木根さんの1人でキネマ

「木根さんの1人でキネマ」入手いたしました。

まだ2話位しか読んでませんが、映画の好みとか、心の中の罵詈雑言とか「わかるわかるわかるわかるわかる」の10連打感。

違うのは、木根さんは数を見るけど私はお気に入りがあると何周もする(何回も再視聴して細部を見る)所でしょうか。

そもそも高校生くらいの時、金ローの「オネアミスの翼」と、深夜テレビでやってた「必殺仕事人4~恨み晴らします」をビデオに録画して、それこそ何十回も観た原体験が元です。そんなわけで脚本がどうの、細部がどうのという中年になりました。

さて、その中でちょっと「個人的にお勧めの『ちょっとこれは異次元感覚でいい』脚本」の作品を二つ。

1.「君の名は」

名高くて私が言う必要もない作品ですが、若干の猜疑心とともに見始めた私が開始20分で感服しました。

これって、まっさらな新作なわけですよ。当然、登場人物になじみがないわけですよ。通常であれば何らかの説明とかがあって、そこで必ずダレるシーンがあるはずなのですが、全く退屈しない。本当に前半の「知るべき情報は全部伝わるのにテンポもキレもよくて目が離せないほど面白い展開」は本当に衝撃でした。私は「ほしのこえ」には思い入れがないのですが、「君の名は」は本当に絶賛でございます。後半少しだけ(本当に少しだけ)ダレるシーンと「?」(これも本当にわずかな「?」)がありましたが、全く問題にならない位素晴らしい完成度だと思います。

恐らくなのですが、観る側の心理をとことん考えて無駄と矛盾をとことんまで省いていった結果ではないかと。

2.「戦記絶唱シンフォギア」(無印、いわゆる「一期」)

この作品、脚本の「転調」が本当に素晴らしい。

例えば、前半部分で「視聴者のヘイトを買いがちなキャラ」(もちろん作り手の計算のうち)がいるのですが、このキャラに対する印象が本当に数十秒で変わるシーンがあるんです。初見の時は本当に衝撃でした。「この手があるの?!(か!)」という感じ。

次に、主人公が「戦い方に開眼するシーン」。そこまでの説得力の持たせ方と、戦闘そのものではない要因で主人公が一言。そこから一気に開眼するシーンは何度見てもいい意味で鳥肌が立ちます。

また「意識していないが意外に心理戦に強い主人公」とか、セリフ回しの面白さとか、ギリギリのバランスを計算づくで作られた脚本は本当に見事。
…変なところはいっぱいあるけど「こまけぇ事は気にすんな!」(ザ・松田)です。細かい矛盾は沢山あれど、語りたいことに矛盾なし!5期まできちんと筋は通して、最後に驚くべき種明かしがある。本当に楽しませてもらいました。

唯一の難点は「『見た目の問題』で家族の前で観るのは厳しい」という点かと…(笑)

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