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パンデミックの夜

 誰もいなくなった。

あの日から、どれほどの夜を過ごしただろう。
この暗いジメジメとした世界で。

皮肉なほどに美しい星空が、割れた窓の向こう側に見える。
世界はほとんど一瞬で「壊れて」しまった。
嘘みたいな、漫画の世界の出来事のような壊れ方で、
僕は今途方もない絶望のど真ん中で、震えている。

あれはまだ世界が正常だった冬の日の出来事だった。


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