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くたばれ!イーロンマスク

イーロンマスク、ビットコインを後押し

イーロン・マスクという男をご存知だろうか。名前ぐらいは聞いたことがあると思う。世界一の電気自動車メーカーとして知られるテスラ社のCEOであり、ビルゲイツ等を抑えて2021年世界の長者番付第一位に輝いたナイスガイだ。
このイーロン氏がすごい。どのくらいすごいかというと、それはもう、すごくすごいのだ。

さて、そのイーロン氏率いるテスラ社が、15億円のビットコイン購入を発表した。それと同時にビットコインでテスラ社の車を買えるようにすることを示唆した。2021年2月のことだ。
仮想通貨がただのマネーゲームだと思っている方に誤解のないよう説明しておこう。
仮想通貨は各銘柄それぞれの実用性や目的を持っている。例えば海外送金を目的に作られた仮想通貨、オンラインカジノのチップとして使われる仮想通貨など様々だ。
この中でビットコインは「決済機能」に特化した通貨として知られる。日本でも既にビックカメラやDMMなど身近なところで決済手段として採用されていたりする。

ここにおいて、テスラ社の参入はインパクトが大きかった。発信力が違う。世界中に実用面での仮想通貨の意義を提示することになり、今後さまざまな企業がこの動きに追従するだろう。
仮想通貨市場は沸きに沸いた。ビットコインの今後の成長は約束されたものと思われ、4月までの2ヶ月間で実に2倍前後の高騰を見せた。そしてビットコインのみならず、市場全体の伸びを予見した一般投資家達が続々と仮想通貨に参入し、市場はさらに加熱した。

イーロンマスク、梯子を外す

ところが。
5月13日、イーロンマスクが突然ビットコインでのテスラ製品の決済停止をTwitterで呟いた。「だってビットコインは環境に良くないもん。」
確かにビットコインはマイニングといわれる通貨の発行や取引の検証・承認処理にかなりの電力を消費する。どのくらい消費するかというと、それはもう、かなりすごく消費する。
一方のテスラ社はSDGsへの取り組みに積極的であり、社是は「電気自動車や太陽光発電によって得られる持続可能な輸送とエネルギーへの移行を促進する」ことだという。そもそもビットコインとは相性が悪いのだ。

この呟きに市場は敏感な反応を見せた。
大きな実用化のニュースで沸いた直後の即時撤退。テスラ社がビットコインの売却に動くかもしれないという不安。そして世界的にセンシティブな環境問題がその背景にあったことは無視できない。このことが仮想通貨に対するネガティブなイメージを植え付け、投資家、とりわけ企業の参入をためらわせるのは明らかである。これを受けて仮想通貨市場全体が暴落を始めた。

一方で少数だが価値を上げた通貨も存在する。これらは「環境負荷が小さい」ことを売りにする通貨であり、ビットコインの代わりにそういった通貨の採用を検討することをイーロン氏がほのめかしたためだ。
中でもイーロン氏が開発に関わっていると噂される、犬をモチーフにしたドージコインという銘柄は、イーロン氏の呟きにいちいち反応して乱高下を繰り返した。イーロン氏もTwitterにたびたび犬のコラージュを投稿するなど、明らかな悪ふざけを繰り返す。
これらのことはさらに市場を冷え込ませることになる。たった1人の民間人の悪ふざけがこんなにも市場を掻き回すようなものを投機対象にすることには、誰もが慎重になるところだろう。

くたばれ!イーロンマスク

そもそもだ。ビットコインが環境に悪いなんて2月の時点でとっくにご存知だろ。いまさら何言ってんだこいつ。完全に確信犯だろこれ。どこがナイスガイだよ。ふざけんなバーカバーーーーーカ。と、誰もが思った。
俺も例外なく被害を被った。市場全体の暴落に呼応してイーサリアムが暴落を始める。Liskは言うに及ばずだ。資産はかなり減少した。
下り坂のチャートを呆然と眺める俺を行き場のない怒りが支配する。俺の夢が。希望が。未来が。たった1人の男の呟き一つで風前の灯。こんなことが許されていいのか。株の世界だったらインサイダーじゃないか。早くこいつ逮捕しろよ。
くたばれ!イーロンマスク。

コロナ景気の終焉の兆しが見えてきた折。中国が金融機関における仮想通貨の取り扱い禁止を通告、米司法省がマネーロンダリング疑惑でBinanceに調査に入るなど、仮想通貨界にとって不利なニュースも相次ぐ。
5月末現在、仮想通貨の暴落は続いており、4月に記録した最高値から50%近くの下落を見せる通貨も少なくない、非常に厳しい状況にある。


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