見出し画像

お米(アイヅライス)にあう料理とは?

アイヅライスをテーマにしたお米シリーズの最終回。PRのお手伝いしているアイヅライスの新米をいただきました。(この記事はアイヅライスのPRを含みます)

赤べこが目印です

ところで新米の定義はご存知ですか。食品表示法という法律がきちんとありまして、秋に収穫してその年の12月31日までに精米され、包装されたお米が新米と名乗れます。

新米がイチバンおいしくて、味は落ちていく……みたいに思われるかもしれませんが、実際には籾の状態できちんと保存したお米は年明けくらいからおいしくなっていきます。つまり、新米のシールがないあたりからが本当の食べごろ。ちなみに梅雨を越した米を古米といいますが、それもきちんと保管してあればおいしく食べられます。

しかし、新米には特別なおいしさがあるのもたしか。瑞々しさももちろんですが、なによりお米の味は毎年違う、ということです。去年と比べてどうなのか、という楽しみ方はワインにおけるボジョレ・ヌーボーの楽しみ方にすこし似ているかもしれません。

このご飯釜は釜浅商店のもの

前回、紹介した炊き方で、新米を炊いてみました。

アイヅライスの特徴は粒立ちのよさ。粘りは強すぎず、甘みやうま味はしっかりとしています。コシヒカリらしい汎用的なおいしさです。こういったお米を味わうと改めてコシヒカリの品種としてのポテンシャルがわかります。お米好きな方はつい希少なササニシキや新品種に目が向きがちですが、ブランド米の安定感もお米の世界の多様性を維持する要素の一つ。

ちなみにオンラインで購入できます。さて、お米には様々な銘柄がありますが、みなさんはどんなふうに選んでいるでしょうか。

一昨年、パナソニックさんのイベントにインタビュアーとして登壇したのですが、別のセッションで原宿にある小池精米店の小池さんとhonsyokuの平井さんの対談を聞いていて僕が「なるほどな」と思ったのは

戦後、お米が主食として家庭に浸透したのが「ファーストウェーブ」。生産量が上がり、白いごはんをお腹いっぱい食べたいという願いが叶えられると、次はお米のおいしさを求めて品種改良が進みます。そうして、コシヒカリが全国的に定着したのが「セカンドウェーブ」。そして今、自分の好みに合わせて、お米の銘柄や味わい方を楽しむ時代「サードウェーブ」

【対談】お米にも、「サードウェーブ」がやって来た!?

という下り。時代によってお米の楽しみ方は変わり、今は自分の好みにあわせて銘柄を選べる時代になったのは確かでしょう。そこで今回はお米と料理をどんなふうにペアリングしていったらいいか、という点について、僕なりのアプローチを書いていきます。

料理にあわせてお米を選ぶ

肉料理に赤ワイン、魚料理に白ワインという具合にお米を見極める要素は大きく二つ。〈粒の大きさ〉と〈アミロースとアミロペクチンの割合〉です。

〈粒の大きさ〉は食べごたえに大きく影響します。粒が小さめの品種は〈つや姫〉や〈ササニシキ〉、大きい品種は〈いのちの壱〉や〈新之助〉などです。あくまで僕の見解ですが、粒が大きい米には唐揚げやハンバーグなどのこってりとした料理があい、粒が小さい米は焼魚やお刺身など和食に向きます。最近の新品種は大粒化の傾向にありますが、それは食生活の変化に対応するためでしょう。

アミロースの含有量もポイントです。米にはアミロースとアミロペクチンという2種類のデンプンが入っていて、そのバランスによって個性が決まります。アミロースが多いほどさらっとして、硬めのご飯になり、アミロペクチンが多いと粘りが増え、どっしりとしてきます。ちなみにアミロペクチン100%はいわゆるもち米を指します。

アミロースが多い米は例えば北海道の〈ななつぼし〉が挙げられます。〈ななつぼし〉はあっさりとしてカレーなどに向いているでしょう。

コシヒカリが長年、愛されてきたのは16%というアミロース含有量が日本人の好みにあってきたから……ですが〈ゆめぴりか〉や〈金色の風〉〈たきたて〉といったいわゆる低アミロース米も増えてきました。低アミロース米はアミロース含有量がが11%で、粘りと甘みが強く、冷めてもおいしい、という特徴があります。

では、アイヅライスにはどんな料理があうのでしょうか。コシヒカリはどんな料理にもあう万能品種ですが、そのなかでもアイヅライスは粒立ちがよく、しっかりとした味があります。そのため、ある程度、料理の方もしっかりとした味付けをしたいところ。

今回は鮭を用意しましたが、焼いた塩鮭であればササニシキやあきたこまちとの相性がいいかもしれません。しかし、アイヅライスには多少脂が入ったサーモン系の鮭が合いそうです。それも塩焼きではなくしっかりとした米の味に負けないように、照り焼きや味噌漬けにしましょう。

サーモンはキッチンペーパーで表面の水気を拭き取っておきます。

味噌漬けはすごく簡単です。白味噌を買ってきて、表面に塗るだけ。他の種類のみそであれば酒やみりんで伸ばしたりして塩味を薄める必要がありますが、白味噌であればその必要はなし。

ゴムベラなどで表面に白味噌を塗り、1日以上漬けます。冷蔵庫で3〜4日保存できるので、買ってきたら漬けておくといいでしょう。

サーモンは表面についたみそを菜箸などで落とし、魚焼きグリルで焼きます。そのあいだに付け合せを準備しましょう。

きゅうりを1本分100gをスライスしました。これで2皿分です。2%の塩をまぶして、5分置きます。

すぐにしんなりするはずです。

キッチンペーパーなどで絞ります。

刻んだ柴漬け10gで味をつけます。刻んだ漬物が西京漬けとよく合うのです。

出来上がり。アイヅライスのようなおいしいコシヒカリにはこれくらいしっかりとした味わいのおかずだとバランスがとれます。はじめ会津の馬刺しをペアリングしようかと思ったのですが、馬肉が手に入らなかったので、今後に見送ります。ちなみに馬肉をおかずにするのであれば刺身にするよりも叩きのように表面を焼き、にんにくなどのタレをかけてステーキっぽくしたほうが相性がいいはずです。

こってりとした料理にはしっかりとした味のお米、というのは僕のペアリングセオリーですが、お米との組み合わせに決まりはありません。ただ、こんな料理と相性がいいのでは、と考えながら料理すると、お米の楽しみ方が広がるはずです。



撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!