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新玉ねぎのロースト

新玉ねぎの季節です。ただ丸焼きにするだけでも美味しいのですが、一手間を加えてごちそうにします。

これ『新しい料理の教科書』掲載した料理なのですが、noteに載せてなかったことに最近気づきました。遅れましたがようやく掲載します。本に載せたのは簡略化させたバージョンですが、こちらはバニラバターを塗るなどやや手が込んでいます。こんなのできないという方は本を参考にしてください(笑)

新玉ねぎです。この頃の玉ねぎは本当に美味しくなったと思います。玉ねぎってすごく面白い植物で、エネルギーをデンプンではなく、果糖の鎖として蓄えています。それ故、痛みやすかったりするのですが、ゆっくりと加熱するとその果糖の鎖が外れて、とても甘くなるのです。

玉ねぎは皮付きのまま、まるごとアルミホイルで包んで150度のオーブンで一時間焼きます。170°C以下の温度で加熱することで玉ねぎの形を保ったまま、カラメル化せずに加熱することができます。この時、塩を敷くのはちょっとしたコツ。別に塩なしでも焼けるのですが、敷いておくと底が焦げません。塩が断熱材になってくれるからですね。

焼けました。このまま皮を剥いて食べてもおいしいのですが、今回はさらにひと工夫します。頭とお尻を落として、皮を一枚剥きます。そして、玉ねぎの層にバターを塗っていきます。

ここで登場するのが百合根のローストにも使ったバニラバターです。バ ニラ自体には甘味がなく、甘い香りだけはあるので、玉ねぎの甘さを引き立ててくれます。小鍋に入れて溶かして使いましょう。塩が入った発酵バターや海藻バターもおすすめです。

すべての層のあいだにバターを塗りました。軽く押さえて形を整えます。この状態までが仕込みです。Passage53の佐藤伸一シェフは玉ねぎをばらしてトリュフの薄切りを挟んだり、チョリソーの薄切りを挟んだりしていますが、あれは見事な調理法だと思います。

フライパンにバターを溶かし、そこにグラニュー糖をふりかけます。キャラメリゼという技法です。

断面を下にして中火〜弱火でじっくりと焼きます。砂糖が溶けているのがわかりますね。

玉ねぎの水分でグラニュー糖が溶けて、完璧な焦げ目が付きました。

半分に切ります。

生ハムを載せました。こうすると焦げ目がついている部分とついていない部分の味の差も味わえます。肉料理や魚料理の付け合せにもなりますが、野菜料理としても満足感もあると思います。

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樋口直哉 作家・料理家 主な著作として小説『スープの国のお姫様』(小学館)ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)料理本『最高のおにぎりの作り方』(KADOKAWA)など。

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