こぼれ梅研究その1「酒粕と同じように使う」
こぼれ梅とはみりん粕のこと。梅が入っているわけではなく、ほろほろした感じが梅の花が咲きこぼれるさまに似ていることからその名がついたそう。
このこぼれ梅、あくまでみりん製造の副産物なので、昔ながらの製法で本物のみりんをつくっていないと生まれません。『みりん風調味料』が出回る現在ではなかなかの希少品、というわけ。
みりん粕に含まれるレジスタントプロテインという成分がコレステロールを下げたり、肥満などを防止、 また腸内環境を良くし便秘にもいいとのことで、注目されています。(参考 日本栄養・食糧学会誌『消化管で作用する疾病予防成分に関する栄養学的研究』)
一般的には甘酒風にして飲むらしいです。
こぼれ梅の甘酒風
こぼれ梅 50g
水 200cc
砂糖 大さじ1
作り方は簡単、鍋に入れて煮立てるだけです。
麹の硬い部分が含まれていることがありますが、水にふやかしながら温めるとやわらかくなります。
なるほど。酒粕と似てますが酒粕甘酒より、もっと麹甘酒に近い味といいましょうか。そういう味でおいしいです。
結局、酒粕と同じような使い方ができる、ということですね。次はみりん粕風味のお味噌汁です。
材料(4人前)
大根 150g (5~6センチ 皮を剥く) にんじん 100g
里芋 1個
味噌 40g
こぼれ梅 40g
出汁 800cc
出汁は顆粒を使ってもいいのですが、今回は煮干しダシを使いました。煮干し一つかみと水を冷蔵庫で一晩置いたものです。ペットボトルのミネラルウォーターなどを使うと簡単。
大根とニンジンは短冊に切り、里芋は皮を剥き、スライス。すべての材料を鍋に入れ、火にかけます。
沸騰してきたら灰汁をとり、弱火に落とします。
こぼれ梅に分量外の湯をかけてふやかしておきます。
ふやかしたこぼれ梅を入れ、1分ほど煮た後、火を止め、味噌を溶き入れます。
出来上がりです。粕汁よりすっきりして上品な味。
みりんは蒸したもち米に米麹と焼酎(または醸造用アルコール)を混ぜて、熟成させたお酒。焼酎以外のお酒でもできそうなものですが、粕とり焼酎が一番おいしくできる、と聞きました。
原理的にはこのみりん粕とみりんをミキサーにかければ白酒と同じ味になるんですかね……みりん粕研究、もう少し続けます。
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!