プリン作り講座 〜昔風プリンの作り方〜
全卵タイプのプリンの一部を卵黄に変え、生クリームを使わずあっさりと仕上げたプリンです。昔、甘味屋で食べたような味を目指しました。フルーツや生クリームを添えて、懐かしのプリン・アラ・モードにしても。
まずは前回の復習。硬めに仕上げたいプリンなので、陶器ではなくアルミカップを選びます。
最初にカラメルソースを作ります。カラメルはタブレット状になって市販されているのでそちらを使うとこの工程は省略できます。
鍋にグラニュー糖を入れて中火にかけます。
カラメルをつくるときには再結晶化を防ぐために鍋を揺すったりしないようにレシピ本には書かれていますが、これくらいまわりが溶けてきたら鍋を軽く揺すって中心の砂糖を馴染ませたほうが失敗が少ないです。
具体的には鍋をこんな風に傾ければ、砂糖は一気に溶けます。揺するというよりも傾 ける感じですね。こんな風に溶けて色がついたら(180℃くらい)弱火にします。
ここから一気に変化が進みます。まわりの細かな泡が中心に集まっていき、やがて消 えるはずです。
煙が出てきました。ここが水を加えるポイント。最終的な温度は210〜230℃。
おそるおそる入れるとカラメルがはねて危ないので、水は一気に入れます。
ここから使う用途に応じて煮詰めていく作業になります。プリンに使うカラメルソー スはやや硬めに仕上げるようにします。あとからプリンの液体と混ざらないようにす るためです。
目安はぐるぐると木べらをかきまぜると鍋底に少しの時間、あとが残るくらいの濃度。心配なら重さを量ってみて、砂糖重量の1.2倍が目安です。
こさじ2ずつ器にながします。冷ましておけば準備はOK。
実はカラメルは火加減(弱火でじっくりと色をつけるか、強火で一気に色をつけるか)で仕上がりがそれぞれ変わってしまうため、再現するのが難しいソース。(『加熱速度や加熱温度がカラメルソースの色・味に及ぼす影響』大井裕子(女子栄養短気大学)他)という論文が参考になります)鍋や砂糖の量などを調理条件を揃えて、上手にできるように繰り返しつくるのがベストです。
プリン地を作ります。硬いプリンが好きなら全卵でつくればOK(卵3個になるわけです)ですし、 滑らかなプリンが好きなら牛乳の一部をクリームに変えます。余った卵白は冷凍しておいて、別の料理やデザートに使ってください。
まずは卵を溶きほぐします。
分量の砂糖を加えて、すぐに混ぜます。
砂糖が少ないのですぐに溶けると思います。この段階でバニラエッセンスも数滴加えました。バニラオイルやバニラペーストでも同様につくれます。
鍋に牛乳を入れて、温めます。まわりが沸いてきたら火を止めます。70℃を越えるとタンパク質が凝固しはじめてしまうので注意。
卵黄を増やした分、卵臭さが気になります。ここで秘密の隠し味に使っているのが小さじ1のみりんです。みりんは料理につかわれることが多いですが、リキュール的に使うと風味がぐっと良くなります。
泡立て器で混ぜながら牛乳を注ぎます。
できあがった生地は必ず濾します。これでかなりの泡が取り除けます。それでも泡が 浮いていた場合はレードルなどで取り除きます。
器に注いでいきます。
バットに並べて熱いお湯を注ぎます。このときのお湯の温度は80°Cくらいが目安ですが、それほど神経質にならずとも適当で大丈夫。熱いよりは低い方が安全なくらいです。この時、アルミカップの下にキッチンペーパーを敷いたり、布巾を敷いたりとする方がいますが、たいした意味はないので不要です。(安定をよくするためなので大量につくる場合には意味がありますが、少量なら不要。よく火のあたりが柔らかくなると言いますが、その効果は期待できません)
160度のオーブンで20分間焼きます。写真は30分になっていますが、20分でいい か、と思います。プリンカップを揺すって固まったかどうかを確認しますが、容器が大きい場合は加熱時間が長くなります。そのまま冷まして、できたら冷蔵庫で一晩寝かせます。
こんな状態に固まるはずです。
抜くときには熱いお湯に底を浸してカラメルを溶かし、、、
指で型を押さえて、皿ごと振るようにするとカポッと外れるはずです。
できあがり。完璧な仕上がりを目指すなら、生地の段階で空気を抜いた方がいいかも しれません。そこまで求めなくてもクリームが入っていないのに滑らかで、それでいてあっさりとした仕上がりという昔プリンです。
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!