ラムの生姜焼き

最近、都内のスーパーでもラム肉が普通に並ぶようになりました。ラム肉は不飽和脂肪酸が多く、脂肪燃焼を促すカルニチンというアミノ酸を含むなど、健康面からも評価されています。

ところでラム肉、どんな風に料理していますか。洋風や中国風の食べ方は結構、浮かぶと思いますが和風の食べ方といえばジンギスカンくらい。今回はラムの生姜焼きの作り方です。ご飯にあうので、普段の食事にぴったり。生姜焼きは豚肉の臭みを消すために考案された料理ですが、ラム肉特有の癖も好ましい味になります。

今回は肩ロース肉のスライスを使いますが、ジンギスカン用の薄切りでも同様に料理できます。

ラム肉（肩ロース）　250g程度
日本酒　　　　　　　大さじ2
生姜　　　　　　　　20〜25g
醤油　　　　　　　　大さじ2
みりん　　　　　　　大さじ2
砂糖　　　　　　　　大さじ1
トマトケチャップ　　小さじ1/2
タバスコ　　　　　　少々
キャベツの千切り　　適量

ぼくの生姜焼きのレシピは生姜の酵素で肉をやわらかくする工程と、醤油、みりん、砂糖で味付けする工程を分離したところに特徴があります。

まず肉をやわらかくするためにたたきます。これは物理的に肉をやわらかくする手法です。肉を叩くと筋繊維に傷がつき、繊維がやわらかくなると同時に、保水性も向上します。

生姜の酵素を使うので、チューブではなく生の生姜をすりおろして使ってください。なお、生姜の酵素は皮の部分に多く含まれているので、皮付きのまま使います。

日本酒に生姜のすりおろしを溶かしたものをラム肉に塗り、15分〜30分ほど置きます。生姜のプロテアーゼが活性化するPHは5.0程度なので日本酒とあわせて置くことで肉がやわらかくなる、という仕組みです。また、日本酒そのものにも肉をやわらかくする効果があります。

そのあいだに調味液を用意。隠し味にトマトケチャップとタバスコが入ります。タバスコの酸味が入ることで砂糖で甘くなりがちなタレの味が引き締まります。

さて、時間になったのでラム肉を焼きます。ラム肉から出た水分はペーパーで拭き取るまでする必要はありませんが、適当に切ってください。鍋に入ると焼くのではなく煮る形になってしまうので。

中火にかけたフライパンに分量外のサラダ油小さじ1程度を敷き、ラム肉を焼いていきます。

中火のままジリジリと加熱していくと片面に焼き色がつきます。そうしたら裏返して一度火を止めましょう。

タレを加えたら、再び中火にかけて煮詰めていきます。

ケチャップと砂糖が入っているのである程度のトロみがつくはずです。肉にいい具合に絡んだら盛り付けます。贅沢にやるのであればこの段階で少量のバター（10g程度）を落としてもいいでしょう。

豚肉と違って筋が硬目なので、しっかりと火を通したほうがやわらかく食べられます。特にラムの肩ロースには中心に硬い筋が走っているので普通に焼くだけだと硬くなりがち。歯ごたえがあっていいのですが、ご飯にあわせる場合は肉を叩いたり、生姜の酵素の力を使ってやわらかくしてしまったほうが美味しく食べられます。ジンギスカン風にもやしと玉ねぎを一緒に炒めても美味。基本の生姜焼きの応用という感じです。