見出し画像

今夜は、アメリカンドッグ

私は時々、無性にアメリカンドッグが食べたくなる。
トランス脂肪酸はなるべく摂取したくないが、食べたい時は体が欲しているのだから、食べたほうがいいに違いない。

そして今夜また、仕事の帰り道、急にアメリカンドッグが食べたくなった。   
もう夜遅いんだけど、、、いや、体の声に従おう。体の声なのか、脳の声なのかは、深く考えない方がいい。

通り道にあるいつものコンビニに入る。ほっ♡

すぐ、レジに行こうと思ったけれど、会社に常備しているドリップコーヒーバッグが切れていることに気づき、まずはコーヒーバッグを一袋、手に取り、レジに向かった。レジ横のガラスケースには、他の揚げ物達と一緒に、アメリカンドッグ2本も並んでいた。いつも通り、可愛くて美味しそうなフォルム!キャ♡

レジには数人並んでいて、レジのお兄さんは忙しそうに接客しながらも終始笑顔で働いている。うん、いい感じだ。アメリカンドッグも私を歓迎してくれているような気がした。

そして遂に私の番に!!

『すみません。これ(コーヒーバッグ)とアメリカンドッグ一つください。』と私。
「はい、少々お待ちください。」と、お兄さんはアメリカンドッグを取りに向かった。精算するときに、「ソースは袋に入れておきますね」と優しく話すお兄さん。

『ソース???』

いや、ケチャップもソースの一つと言えるかもしれない。私は、大丈夫だよと自分を安心させようとしていた。

そして、お兄さんがコーヒードリップとなぜか形状が薄くなった袋入りのアメリカンドッグを私に渡してくれた。

なんか、、、めっちゃ薄い!!
気のせいか小判状の形に見える!!
というかコロッケにめちゃ似ている!!!


レシートを確認したら、「ファ○コロ」と印字されていた。

何!!??と思ったが、私の後ろには数人の客が並んでいて、忙しそうな笑顔のお兄さんに、商品が間違っていることを伝えたら、またレジで何らかの操作をして、アメリカンドッグを袋に入れる時間がかかり、後ろの数人を待たせてしまうと思うと気が引けて言えなかった。かと言って並び直す気力もなく、店を出る。

なんだよ、なんだよ、今日はアメリカンドッグ食べたかったのに〜!!!

横断歩道で信号待ちしながら、頭の中で悪態をつく私。
いや、でも、あの笑顔のお兄さんの顔見たら、ま、いっかって思ってしまったんだよね。というか、あのコンビニ、ちょっと店内の音楽(放送?)が大きすぎじゃなかった?
ま、もう仕方ないよ。今日は神様が、私にコロッケを食べさせたかったんだよ、と自分を納得させた。

その後、今後、同じような事が起きないようにどうすればいいかを、頭の中でシュミレーションしてみた。
まず、アメリカンドッグを頼むときは、ゆっくり大きな声で滑舌良く注文しよう。
それと同時にショーケースに手を伸ばして、アメリカンドッグを指差しした方が、間違いないだろう。また、商品を待っている間は、ボーッと考え事などせず、きちんと店員さんが、アメリカンドッグをトングで取っているかも必ず見届けよう。

よし、もう大丈夫だ。
もうこんなことは絶対に起きない。

安心した私は、家に帰ってから特に食べたかったわけでもないファ○コロにソースをかけて食べたのでした。

続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?