そら豆と生ハムのオリーブオイル炒め
年中、いろんな野菜が揃っている時代ですが、生のそら豆は春先だけの美味。まだぎりぎり出回っているので、今日はスペイン料理の技法を使ったそら豆と生ハムの炒めものをつくります。定番的な料理です。
スペインは世界一のオリーブオイルの生産量を誇る国。輸出量はイタリアが世界一に年もありますが、これはイタリアがスペインからオリーブオイルを輸入し、出荷しているため。余談ですが、イタリア人は小麦粉を輸入し、パスタに加工して出荷するなど、昔から付加価値をつけるビジネスが得意なんですね。
さて、生産量世界一のお国柄故か、スペイン料理でのオリーブオイル使用量はかなり多め。オリーブオイル炒めと名前がついていても、実際はオリーブオイルで煮る(もしくは揚げる)ように加熱したりします。
そら豆1パックを買ってくるとこんなところ。実際はなかに入っている量に差があるので、可能であれば触ってみると実が詰まっているか確認できます。
身を取り出して、お尻に包丁で切れ目を入れておきます。こうすると後で皮を剥くのが楽。
1分30秒茹でます。これは皮を剥くための下処理で、そら豆に火を通すためのものではありません。
陸上げ(水にとらずにザルにとって冷ますこと)したら、皮を剥きます。温かいうちに皮を剥くのが楽です。冷めると皮が縮んで剥きづらくなります。
生ハムは切れ端を使ったりしますが、日本では手に入らないのでコンビニで買ってきたものです。適当な大きさに切ります。小さく切ったほうが本当にそら豆と一緒に口に入れやすくなるのでいいと思います。
小さな鍋にオリーブオイル大さじ3〜4とにんにくをいれて中火にかけます。ガーリックの風味が好きな方はみじん切りにしてください。ここで玉ねぎのみじん切りを入れる人もいます。それも甘みが出て美味しいです。
にんにくが色づいたら生ハムを投入。弱火に落とします。
ただちにそら豆を加えて、煮るようにして火を通します。日本ではそら豆の青みを活かすためにさっと火を通しますが、スペイン(イタリア、フランスなど)ではそら豆に限らず野菜はしっかり火を通します。
塩で味付けしますが、オイルがいっぱい入っているので、入れすぎという失敗はほとんどないか、と思います。(塩は油には溶けないので底に溜まるだけ)威勢よく塩を振っても大丈夫なはず。粒が大きい塩を使ったほうがおいしいと思います。
そら豆がやわらかくなれば出来上がり。好みでポーチドエッグを入れると味がまとまります。鍋の底に溜まったオリーブオイルをパンにつけて食べたり、そら豆を皿に移してからフォークで潰して、そのパンにのせて食べると美味です。軽い白ワインを冷たくして一緒に飲むと最高でしょう。
そら豆にはn-ヘキサナールとインペンタノールなどの独特の青臭さや蒸れ臭に近い芳香化合物が含まれているため、それをどうにかする、というのが世界各国に共通する基本パターン。水で希釈していく、ミルクやクリームでマスキングするパターンなどがありますが、スペイン料理の場合はオリーブオイルでマスキングしていく方向性です。……と、書きましたがカタロニアの方ではラードで煮込んだりもするので、スペイン料理と一言では言い切れないのですが、ま、大まかなところで。
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