湯河原温泉の癒しは、1000年超え。万葉集が証明してるって。

画像1 熱海と箱根に挟まれて、アミューズメント性が少な目の湯河原は、実はお湯の質がすこぶる良い。数年前から虜になって足繁く通ってる私です。駅に降りたとたんにウエルカムな看板。嬉しい。
画像2 「足柄の 土肥の河内に 出づる湯の 世にもたよらに 児ろがいはなくに」とは万葉集に詠まれた湯河原温泉の歌。昔はこのあたりを土肥と言ったそう。何より、温泉のことで万葉集に載ってるのは湯河原だけなんだってさ。万葉公園というのもあって、行き始めた頃は川の流れを楽しめる公園だったけど、今は大リニューアルされておしゃれな「湯河原惣湯Books and Retreat」になってるよ。駅のベンチも、寒い季節にはありがたいお座布団つき。
画像3 そもそも。湯河原温泉は、たぬきが見つけたんだって。町のあちこちにこんなたぬきがいて、さらに町おこしの「たんたん焼きそば」ってメニューもある。ピリ辛で、17店舗でサーブされてるって。もちろん「たんたん」はたぬきからのインスピレーション、ね。
画像4 駅前も数年前にリニューアル。隈研吾建築事務所の作品だよ。木の感じが、とても癒される。最初見た時は、木の感じから「もしかして隈研?」と思ったけれど、ちょっと前まではまるで忘れられた温泉地の雰囲気だったから「まさかね」と自分で否定しちゃったけど、この駅舎になったことで人が集まると良いな、と切に願う。温泉場まで行けるバスもここから乗車。雨でも、この屋根の下にいれば濡れなくて済むね。
画像5 通路に埋まってるこんなタイルも、かわいい。実は、住所は「湯河原市」ではなくて、「足柄下郡湯河原町」なので、「まち」の紹介になってるわけ。特にみかんは、有名。あちこちで、無人販売やら直売所やらを見かけるよ。柑橘系が大好きな私は、ついつい足を止めてしまう。
画像6 バスに乗らずに歩いてみよう。五所神社が見えてくるよ。かなり大きな神社だけれど、境内には七福神があちこちに。一番びっくりは、道の反対側に現われる布袋尊。どうして、この神様だけこちらに? 不思議。天智天皇の時代に創建されたのでは? と言われてるけど、七福神は割と新しめ。これから時を刻んでいくんだね。
画像7 しばらく歩いて行くと、源泉が。噴出しているようで、そばに行くだけでもわ~んと温かいよ。とにかく湯河原のお湯は毛穴の一つ一つにぞわっと染みこむような触感で、宿泊してまず入浴すると、あまりに癒されて食事の後にどっと眠くなってしまうほど。もう一度入りたいよ! と思い、眠い中一大決心して再度大浴場に向かうことしばしば。そしてまたたっぷりと癒された熟睡。文豪たちがこぞって滞在したのが、肌感覚で理解できる泉質です。
画像8 源泉のすぐそばには、こんな立て札。実は、226事件で東京以外で事件の舞台となったのは、ここ湯河原だけ。光風荘では、土日には、ボランティアの方が色々と詳しく説明してくださったけど、今はこのご時世で予約制みたい。私も、その歴史を湯河原詣でを始めてから知ったけど、中には資料ほかたくさんの当時を物語る品々が展示されていて、興味深い場所。
画像9 宿泊しない場合の目的地は、ここ「こごめの湯」。日帰り温泉です。ここまで歩くと汗ばんで、ちょうど温泉に入りたくなる。駅から30分くらいかな? 露天風呂もあり、2つの浴場を男女交互に使用するよ。女子は、奇数の日が広くて明るい方の浴場なので、その日を狙って行くことが多い。お食事処もあるから、長居しても大丈夫。たとえ日帰りでもプチ旅行の気分になれる。
画像10 お風呂から出た後は、2階の無料休憩室へ。お昼寝してる人も(ほらね、やっぱり眠くなっちゃうのね)たくさんいて、皆様リラックス。窓から眺める景色も、こんなふう。先程の光風荘あたりから急な坂道になっていて、こごめの湯は相当な高台にあるよ。でも、こんな眺めが待っているのだから、息を切らして上る価値あり。季節ごとの景色も、楽しみです。
画像11 おまけ。226事件は、クーデターとみなされたので、将校たちは捕まり、光風荘を襲撃した河野大尉は、収容先の熱海の病院で自決した。熱海の町を歩いていて見つけたけれど、光風荘での説明を聞いていただけに、なんだかしんみりとしてしまいましたとさ。1000年の昔から、こんこんとお湯が湧き出る湯河原、奥が深い。こんな歴史も携えて、もっともっと知ってもらいたくて書いてみたよ。

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