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★軽キャンピングカー生活まであと257日★「市町村章から見るまちの想い②」

こんばんは、本日は2投稿です。
といっても前回同様、市町村章のご紹介の続きをしようと思います。
前置きはほどほどに。早速今回の市町村章5選を紹介します。

①千葉県 成田市

まず一つ目にご紹介するのは、言わずと知れた日本の玄関口、成田国際空港を持つ千葉県成田市。こちらの市章は日本で唯一「アルファベット」が用いられてます。さすが国際的な繋がりを取り持つまちと言えますね。

「企業のロゴか!?」
と思わせるスタイリッシュさ。

とても格好良くないですか?左下にそっと添える「NARITA」の文字もイカしてますね。グレーと赤色、余白の白色も特徴的です。

成田市の頭文字「N」を人の姿に重ね合わせ図案化。
四肢の伸びは躍動感と疾走感、中央の赤は成田市民の熱い情熱、「NARITA」は日本と世界との交流拠点としての国際空港都市を表し、成田市の明るい未来への飛躍とさらなる繁栄への願いが込められているそう。
他の市町村にはない特色を余すことなく表現されています。

ちなみに余談ですが、東京から成田空港を結ぶJRの特急列車「成田エクスプレス」のカラーリングもグレーと赤と白。この色には海外の人から日本の国旗をイメージしてもらい「日本に来た実感」を与える狙いがあるそうです。

②大阪府 島本(しまもと)町

第一弾に引き続き大阪府から選ばせていただいたのは島本町。府外の方からは馴染みのない町かもしれませんが、ちょうど京都と大阪の間に位置します。JR京都線を乗って移動していると大阪の中でも珍しく田園風景が広がる地域ですね。

そんな島本町の町章がこちら。

な、なんて線の数…!ロゴ下半分の横ラインの嵐が特徴的です。
手書きしようものなら上下の線がくっついてしまいそうな密度をしています。
数えてみるとその数、最も多い真ん中の部分で9本も確認できます。

この町章はどういった意味があるのでしょう?
島本町公式HPでの解説がこちら。

「 歴史上由緒ある楠公の「菊水」を「嶋本」に図形化し、明るく環境のよい本町の未来を象徴しています。 」

んー?なんのこっちゃ?
ということで楠公(=楠木正成)の菊水家紋がこちらになります。

確かに、町章はかなり似たデザインだ。

町章とそっくりですね。というか、ほぼ一緒。
こうなると「嶋本の図形化」というのがもはやピンと来ませんね。笑

同町には楠木正成・正行父子の訣別の地として知られる桜井駅跡などがあります。
歴史的背景や人物なども落とし込んでいるデザインは、知る人から見ればニヤッとしてしまうものがありますね。

③群馬県 前橋市

続いては群馬県の県庁所在地である前橋市。県庁は高崎市にはありません。
こちらは先程の大阪府島本町の緻密かつ複雑さとは打って変わって、非常にシンプルなものとなっています。

それがこちら。

「ただの丸やん!!」
思わずそうツッコんでしまったのは私だけではないはずです。
はい、本当に前橋市の市章は「ただの丸」なんですね。

これだけだと納得できないので、しっかり調べてみました。

「前橋市の市章は、前橋の旧藩主だった松平氏の馬印※『輪貫(わぬき)』からとったもので、明治42年に制定されました。
輪の大きさは、外円と内円の半径の比を1対0.73と定められています。」
※馬印・・・戦国時代の戦場において、武将が己の所在を明示するため馬側や本陣で長柄の先に付けた印のこと。

とのことで、理由はちゃんとあったみたいです。
そして綺麗な丸ではなく、1:0.73の楕円形と決められているみたいです。
その正確さは必要なのだろうか…。笑

このシャツで「あ!前橋市章だ!」
と思える人がいるのでしょうか…。

④群馬県 伊勢崎(いせさき)市

続いても群馬県から。
伊勢崎市の市章は「どこかで見たことある」ような市章となっています。
それがこちら。

この図形は「陰陽太極図」「太極図」「陰陽マーク」などと呼ばれていますね。
古代中国において流行して道教のシンボルになったそうで、現代社会でも認知されているほど有名なマークですね。
にしても、先程の前橋市同様、図案化など一切行う気がない潔さが良いですね。

このマークについては、調べていくと色々と面白い考えも得られるので、リンクをつけておきますね。興味のある方はぜひ勉強してみてください。

ではなぜ伊勢崎市がこのマークを採用したのか?
理由はこのマークのそもそもの形にあります。

公式HPでは「この地域にゆかりの深いまがたまを用いて、いせさきの「い」の字をデザインしたもので、市民の融和と本市の発展を表しています。」
とあります。
公益財団法人 群馬県埋蔵文化財調査事業団によれば渋川市・高崎市などと並んで伊勢崎からも勾玉(まがたま)の出土が確認できるようです。

勾玉の形をメインに考えたデザインのようですから、陰陽マークになったのは後の話なのかもしれませんね。
しかし、これで「い」の図案化とは中々の力技な気がしますね。笑

⑤愛知県 名古屋市

さいごにご紹介するのは名古屋市です。
「名古屋市なんてメジャーなのに、そんな変わった市章だった?」
そう思う人も多いかもしれません。というか、気にしたことない人もいるかな?

そんな名古屋市の市章がこちら。

これが名古屋市章「まるはち」

これを見て、どう思いましたか?
「なんで八?」と腑に落ちない感情になりませんでしたか?
名古屋の文字を図案化したわけでもないし、そもそも「ナゴヤ」に「ハ」は付きません。シャチホコや味噌っぽいデザインでもない。私は名古屋らしさが全く伝わってこない不思議な市章だと感じました。

ではなぜ、この「まるはち」マークが採用されているのか。
公式HPからその理由を探ってみました。

八は尾張徳川家の合印だそうです。制定の経緯は定かではありませんが、「丸は無限に広がる力、また八は末広がりで発展を示す」というおめでたいマークであり、名古屋の歴史を大切にしながら、新たな発展を期そうという思いがあったようです。

「まるはちマーク」は徳川家にまつわる形だったようですね。

また、「マルハチ」「まるはち」「丸八」といった屋号や社名を持つ店舗も、市内には数多くあるようです。命名のいわれを尋ねてみると、「名古屋市にあやかった」「名古屋一番の立派な店にしたかった」という声が大多数。マルハチは今も、末広がりのおめでたいマークとして市民に親しまれ、愛用されているといえるでしょう。


まとめ

いかがでしたか?
前回記事に続いて全国の興味深い市町村章を取り上げてみました。
デザイン性が優れているものや、一目で注目を惹くもの、歴史的背景などにまつわるマークなど、デザイン制定にはさまざま理由があるものです。

あなたは自分の住む街や地元の市町村章を知っていますか?
また、その成り立ちの理由がわかりますか?

是非もう一度「地域を見直す」時間をとってみてください。
慣れ親しんだ土地でも新たな発見があるはずです。この日本、まだまだ広い。
知らないことをどんどん発掘していきましょう。

<<<あと257日>>>

「故きを温ねて新しきを知れば、もって師たるべし」
論語・孔子

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