間違い電話

昨日ガラケーの話を書いたから、今日はそれに関連した話でも。

間違い電話がかかってくることがある。

そんなに頻繁ではなくて、1年に1回もかかってこないくらいで、だから物凄く気にしてはいないのだけれど。実はずっと、気になっている人がいるのだ。

ある日、知らない番号から電話がかかってきた。こういう時、私は、心当たりが無い限りは出ない。そして後で番号を検索してみている。調べてみるとその番号は、愛知県の市役所のものだった。

全然関係ないし、おそらく間違い電話だろう。似た番号の人がいるのだろう。その時はそれだけだったのだが。

数年後。知らない番号からかかってきたなと検索したら、これまた愛知県、同じ市からかかってきていた(市役所では無かった)。

遠く離れた同じ市からかかってくる。似た番号の方がそこに存在するのだろうと思う。その方の番号が何かはわからないけれども、おそらく数字の1つが違うとか、そういう番号を持っている人がいるのだろう。

顔も名前も全然知らないけれど、確かにそこに存在する人。愛知県にいるらしいその人。1人の人をはっきり意識したというか。そんな瞬間だった。

それから1年くらい経ったある日。またまた知らない番号からかかってきた。心当たりがあったのでその時は出てみた。すると、どこかの会社からの電話。

「○○様の携帯電話で間違いないでしょうか」

聞いたことのない名字。間違い電話だった。

この間違い電話が、愛知のその人に向けての電話だったのかはわからない。全然違う人に向けたものだった可能性もあるのだけれど。もしかしたら、私と似た番号のその人は、○○さんという名前なのかもしれないな、と思った。

ある意味探偵のような、ストーカーのような。私自身はその人について一切調べようと思っていないのだけれど、これからも間違い電話はかかってきて、その人の日常の一部を知れるような、そんな機会があるのかもしれない。

だからどうしたというとどうもしないし、おそらくその人と会うことも一生ないだろうけどね。ただ、こんな不思議な出会いでどこかの誰かの存在を知ることになり、たまに意識するのは。少しだけ「面白いな」と思うのだ。

でも全然知らない人にそういうことを知られるのって、いい気はしないだろうしな。電話をかける時にはちゃんと番号を確認しましょうと、そういう話である。


ではまた明日。