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教育についての考え方

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トレスの教育に対する方針や考え方に関するnoteをまとめています。
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#勉強

「6歳までに脳の90%が完成」に潜む大きな嘘。(5min)

今日は僕の専門である脳科学のお話。 教育に関心の高い人なら一度は耳に(目に)したことがある、この記事のタイトルにもなっている言葉。 言い回しは少し違うこともありますが、 ・4〜5歳で脳の70〜80%ができる ・6歳までに脳の9割が完成する こんな感じですね。 これらを謳い文句とした幼児教室や能力開発教室も、数多く目にします。 ただ実は、この言葉には「大きな嘘が潜んでいる」ということをご存知でしたか? 「6歳で9割」の根拠とは?これらの言葉は、アメリカの医学者・人類学

子どもの宿題が出されなくなる『魔法の手紙』の書き方【例文あり】(4min)

宿題についての考え方学校の宿題についての僕の考えはこれまで ・音読という宿題の危険性について ・音読よりも国語力を伸ばす方法 ・小学生に宿題をさせても成績が上がらないただ1つの理由 などで発信してきました。全てをとても簡単に要約すると 「単純作業の反復になりやすい学校の宿題は、敏感で吸収力も高い子どもたちの脳にとってベストとは言えない場合が多い。 そんな作業に大切な時間を使うよりも、保護者の責任のもとで新しいことに触れたり、自分で遊びを考えたりする環境を与えるべきで

ゲームの代償とは:少年たちにあらわれた副作用について(5min)

楽しかった夏休みもいよいよ終盤。子どもたちのお土産話を聞くのは何よりも楽しいのだけれど、意外に多いのが 「長すぎて暇だった」 という意見です。 そしてそんな子どもたちに、保護者さんたちがつい与えてしまいがちなのが、テレビゲーム・スマホゲームではないでしょうか? 僕の教室にも3人のゲーム大好き少年がいる。 正確には「ゲームが大好きだった少年」になるのだが(僕に半ば強制的にやめさせられたため)、彼らは小学校に入学前から1日に数時間、それもほぼ毎日やってきたそうだ。 1人は

とあるツイートに対する反論〜ゆっくり丁寧な授業で子どもは伸びるのか〜(8min)

とあるツイートについて 少し前の話になりますが、Twitterを見ていると、教育業界において全国的に有名なある先生が、このように呟いていらっしゃいました。 言いたいのは、ゆっくり丁寧な授業で子どもは伸びるのかということ。伸びない授業を受けるということは、子どもにとってどうなのかということ。 これには驚いた。 ツイートではやや濁して書いてあるが、その真意を僕なりに解釈するとつまり 言いたいのは、ゆっくり丁寧な授業では子どもの学力は伸びないということ。伸びない授業を受けると

子どもの能力は遺伝か?環境か?(2min)

先日行ったセミナーの中で、保護者さんからこんな質問が出た。 うちの子は、私にも主人にも似てなくて…なかなか自分で計画を立てて、勉強を進めることが苦手なんです。どうすれば治りますか? このような「親に似ている・似ていない」の質問が出ると決まって僕は、子どもたちにとっての「遺伝と環境」の話をすることにしている。 名古屋大学大学院の山形伸二先生(当時は九州大学)らの研究によると、「中3時点での学力」と「大人になってからの年収」の約30〜35%は遺伝的要因で、残りの約65〜70

小学生に宿題をさせても成績が上がらないただ1つの理由(3min)

だんだんと世間に浸透してきた「小学生にいくら宿題をやらせても成績が上がらない」という事実。 これをなかなか受け入れ難い先生や保護者さんたちもいるだろうけど、日頃から子どもたちが宿題をやっている姿をよーく見ている人なら「そりゃそうだよね」って納得できていることだろう。 それではなぜ小学生が宿題をやっても成績が上がらないのだろうか。それは簡単。 子どもたちにとって宿題は「単なる作業」だからだ。 子どもたちの学校の宿題はどんなものがあるだろうか。 おそらくほとんどの学校で出さ

「思考力」の正体とは。(3min)

いまの子どもたちに必要で、それなのに身についていない子が多いと言われている「思考力」。 「考える力」と言い換えられることも多いけれど、そもそも思考力って何なのかをしっかり定義してくれているものは意外と少ない。 どんぐり倶楽部の糸山泰造先生はこの思考力を「複製(Copy)、移動(Move)、変形(Change)、比較(Compare)」の4つだとお話されていた。たとえば 10個の卵が入ったパックが6つあります。賞味期限内に食べきるのは難しそうなので、3パックはご近所さんにあ

「褒めて伸ばす」 自己肯定感に潜む罠。(6min)

一人歩きする「自己肯定感」思えば、2010年頃から「自己肯定感」という言葉をよく聞くようになった。 なんでも、日本の子どもたちは諸外国の子どもたちに比べて、自己肯定感が低いのだとか。 この自己肯定感が低いと、 些細なことで傷つきやすかったり、対人関係で過剰な気を遣ったり、場合によっては反社会的行動をとりやすかったりするようなので(松尾, 2001) 文部科学省もこれまでにいろんな対策を講じてきている。 ただ最近、この「自己肯定感」という言葉が一人歩きしてしまっているような

「子どもがやりたがるから」を言い訳にしないで。(2min)

うちの教室では年に3回、個別での保護者懇談会を実施している。 ここでは僕から保護者さんたちへ、日頃の授業の成果や子どもたちの変化をお伝えするのだが、それ以上に僕が大切にしていることがある。それは「お家での子どもたちの様子を聞くこと」だ。 僕が子どもたちと一緒に過ごせるのは週に1〜2時間ほど。こんな短い時間ではどんなに観察をしても気づけないことは山ほどある。 だから保護者さんたちからその子のお家での時間の使い方や様子を教えてもらうことで、その後の教室での声かけ方や勉強の進め方

音読よりも国語力を伸ばす方法。(6min)

小学生の音読という宿題の危険性については以前にnoteしたが、今日は「じゃあ音読の代わりに何をしたらいいの?」というお話。 音読の問題点音読という宿題がなぜ危険かというと、子どもたちが、文章を読む本質を「内容の理解(イメージ化)」ではなく「発声」だと思ってしまうからだった。 もしこれが身についてしまうと、どんな文章もじっくりと味わったり、愉しんだり、内容を吟味したりできなくなってしまう。 そして中高生になったときに、文章を読んでも「自分が理解できているのか、理解できていない

「授業が分かりにくい」と言われた話。(6min)

ちょっと長くなってしまいますが、子どもたちの思考力や自分の授業のやり方を考える大切な機会になったので、noteしておきます。よければ最後までお付き合い下さい。 人気講師は教えるのが上手い?自慢じゃないが、僕はアルバイト講師として働き始めた当時から、授業の分かりやすさには定評があった(いや自慢だろ)。 子どもたちの顔を見ていれば、そして問題を数問解かせると、どこが分かっていないのか、そしてどう説明すれば分かってもらえるのか、はっきりと道が視えた。 だから問題が解けずに困ってい

お家で親が勉強を教えてはいけない3つの理由。(3min)

思えば子ども時代、うちは比較的教育熱心な家庭だった。 学校のテストや宿題でわからないところがあればいつも母が教えてくれていたし、長期休みに出される作文の宿題はいつも叱られながらやっていたし、中学校での定期テスト勉強の進捗も基本的に管理されていたような気がする。 だけど教育に携わり初めて、僕は「お家で保護者が子どもに勉強を教えるのは良くないのでは?」と感じるようになった。 その理由は大きく3つある。 理由1:子どもが先生に質問できなくなる お会いした際に「うちの子なか