サイファーに行ってきた
この前、初めてサイファー(何人かで円になってラップすること)に参加した。
夜7時半ごろ、Twitterに書かれていた集合場所に到着。「B-boy」ファッションに身を包む人や会社帰りであろうスーツ姿の人たちがいた。
最近のMCバトルの話をして盛り上がっている。
僕はその様子を横目で見ながら、”一人でもなんとも思ってないですよ”という自分を演じていた。
そんな中、僕と同じく1人でたたずんでいる人を発見。
話しかけてみると、穏やかな雰囲気で応えてくれた。こんな時に話し相手がいると助かる。
そこでサイファーの流れなどを教えてもらった。9時を過ぎたあたりから人が増え始めるそう。
そして「好きなラッパーいる?」という話になり、お互いにKOHHが好きなことが判明。
「家族」の歌詞がやばい。tohjiのフロウが好き。AWICHの武道館ライブすごかった。
そういえば、HIPHOP好きの友だちは今までいなかった。なんてことない会話だったけれど、とても嬉しかった。
その人は大学時代にサークルでサイファーをしていたらしく、「どこの大学ですか?」と聞くと、小さい声で「東大なんですけど...」といっていた。HIPHOPのアンダーグラウンドな環境では、「東大出身」は肩身が狭いようだ。
正直このあたりで満足して、サイファーしなくていいやと思っていた。
まだまだ話したいことがあるし、「このまま朝まで語りあかそうや!」みたいな気分だった。
そんな中、1人の青年に話しかけられた。その青年はここのサイファーは初めてというので、さっきの人に教えてもらったことをそのまま伝達した。
あとで年齢を聞くと18歳だった。
同い年くらいと思っていた。高校生なんだって!
そんなこんなで20時になり、主催者の一声でサイファーがスタート。大きな機械からビートがかかる。
「始まった!」と思ったのも束の間、目の前の人がそれに合わせてラップを始める。
いつの間にか5人くらいの円が出来上がり、自分の番が近づくたび緊張が高まる。
みんな韻を踏みまくる。そのたびに周りが沸く。
僕の足は震えていた。
これでもかというくらい「スキルの見せ合い」が行われている。
「やばい……くるぞ……」
ついに自分の番。
声量とノリでなんとかそれっぽく見せようと頑張った。
「今日は初めてのサイファー
小手先のスキル必要ないさ」
と、言った気がする。
「わ、人前でフリースタイルやってるよ。サイファーやってるよ」と他人事のように考えながらラップをしていた。
みんながラップしている時に、うっすら何を言おうか考える。
「フリースタイルは即興だぜ!!」というテンションではなく、乾いたスポンジを絞るように、頭の中から言葉を見つける。
サイファーは音楽が始まればほぼノンストップで行われるのだが、予想以上に疲れる。15分くらいでへとへとになった。
「もう頭が回らないぜ!」
サイファーはダサくてもいいのだ(と思う)。
そんなこんなで1時間経った。
休憩タイムに突入した頃、疲れたので帰宅。
ラップは楽器がなくても、弾けなくてもできるところがいいと思う。
今度地元の駅でもサイファーが開催されるらしい。高校生が主催で、いま人を集めているそう。
行ってみようかな。
これを聴きながら書きました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?