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給与明細のことー4月から社会人になったみなさんへ

4月から社会人になったみなさん、おめでとうございます!
毎日新しいことの連続で緊張した1か月を終え、少しずつ新しい環境に慣れてきたところでしょうか。
そして、そろそろ最初のお給料が支給される頃かと思います。なにに使おうかな、親孝行しようかななど考えるだけでもうれしいですね。
そんなみなさんに、いただいた金額だけではなく、ぜひ給与明細の内容にも興味を持ってもらいたいと思い、今回は給与明細の項目について簡単にご紹介します。

1.勤怠項目

勤怠項目には、その月の出勤日数、欠勤日数、年次有給休暇取得日数、時間外労働時間(残業時間)、休日出勤日数などが記載されています。
自分がどのように働いたのかがわかるところなので、月に一度確認してみてください。

特に、残業時間は、その時間数と一緒に理由を毎月確認することで、自分の働き方や業務見直しのきっかけにもなるかもしれません。
はじめのうちは残業もたくさんして早く仕事を覚えたい!と思うかもしれませんが、原則として「残業は会社の指示があって行うもの」です。ですので、もし業務が間に合わず残業をしたい場合は、社員から会社に残業申請をして許可を得て行うことになります。
実際の運用はそうなっていない会社も多いかもしれませんが、上司が業務の進捗や負荷を把握することは必要なことなので、積極的に職場内でコミュニケーションをとってみてください。

また、残業時間は法律で上限時間が設定されています。
原則として月45時間・年360時間ですが、会社ごとに臨時的な特別の事情がある場合には、労使の協議によりこれらを超えて上限を設定することができます。自分の働く会社がどのような時間外のルール(36協定)を設けているか、確認してみてください。
残業時間の上限規制については、「厚生労働省の働き方改革特設サイト」がわかりやすいです。

残業が多くなりすぎると、自分では大丈夫だと思っても知らず知らずのうちに心身ともに不調をきたします。残業時間数は、数字で客観的に確認できるところなので体調管理のひとつの目安にしてください。

2.支給項目

支給項目には、会社から支給される給与が記載されています。
基本給のほか、残業手当、通勤手当などが一般的です。その他にも、職務手当、資格手当、食事手当など、会社によって支給項目が設定されています。
どんな項目が設定されているか、その内容はどういったものかは会社の定める「賃金規程」に記載がありますので、一度確認してみるとよいと思います。

毎月変動する残業手当などは、どういった計算方法になっているのか気になる方も多いかと思います。自分で計算してみたり、自動計算ツールを利用してみたりすることもあるかもしれませんが、その計算方法が正しいとは限りません。わからなくて疑問に思ったり、不信感を募らせたりしてしまう前に、気になる場合は、会社の担当者に問い合わせてみることが大切です。

3.控除項目

控除項目には、会社が給与から天引きすることが法律で定められている
・健康保険料
・介護保険料(40歳から)
・厚生年金保険料
・雇用保険料
・所得税
・住民税(2年目の6月分から)
が記載されています。

その他に、会社と社員が天引きすることを取り決めしたもの、例えば
・社宅費
・財形貯蓄
・生命保険料
・懇親会費
・組合費
などが記載されています。

健康保険料や厚生年金保険料は大きな額のため、最初に天引きされたときはその金額に驚くかもしれません。ですが、健康保険は医療費負担や私傷病・出産時の長期休業に対する手当の制度、厚生年金保険は老後や障害を負った時の年金制度、雇用保険は失業したときや育児・介護休業のときの手当や教育訓練を受けたときの補助などの制度が利用できます。保険料は本人と会社で半額ずつ負担しています。
どれも働く人の「もしも」を支えてくれる保険制度です。もしもに備えておくことで、安心して働くことができるのです。

4.まとめ

働き始めると毎月もらう給与明細ですが、手取り金額の確認はしても給与明細をじっくり見ることはないかもしれません。
それでも、残業時間や有給休暇取得状況を確認して業務や働き方の見直しと体調管理をすること、もしものときに備えてどんな制度があるのか知っておくこと、この2つは気に留めてもらえたらと思います。知っていることが安心につながるからです。

給与明細は会社と社員の間で毎月共有されるものです。最近はWebの給与明細が発行され、手渡しすることも少ないかもしれませんが、だからこそ積極的にコミュニケーションをとることが大切です。
残業時間、休暇の取得状況などをきっかけに、業務負荷や進捗、健康状態や困っていることなど、会社も社員も給与明細をコミュニケーションのきっかけとして使ってもらえたらと思います。