〈豚肉とプルーンの煮込み〉の作り方
今回は豚肉をプルーンと一緒に煮込みます。時間はかかりますが、手間はかかりません。それでは材料です。
豚肩ロース 400g~500g
塩 4g~5g(肉の1%重量)
ドライプルーン 140g(今回は無印良品種つきプルーンを使用)
紅茶 400cc
赤ワイン 200cc
シナモン 1本
レモン 1個
グラニュー糖 大さじ1
まずは前日の準備です。
ドライプルーンをボウルに入れ、熱い紅茶を注ぎ、一晩、漬け込ん で戻します。紅茶はあまり高級なものでなくてかまいません。今回、使ったのはリプトンのティーパックです。
煮込み料理の味は普通はメイラード反応がベースになります。ミートソースなどが典型的で玉ねぎを炒めてベースをつくることが多いのですが、今回は紅茶を使い、そのタンニンを味の支えにします。この使い方は以前『トマトと紅茶のコンソメ』で試しました。
お肉も前日から用意します。2cmくらいの厚みのメダイヨンに切ります。もっと大き い塊でもいいのですが、煮込み時間が長くなります。
豚肩ロースはコラーゲンと赤身のバランスが良く煮込みに適した部位です。
肉の重量の1%の塩を振ります。この料理の塩味は基本的にこれだけですので、きちん と計りましょう。一晩、漬け込むことで、余分な水分が抜け、結果として結合水が増えるので肉がしっとりします。
さて、翌日。その他の材料を準備します。香り付けにはプルーンと相性のいいシ ナモンを入れました。レモンは半分をスライスして使い、もう半分は絞り入れます。 プルーンはとりだして、液体だけにしておきます。
肉を香ばしく焼き、煮込み用の鍋に移します。
肉を焼いたフライパンは決して洗ったりせずにワインを注ぎ、アルコール分を飛ばしてから煮込み用の鍋に移します。
煮込み用の鍋にプルーン以外の材料──赤ワイン、紅茶、焼いた肉、半個分 のレモン汁、レモンのスライス、シナモンを入れて火にかけます。レモンのスライスは入れ過ぎると苦くなることがあるので注意。全部入れたら火にかけましょう。沸騰したらできるだけ弱火にして、、、
蓋をこんな風にしめます。全部、蓋をしてしまうとなかの液体が激しく沸騰してしま うので注意。蓋をすることで水分の蒸発を抑えますが、ほとんど沸点に近い温度で煮込みます。
このまま1時間。
こんな状態に。肉はすっかり柔らかくなりました。シナモンを取りのぞいて おきましょう。さて、このあと脂を取り除きたいのですが、方法は二つあります。一 つはレードルで丁寧にすくうこと。しかし、それも手間ですので、粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やすほうが簡単です。
脂がすっかり固まりました。落としラップをしておくと脂はラップにくっつきますの で、そのまま取り除くことができます。さらに煮汁の中で冷やしたことで肉は多くの
水分を含んでいます。 レモンのスライスはもうお役御免ですので捨ててしまいましょう。
肉も一度、引き上げておきます。冷やしたことで油脂分が凝固し、若干、白濁していますが、心配しなくてもOK。
戻したプルーンと大匙1のグラニュー糖を加えて、火にかけます。砂糖の量は好 みで増やすこともできます。
中火にかけて煮詰めていきます。丁寧にするなら鍋肌を焦がさないようにしましょ う。もっと小さな鍋で煮詰めるか、こんな風に水で濡らしたキッチンペーパーで拭き とるようにすると焦げ味が入るのを防ぐことができます。
10分から15分煮ます。
ソースに濃度がついてきました。このきれいな色は赤ワインと紅茶のお陰です。
濃度をつけた要素は糖分とプルーンから溶け出したペクチン。糖分がとろみになるの は照り焼きや煮魚などでもわかるか、と思いますが、プルーンなどから出るペ クチンもソースのとろみの要素の一つになります。こうした料理法をうまく応用すると、バターの使用量を抑えることができます。健康 にいいだけではなく、原価も低くできますね。
肉を戻して、プルーンをうえにのせて、弱火で温め直します。
蓋をして5分ほどじっくりと。
電子レンジで肉を温めて、ソースをかけてもOK。
盛りつけます。バターは入れていませんが、ソースにはきれいなとろみがついていま す。
黒胡椒をふって完成です。
ほろほろの肉と甘酸っぱいソース。この料理は鹿肉や猪などを使っても美味しくできます が、手に入りやすい豚肉で是非、試してみてください。
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!