牡蠣料理レシピ〈生牡蠣〉と〈牡蠣のビスク〉
クリスマスも近いので、今日は牡蠣を使った料理を二品。まずは生牡蠣から。ポン酢やレモンなどで食べてもいいのですが、フランスでポピュラーなワインビネガーソースを添えます。
さて、生かきです。生食用を使います。何回か説明していますが、牡蠣は加熱用も生食用も鮮度は同じ。違いは指定海域や浄化処理の有無によるものです。
指定海域:採取したかきをそのまま生食用かきとして出荷できる海域
条件付指定海域:採取したかきを人工浄化(おおむね20時間換水することによ
って生食用かきとして出荷できる海域指定外海域:加熱調理用かきしか出荷できない海域
一般的に売られている生食用の牡蠣は2の条件付指定海域で養殖されたものです。人口浄化処理を施しているので生で安心して食べられます……と言いたいところなんですが、〈あたる〉か〈あたらないか〉は食べる人の体調にもよります。体調が悪いときは加熱して食べてください。
牡蠣はまず塩水で振り洗いします。ボウルに1.5%塩分濃度の塩水を入れて、手でかき混ぜましょう。
結構、汚れが落ちますね。
キッチンペーパーなどで水気を切ります。これで準備完了。今日は2人前なので4粒を生で食べて、残りを加熱して使います。
ソースです。赤ワインビネガー大さじ1にグラニュー糖小さじ1、塩ひとつまみを溶かします。
そこに加えるのが玉ねぎのみじん切り5gです。なるべく細かいみじん切りにするのがコツ。本来はエシャロットを使いますが、日本では玉ねぎで代用。水にさらしたりする必要もなし。
写真は6g入っています。ビネガーに漬けて2〜3分待つと味が馴染んでおいしくなります。
後は生牡蠣にかけて食べるだけです。ワインビネガーの酸味でさっぱりと食べられます。日本ではしょう油(ポン酢)などのうま味を足して食べることが多い生牡蠣ですが、牡蠣自体に味があるのでビネガーだけで食べるフランス風のほうがさっぱりした味になって好みです。牡蠣の殻があると格好がいいのですがむき身の生食用は安価なので、こういった小さなグラスやショットグラスなどがあるといいですね。残りの牡蠣は加熱して楽しみましょう。
ビスクはエビや蟹といった甲殻類をつかった料理が知られていますが、ラヴァレンヌの『フランス料理の本』(1651年)には鳩のビスクが掲載されており、甲殻類の専用の名称というわけでもないよう。ちなみに歴史を遡ると魚のビスクもあります。
すじあおのりはシーベジタブルの商品を使いますが、入手できなければ板海苔を使ってもOKです。牡蠣には海苔の香りが含まれており、相性は抜群。
厚手の鍋を中火にかけ有塩バターで玉ねぎを炒めます。炒めはじめに塩ひとつまみを加え、音がしてきたら弱火に落とし、比較的じっくりと炒めましょう。
しんなりしてきたら小麦粉を投入。鍋底を剥がすようにして火を通します。
こげる前に水100mlを一気に加えて、小麦粉を煮溶かします。
牛乳200mlを加えます。
牡蠣を加えて3分加熱。今回は生食用を使っていますがもちろん加熱用がベターです。この後、ミキサーにかけるので冷凍物でもOK。
ミキサーにかけて滑らかにします。ハンドミキサーを使う場合は玉ねぎの繊維が残りやすいので裏ごしにかけた方がいいかもしれません。
スタンドミキサーであれば裏ごしの手間は不要です。
鍋に戻し、すじあおのりを加えます。必要とあれば塩を足してください。
塩だけでも充分なんですが、塩の代わりに鮎魚醤を加えると味に深みが出ます。
鮎魚醤はうま味が足せるので便利です。魚醤はアミン系の香りが問題になることがありますが、マルハラの鮎魚醤はそれが抑えられ、ほとんどうま味だけという印象。西洋料理にも使いやすいでしょう。
出来上がり。牡蠣が入ったクリームスープという感じです。煮すぎると牡蠣の生臭みが出てくるので、加熱し過ぎには注意。今回は使いませんでしたが、玉ねぎを炒める時に少量のにんにくを加えると味にパンチが出ますし、水の代わりにチキンブイヨンや昆布だしを使ってもかまいません。生牡蠣だけだとお腹が冷えそうな感じがするので、温かいスープがあるといいと思うんですよね。
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!