見出し画像

トマトのカルパッチョ、いちじく添え

スマート新書『料理のキホン』では煮る、茹でる、焼く、蒸す、揚げると調理法を区切って説明しました。

もうひとつ大事な調理法は『切る』ということ。きゅうりは畑に植わっている段階では作物ですが、ハサミで枝付きの部分をチョキンと落とした段階から料理はスタートします。日本料理の世界でも五味、五色、五法という考え方があり、五法とは「 生・煮る・焼く・揚げる・蒸す」のこと。この生は「切る」と言い換えることができます。

上手に切るためにはよく切れる包丁が必要です。包丁の研ぎ方については簡単に『道具コラム 包丁』という記事にまとめたので、参考までに。そういえばこの記事では平らな砥石で研ぐ必要性を強調しましたが、専門家のなかには中心が盛り上がった曲面がいいと主張する方もいます。理屈はそれほど変わらないので、我々は平らな砥石で研ぐのがいいかな、と思います。

切る、という技術を使えばいつもの食材の違った個性を引き出すことができます。今日は『トマトのカルパッチョ いちじく添え』をつくります。材料はシンプルですが、技術的には挑戦レシピに入るかもしれません。

画像1

いちじくとトマトの旬は被っているので、そうした食材をあわせるのは自然なクリエイション。まずはいいトマトを入手することです。この場合のいいトマトはゼリー分が少なく、果肉が多い生食用のトマト、ということになります。色々買って試してみましょう。個人的にいちじくは甘味に使うよりも料理に使ったほうがおいしい果物だと思います。

画像2

まずは皿に味付けをします。オリーブオイル小さじ1を皿に塗りつけました。

画像3

バジルの葉っぱ、2〜3枚を包丁で粗く刻み……。

画像4

皿にちらします。これで準備完了。

画像5

あとはなるべく薄く、トマトをそいでいくだけです。トマトの繊維は縦に走っているので、枝付きを下にして置いた状態で包丁を動かします。よく切れる包丁であれば透けるほど薄く切れるはずです。

画像6

そのままお皿に並べていきます。

画像7

すべて並べおえたらいちじくもスライスして載せます。バジルの小さな葉っぱをちらしました。少量のフルール・ド・セルをふりかけます。

画像8

冷蔵庫にエディブルフラワーと赤しそがあったので載せてみました。出来上がりです。時間を置くとトマトから水気が出てきてしまうので、急いでサーブします。

画像9

試食してみていちじくが足りなかったので足しました。いちじくの軽い甘みとトマトの酸味があわさり、さわやかな味わいです。底に敷いたバジルのみじん切りの香りは食べ進めるほどに出てくる仕立て。いちじくとトマトってすごく相性がいいので、これだけでも試してみてください。くし切りにきったトマトといちじくをポン酢で和える(ごまとか振りたいかな)だけでもおいしいと思います。


撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!