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Cakesnoteフェスで提供したチリコンカーン

6/29、30に渋谷LOFT9で開かれたCakesnoteフェス。会場で販売するフード提供についてのお話を頂戴しまして、

「ビールが飲めるメニューがいいですね」

というヒントを頂き、決定しているメニューにスープがあって、カレーがあって……と考えた結果が、チリコンカンです。チリコンカンはテクスメクス(アメリカ風メキシコ料理)の料理で、「うちのかみさんがね……」でお馴染みの刑事コロンボの好物です。

チリコンカン(4人前)
 豚肩ロース 250g〜300g
 牛ひき肉  200〜250g
 塩     肉の重量の1%
 小麦粉   大さじ1(強力粉でも薄力粉でもどちらでも)
 玉ねぎ   大1個(200g〜250g)
 植物油           小さじ1
 キドニービーンズの缶詰 2缶
 チリパウダー  大さじ
 赤ワイン    300cc
 トマトペースト 20g(大さじ2)又はホールトマト缶1個(泡立て器か手で潰す)
 水       400cc

チリコンカンは牛挽肉を使うことが多いですが、このレシピのポイントは手で切った豚肉を半分使うこと。(会場では薄切りの肩ロースと薄切りの牛バラ肉を刻んで使いました。スーパーで売っている切り落としでもおいしくできます)豚肩ロースが入ることでとろっとした食感が出ます。香りは牛肉の方が強いので、豚が入っているとはわからない、という安上がりな方法です。

作り方としては肩ロース肉を小さく切り、1%重量の塩を振っておきます。

 牛挽肉にも塩を振っておきましょう。

玉ねぎはみじん切りにして、植物油小さじ1で炒めます。

レシピには記載していませんが、玉ねぎを炒める時に八角をほんの少し入れると隠し味になります。八角に含まれるアニトールと玉ねぎの硫黄化合物があわさると、肉の風味がアップする、という働きを狙ったもので、確かに効果があります。これはイギリスのシェフ、ヘストンブルメンタールが発見した手法。八角が入っているとわからないくらいの量を使うのがポイント。ま、八角は入れなくても大勢には影響しません。

火加減は中火。軽く色づくくらいまで炒めましょう。

そのあいだに肉も焼き付けます。肉の焼き方はミートソースと同じで、表面にしっかりと焦げ目をつけるのが重要。チリパウダーを大さじ2、小麦粉大さじ1加え、さらに炒めます。

玉ねぎとあわせます。

トマトペーストと赤ワインを投入。会場ではトマトペーストではなく、ホールトマト缶を使いました。

水を400cc加えました。

圧力鍋で1時間。会場では普通の鍋で3時間煮ました。

1時間経ったら冷まし、圧力を抜きます。用意するのはキドニービーンズ。テキサス風のチリコンカンには豆が入らず、南部の人間は豆を入れるのは邪道だ、と怒りますが、ここは日本なので無視します。

缶詰の汁気をザルで切って……。

鍋で軽く煮込めば出来上がり。

トルティーヤがよくあいます。会場では「マッシュポテト」も添えました。

さらにコクを出すならスパイスバター20g程度を仕上げに溶かします。(会場で提供したものには入れました)このスパイスバター、美味しいのですが、少量つくるのがなかなか難しいので、紹介するのも気が引けるのですが……

スパイスバター
オリーブオイル 大さじ2
クミンパウダー 小さじ1と1/2
チリパウダー  小さじ1
スモークパプリカ 小さじ1と1/2
トマトケチャップ 小さじ1
ウースターソース 小さじ1
マーマイト    小さじ1と1/2
バター      125g

写真はレシピの倍量でつくっています。

スパイスをオリーブオイルで加熱します。スパイスの香り成分のほとんどは脂溶性。

長く煮込むことで香りはどんどん飛んでしまうので油脂分に香りをうつして、それを最後に加えることで補います。

沸いたら冷まします。

秘密兵器のマーマイト。マーマイトは輸入食材店、またはAmazonで手に入ります。オーストラリアだとベジマイトという名前で売られ、バタートーストに塗ったりします。原料はイースト、つまり酵母です。似たようなものは酵母エキスとしてよく市販の出汁やスープ、ソースなどに入っています。グルタミン酸ナトリウムが豊富な調味料で、料理を確実においしくしてくれます。

常温に戻したバターに練り込みます。

ラップで巻いて成形します。冷凍庫で保管すれば数ヵ月は持ちます。ただ、チリコンカン5回分の分量ですからねー。ま、入れなくても充分おいしいのですが、入れることでマイルドな味になります。

このレシピ、あんまり辛くしていないので好みで酢漬けのハラペーニョのスライスがあれば足してもいいですし、一味唐辛子なんかでも辛くなります。入れる辛味はなんでもいいのです。

以下、おまけ。

会場での仕込みの様子の写真。

あ、CakesnoteFesは楽しいイベントでした。スタッフや会場の皆様、お世話になりました&お疲れ様でした。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!