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電子レンジでカラメルソース

これだけ科学が進歩しても「まだ未解明」という現象は多いもの。お菓子作りに用いられる「カラメル化」は身近なものですが、反応のメカニズムはまだ完璧にはわかっていないそうです。

メカニズムはともかくカラメル反応について知っておくことは、お菓子作りがうまくなるための第一歩。

カラメル化は糖類の分解の結果として生じる現象です。例えば純粋なショ糖(グラニュー糖に含まれる糖類)は160°Cから204°Cの温度範囲内でカラメル化し、177°C以上で明確なカラメルになるとされています。また、そのおいしさの範囲は180°Cから188°Cが良い、とされています。

どうしてカラメル化を知ることで、お菓子作りが上達するのでしょうか。例えばクッキーを焼くとして、レシピを検索しますよね。ところが、あるレシピでは190°Cのオーブンで焼け、と書いてあり、また別のレシピでは170°Cのオーブンで焼け、と書いてあります。ここに、どういう違いがあるのでしょう?
オーブンの設定温度はクッキーの仕上がりに関係します。さきほど説明した通り、カラメルは177°C以上で明確に色がつきはじめます。つまり、177℃以上の高温で焼いたクッ キーは香ばしい焼き色がつき、177℃以下の低い温度で焼いたクッキーは軽い焼き上がりになるでしょう。つまりカラメル化の温度がオーブンの設定温度の根拠なんですね。

またカラメル化がはじまる温度は砂糖の種類によっても異なります。

キャラメル化の温度
糖の種類 温度
果糖 110° C
ガラクトース 160° C
ブドウ糖 160° C
マルトース 180° C
蔗糖 160° C
                  (wikipedeia "キャラメル化"より引用)

つまり、このクッキーに濃い焼き色をつけたい、と思ったら、蜂蜜を足せばいいのです。(蜂蜜の主成分は果糖(重量比で~40%)なので)逆に飴細工をつくるときに水あめを混ぜるのは、その主成分がマルトース(麦芽糖)だから。マルトースはカラメル化の温度が高いため、飴に余分な色をつけないからです。

また、カラメル化は精製度が低い砂糖のほうが低温で起こります。ですからクレームブリュレをつくるときに表面に振りかける砂糖はカソナード(赤砂糖)なのです。カソナードであればカスタードに火が入る前に、表面をキャラメリゼすることができるでしょう。料理人たちは砂糖の違いによるカラメル化の差を経験則的に知っているのです。

カラメルソースは電子レンジでつくることもできます。

小さじ1の水分を加えて混ぜ合わせます。

この段階で充分に混ぜておくのがコツ。

これくらいの量なら600wで1分45秒〜2分といったところ。煙が出てきたら一気に色がつくのでよく観察してみましょう。

取り出すときは熱いので注意。この状態だと飴上にカチカチになってしまうのでお湯を大さじ1加えて伸ばします。

ソースとして使うなら冷めてから使いますが、プリンに使う場合は熱いうちにプリンカップなどに流します。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!