カリフラワーのピュレ
ソース代わりに活躍するカリフラワーのピュレの作り方をご紹介します。
カリフラワーのピュレといえばパリの二つ星、passage53の佐藤伸一シェフのスペシャリテ、イカとカリフラワーが有名です。これはカリフラワーを茹でてから大量のピーナッツオイルと一緒にミキサーにかけてマヨネーズ状にしたものとさっと火を通したイカを組み合わせた料理。大量のピーナッツオイルを混ぜ込んで乳化させるところに特徴があり、ナッツのような独特のニュアンスがつきます。
というのもカリフラワー。質が不安定で、若いものだと青っぽい匂いが強いときがあります。これを安定させるためには油脂の力が不可欠。佐藤シェフもあまりよくないカリフラワーが入ったときに苦肉の策として大量のオリーブオイルを加えてみたところから、料理をリファインさせていったそうです。
今回紹介するカリフラワーピュレの元ネタはモダニストキュイジーヌチームのレシピですが、ここではバターを使ってミルキーな香りを引き出しています。
カリフラワーのピュレ
カリフラワー 500g(中1個)
バター 80g
水 100cc
塩 3g
胡椒 適量
カリフラワーは加熱時間を短くするために小さく、薄く切ります。茎の部分が入っているとミキサーにかかりにくいので注意。バターと水と一緒に鍋に入れて蓋をした状態で、加熱していきます。火加減は中火です。
蓋の内側に水蒸気がつきました。ここで火加減を弱火に落とします。5分ほど加熱を続けます。
バターと水分、カリフラワーから出てきた水分が混ざりあった状態です。
ミキサーにかけていきます。ミキサーの性能でピュレの滑らかさが決まってしまうのですが、もしも家庭用の小型のミキサーがうまくかからなければ少しだけ牛乳を足してください。そのあと、加熱して水分を飛ばし濃度を調整すればうまくいきます。
塩コショウで味を整え、各種、魚料理のソース代わりに添えます。この分量、ちょっと多いですが、ミルクや生クリーム、ブイヨンで伸ばせばスープになります。カリフラワーのピュレとコンソメジュレ、そこにキャビアを組み合わせればロブションの名作、ジュレドキャビアアラクレームになりますね。
カリフラワーはクリーミーな味が魅力ですが、面白いのはあわせる油脂で表情が変わること。バターを使えばミルキーな味に、ピーナッツオイルだとナッツのようなニュアンスがでますし、オリーブオイルを使うとフルーティーになります。ブロッコリーが少し癖のある個性派男優とすれば、カリフラワーはなんでも演じられる女優さんという感じ。あわせる油脂の選択によってカリフラワーの様々な表情を引き出せます。
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!