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cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第3回余談

第3回のテーマは『みそ汁』

出汁を使わずにおいしいみそ汁が本当にできるのか、ということを色々とテストしましたが、いやはやみそ汁は難しいですね。結局、味噌をたくさん入れれば「まあ、食べられる」味になってしまうので、どのくらいのレベルを最低限の「おいしい」ラインにするかという部分が悩みどころ。某NHKの番組、○ッテンで紹介されていたと聞いた〈みそ汁にケチャップ〉も試してみましたが、、、

結果としては微妙な味でした。

ケチャップにはグルタミン酸が豊富に含まれているので違和感はないんですが、味噌のグルタミン酸と旨味が被るので出汁の代わりというわけにはいかないというのが個人的な感想。逆に発見だったのは……

左の『ニンジンのみそ汁』。ニンジンを自分の技量が許す範囲で限界まで千切りにして、鍋で水と一緒に炊き、味噌を溶き入れるだけです。ニンジンは玉ねぎとともに野菜ストックの味のベース。旨味と甘みが充分含まれているお陰か、これはかなりおいしい。ちょっと沢煮椀風に仕上がりになります。

油脂分を足してもみそ汁の方向性は変わります。写真はネギをゴマ油で焼き、水ともやしを入れて沸かし、味噌を溶き入れた焼葱のみそ汁です。これもなかなかの味ですが、油脂分についての記述が入るとややこしくなるのでやめました。

一点だけ補足をすると『米麹の割合が多い味噌』を見分けるには裏の成分表示を見てください。

これは取材先のお味噌醸造元から教えてもらったことなのですが、成分表示は原材料の多い順になっているので、こんな風に『大豆、米、食塩』の順番だったら普通の味噌で、『米、大豆、食塩』の順番なら少なくとも半分は米麹の高級な味噌です。昔はお金持ちしか食べられなかった高級な味噌が今では手軽に手に入るので、「昔の人は食べられなかったのかー」と思いながら食べるとよりおいしいか、と思います。


撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!