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ニンジンのサラダ 味の違いは塩を振るタイミングにあり

パリにある三つ星レストラン「アルページュ」は野菜料理で有名。シェフのアラン・ パッサールさんは火入れの的確さで名が知られたシェフでしたが、狂牛病騒動などをきっかけに野菜料理の探求にのりだし、現在も三ツ星を維持しています。

数年前にアラン・パッサールさんが「le point」というサイトで野菜料理の連載をしていたのですが、その一つで『ニンジンのサラダ』を紹介していました。その作り方がちょっとおもしろかったのでご紹介します。

ニンジンのサラダ=キャロット・ラペはフランスのビストロ、家庭料理の定番。チーズおろしで人参を千切りにして、ドレッシングで和え、冷蔵庫で冷やせば出来上がりという簡単な料理ですが、さすが三ツ星シェフ、パッサールさんのレシピはひと味違います。

用意するニンジンは質の良いオーガニックなものを使用。パッサールさんは農園を所有し、毎朝パリのレストランに朝収穫した野菜を運んでいます。こうした取り組みはFarm to tableと呼ばれ、今では北欧のnomaをはじめ様々なレストランが採用していますが、当初は画期的な取り組みでした。

このサラダ作りに必要な道具はこのベンリナー。日本で40年以上の歴史を持つ調理器具ですが、今では世界中のシェフが愛用する逸品です。それに一番目の細かい千切りアタッチメントをつけ、千切りにしていきます。手を切らないように充分に注意してください。ベンリナーに付属のアタッチメントを使えば手を切るリスクはぐっと減りますよ。

ベンリナーを使うことで「エレガントで美しく仕上がる」とパッサールさんは言っています。

どんどん千切りにしていき、ニンジンの中心の固いところまできたら、向きを変えます。最終的に四面、千切りにする形になります。

つまりはこういうことです。中心の部分は味が薄いので、千切りとして使うのではなく、ジュースにします。

少量のオリーブオイルをまぶしておきます。写真の量で人参2本分です。

セージ、パセリ、セルフィーユ、ローズマリーを使用し、ハーブオイルをつくります。。分量は適量ですが、セージとローズマリーは少量で、セルフィーユとパセリが多め、という感じ。ハンドミキサーで細かくします。

いい香りできれいな色のオイルができました。オリジナルのレシピではこれをキッチンペーパーで濾しますが、 今回は省略します。

ハーブオイルをニンジンに少量、振りかけたら……

オーブンペーパーに包んで香りを馴染ませます。ほんの数分で大丈夫みたいです。ボウルに入れてラップをかけても大丈夫だと思います。

サラダとは別にさきほど残った芯の部分と新しいニンジン一本をジューサーで絞ります。

ハンドミキサーで泡立てると口当たりが良くなります。

いよいよ皿に盛り付けますが、ここではじめて塩(フルール・ド・セル)を少量、振 りかけます。二つまみほどでいいでしょう。塩を振るのは食べる直前に。「塩を振るとニンジンの食感が悪くなってしまうから」とパッサールさんは説明してい ます。通常のキャロットラペはチーズおろし金なので表面のザラザラにして、ときには塩を振ってから絞ったりしたところに、ドレッシングをからめるという形ですが、それとは真逆の考え方です。

搾りたてのニンジンジュースを添えて、、、

出来上がり。もう一つ面白いな、と思ったのは酸味を入れていないこと。酢やレモン汁などの酸味は強すぎて野菜の味に勝ってしまう、という考え方から、らしいです。もちろん、好みでオレンジやレモンなどを添えて、絞ってもらってもいいと思いますが、これはこういう料理として楽しめます。口のなかが油っぽくなったらにんじんジュースを一口、うん、おいしい、という感じ。

我々、つい料理に慣れてくると惰性で塩を振ったり、酢を入れたりしてしまいますが、たまには塩を入れるタイミングを変えたり、あるいは酢を入れなかったりすると、おなじみの食材から違う味を引き出せる。そんなことを感じました。

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樋口直哉 作家・料理家 主な著作として小説『スープの国のお姫様』(小学館)ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)など。新刊『新しい料理の教科書』が1/17日に発売されました!

コメント2件

ベンリナーっていう名前だったんだ.. そしてそんなに歴史的で、世界で愛されているツールって知りませんでした。使い方もとても参考になりました!
じゃがいものガレット風の仕込みに使った事がありますが、良く芋が詰まってしまい、「(ベンリナーじゃなくて)フベンナーじゃん!」…とか言ってたなぁ…( ´-` ).。oO
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