴りかかろうとする俺を止めた。
するとユズルの舎弟の1人のS君が「皆が止めてくれる今だからやろうとしてるんだろう。先生来たら止められるしユズルにビビってるんだろう」と言う。
発端はユズルだけどこのSの方が長いことペラペラ挑発してきて俺は頭にきていた。
俺はSを殴った。
Sはなんで俺がみたいな顔をしていたが俺は続けて攻撃をしたのだが自分のクラスの皆に抑えられた。
Sにまずお前だ。放課後やってやると伝えた。
体育館でやる事にした。大勢で来ていた4組と違って俺は数名でそこに行った。
Sはユズルほどでは無いが俺より体がでかかいのだが俺は朝と同じように殴りかかると捕まれ倒されてしまった。
次の瞬間、俺は上から攻撃しようとするSの顔面を蹴り上げた。Sの鼻から大量の血が噴き出した。
立ち上がった俺は再びパンチを繰り出し今度は逆にテイクダウンをした。
うつ伏せに倒れるSの腕を掴むと曲がらない方に伸ばしてやった。自然と脇固めの形になった。腕はドンドン曲げていった。すると血だらけ顔のSは止めてくれと叫んだ。
事実上のタップアウト。

下からの蹴り上げ→立ち上がり→スタンドの打撃→テイクダウン→関節技と今思えばMMAをやっていた。
ちなみに脇固めはベーサトとのプロレスでは出した事がない。
4組の奴らは静まり返っていた。次はユズルとやれみたいな事を言う奴もいたのだが俺は少し疲れたし怒りも十分放出してまぁまぁ満足していた。
ユズルに俺はもういいから文句があるならYに言えと言い残した。
鼻血が止まらないSにはティッシュをくれてやった。ユズルは何も言わなかった。

水道で血だらけの手を洗ってると幼稚園時代のボスのトモちゃんが話しかけてきた。
「亮君喧嘩したのか?今、体育館にいる連中皆亮君が悪いって言ってたぞ」と言うのだが俺はムカついたからやってやったんだよと言い返した。
気持ちの中では俺はいつも泣いてた昔の俺じゃねぇんだトモちゃんに対してそう思っていた。
ちなみに後日Yはユズルに謝罪してこの話は収まった。

児童公園の戦い

鶴岡市役所の近くには鶴岡公園と児童公園があった。他校との学区の境目にあってよく小競り合いが起きていた。
4小の一個上がタチが悪く集団で襲ってくる奴等だったが奴らが中学生になってからはそこに来なくなった。
中学に進むと一緒になる予定の2小とは隣の学区と言うこともありちょいちょい揉め事が起きていた頃だ。
児童公園で俺達1小のメンバーで野球をしていると遊具の上から俺達をずっと見ている集団がいた。
その時のベーサトのTシャツの後ろには根性と大きくプリントされていたのだが上から見ていた集団の中にベーサトに向かって「根性のTシャーツ」と叫んだ奴がいた。

俺らは野球を止めた。
ベーサトが今俺のことを言った奴出て来いと集団に向かって叫ぶと中から鋭い目つきをした奴が代表で降りてきた。
ベーサトは問答無用でそいつに殴りかかった。俺はベーサトだったら負ける訳ないと見守っていたのだが意外に苦戦しているようだった。

戦いは長くなった。すると殴るのを止めてお互いが掴み合った。どっちが掴んでいたのかは定かでは無いが「離せ」「離さない。離せば殴ってくるだろう」と言う意味不明な言い合いをしていた。
俺は集団の方へ上がっていった。そいつらは2小の同い年だとその時解った。
「あいつ結構やるなぁ何て名前だ?」とその中で一番ヤンチャそうな奴に話した。
ベーサトと戦ってる奴の名は”おっつん”と言う名前だった。
俺同様に2小の連中もベーサトの戦闘力に驚いているようだった。そのヤンチャそうなチビの名はユタと言う。
俺はユタと情報交換した。俺は今戦ってるベーサトとは互角だと自己紹介するとユタもおっつんとは互角だと言う。こっちにはユズルって奴もいるとかお互いの学校の強豪を自慢し合った。
ベーサトとおっつんの掴み合いは終了したのだがベーサトが戻ってくる頃には1小の軍団と2小の軍団とすっかり仲良くなり話は盛り上がっていた。

中学校が楽しみだなみたいな話をして別れた。
この日の出来事が後の最強三中に繋がっていくのだった。

そう言えば6年生の時には我が家もベーサトの家に続き建て替えて新築になった。
遊びに来たベーサトは隠し部屋が無いか?と俺に尋ねた。

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