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サバの味噌煮の作り方

サバはどのように調理してもおいしい魚。今日は定番の味噌煮にします。

秋から冬にかけてシーズンを迎えるマサバです。ゴマサバでも同じように作れますが、マサバにはかないません。というわけでサバの味噌煮は冬の料理。

他に味噌煮にする魚といえば鯉くらいで、海の魚はあまり味噌では煮ません。サバの味噌煮が定着した理由は、サバが鮮度の落ちやすい魚だからでしょう。流通が発達していない昔、鮮度の落ちたサバをおいしく調理するには味噌煮が適したのだと思います。今は鮮度の良いサバが手に入るので、昔よりもずっとおいしいサバの味噌煮を楽しめるはずです。

サバの味噌煮
 サバ  1尾
 生姜  20g
 長ネギ 1本〜2本(60g使用)
 水   150cc
 酒   150cc
 醤油  小さじ1
 上白糖 大さじ1
 赤味噌 30g

サバは三枚におろしたものを使用してもいいですが、骨がついていたほうがおいしくできます。骨からも旨味が出ますし、身が硬く締まるリスクも回避できます。サバは適当な大きさに筒切りにしましょう。魚屋さんに頼むのが一番、簡単だと思います。

ところで筒切りにしましょう、と書いておきながら、写真ではお腹を切って内臓を出しています。「おいおい、こいつは筒切りの仕方も知らないのかよ」と思われるかもしれませんが、筒切りの場合は通常、えら口から内臓を抜き出すのが一般的です。しかし、その方法ですと、中骨についている血合いの部分がきれいにできません。

そこで今回は腹から包丁を入れて、内臓を抜き、血合いの部分をよく洗いました。

6cmの厚さにカットしましょう。包丁を前後に動かしていれば骨は切れます。関節から骨を切ることが重要で、たたき切るようにしてはいけません。サバは柔らかい魚。強引に切ると下側の身が潰れてしまいます。

煮魚をつくる場合、重要になるのが水と酒の割合です。これは水。

こちらは日本酒です。煮魚は水の割合が多いと家庭料理っぽい仕上がりに、酒が多いと料理屋さん風の仕上がりになります。サバの場合は臭み成分をマスキングしたいので酒は贅沢に使いたいところ。今日は半々でいってみましょう。

21cmの雪平鍋に適当な大きさに切った長ネギと1mm厚の生姜のスライス、酒、水を入れて強火にかけます。

沸騰したところでサバを投入します。

熱い液体をサバにかけて、表面のタンパク質を固めます。

味噌煮ですが味を引き締めるためと、臭み消しにほんの少し醤油を加えます。

砂糖を投入。お酒のあてにするなら砂糖はいれなくてもいいですね。

流れで味噌を入れます。味噌汁の味噌は最後に溶きますが、味噌煮の場合ははじめから加えます。味噌に含まれるタンパク質が変性する際、嫌な臭いを吸着し、その強い風味でマスキングする効果を狙ったものです。そのため味噌煮に用いる味噌は白味噌よりも風味の強い豆味噌や麦味噌などが向いています。

味噌をきちんと溶かして、さらに煮汁をサバにかけながら火加減をゆるめずに火を通していきます。肉を煮ているわけではないので長く煮る必要はありません。二回ほど魚を裏返しながら火を通していきます。

味噌が煮詰まって煮汁にとろみがつけばOK。最終的に煮る時間は7分から10分ほどです。サバの中骨から出たゼラチン分とサバの脂、味噌、砂糖が混じってとろみのついたソースになります。

味を出した後の中骨は食べられませんから骨抜きで抜いておきましょう。この時、腹の骨も抜いておくと食べやすいです。

サバの鮮度が良ければ霜降り(湯に通したあと流水にさらし、魚の表面の臭み成分を洗い流すこと)も不要。一気呵成に仕上げ、臭みをどんどん揮発さえていくのが味噌煮のポイントです。そのため魚の切り身はある程度パサつきますが、とろみがある煮汁がからむことで味に統一感が出ます。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!