きんぴら3種 その1 ゴボウのキンピラ
これから3種類のキンピラをつくりながら、食材の水分量に応じた火の通し方を考えていきます。今日はごぼうのキンピラです。キンピラという調理法は油で水分を飛ばしたところに、調味料を入れていく手法です。
よく「日本料理の特徴は油を使わないこと」と言いますが、日本料理とはなんぞや、という話をすると、日本料理には茶懐石をベースとした懐石料理、本膳料理をベースとした会席料理、そして禅宗の僧侶の食事をベースとした精進料理があり、キンピラは精進料理の一つ。油を使わないのは茶懐石の世界で、精進料理は油を多めに使うのが特徴。2006年に開かれた一般社団法人日本家政学会大会では「精進料理の栄養とおいしさについて」と題された口頭発表がありましたが、それによるとキンピラはやはり油で炒めた方が甘みを強く感じた、とのこと。
キンプラゴボウ
ごぼう 2本
にんじん 半分
ごま油 大さじ1
濃口醤油 大さじ1
みりん 大さじ1
いつもは分量を細かく出してますが、今日はざっくりしています。キンピラみたいな日常の料理は分量を目で把握することが上手になる第一歩です。これくらいの量ならこれくらいの調味料という割合を目で憶えましょう。
まずはゴボウの下処理。ゴボウはたわしでよく泥を落としておきます。ささがきにしてもいいのですが、一度につくるとなると結構大変なので、今日はピーラーで薄切りにした後、細く切っていきます。
ピーラーを使うと均一な薄切りをつくることができます。
薄切りにしたゴボウを重ねて、斜めに包丁を入れて細切りにしていきます。
黒くなるので表面を軽く洗います。味が抜けるので水に浸けっぱなしにしないようにしてください。
にんじんも同じようにピーラーで薄切りにしていきます。
中心部分は味が薄いのでスープをとる時に使えばいいので、使わないのが贅沢。同じように重ねて・・・・・・。
斜めに切っていきます。
フライパン(26cm)にごま油大さじ1を敷き、ゴボウを投入して、中火にかけます。
にんじんも入れてしまいましょう。
じっくりと水分を飛ばしていきます。ゴボウは水分が少ないので、火が通りにくい素材。時々、かき混ぜながら加熱していきます。炒めるというよりも水分を飛ばすイメージです。ここで硬そうだな、と思っても大丈夫。
みりんを入れると、一気に火が通ってしんなりします。野菜の加熱には水分含有量が大きく関わっていることがわかります。水分が飛んだところにみりんの水分が入っていきます。
醤油を入れて、さらに軽く炒めます。醤油は火を通しすぎると香りが飛んでしまうので鍋肌にはつけないように、ゴボウの上にたらすようにします。
火を止めてから好みで一味唐辛子を振ってください。
ニンジンを入れない場合は砂糖を少し加えて甘みをつけます。もちろん味加減は好みなので調整してください。作り置きの場合は水分を飛ばさないと保存が利かないので、このように細く切って水分を飛ばしていきます。できたてを食べる場合はゴボウをもっと太く切って、軟らかく炊き上げていくほうがおいしいので、それはまた別の機会に。
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!