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ピュレスープの基本『さつまいも』

さつまいもが1本あったので、スープにしてみまず。必要な機材はミキサー。基本的な工程は「ニンジンのポタージュ」と同じです。

さつまいものピュレスープ
 さつまいも 正味300g程度
 牛乳     200cc
 水      100cc
 グラニュー糖 小さじ1
 塩      小さじ1/3

さつまいもは重量の一割が皮と憶えておくと便利。だいたい300g、準備します。

皮を剥くときは断面をよく観察してください。薄い輪っかが見えますね。それが目安で、厚く皮を剥いていきます。ピーターで薄く剥いたりすると仕上がりの色が黒っぽく悪くなります。

がしがし剥いていきます。さつまいもはベタベタしているので滑って手を切りやすい食材。必ず包丁の刃を濡らし、力を入れないように注意しましょう。

心配ならさつまいもをまな板において、削るようにすれば安心です。

さつまいもは水で表面を洗います。これで下準備は完了。

ちなみに厚く剥いた皮は素揚げにして食べてしまいます。

サラダに混ぜてもいいですし、塩を軽く振ってそのままおやつやおつまみに。

さておき、スープ作りに戻りましょう。ラップをしてレンジ(600w)で4分30秒加熱します。(固ければさらに三十秒ずつかけて様子をみます)いつもであればさつまいもには酵素が含まれデンプンが糖に・・・・・・・とかぐたぐた理屈をこねますが、今回は簡単にレンジにかけてます。

その他の材料を準備。ブイヨンは使わず水でつくるのが現代的。よくピュレスープは炒めたタマネギの甘さをベースにしたりしますが、タマネギを入れるとサツマイモの香りが負けてしまうので今回はグラニュー糖を使います。(追記 ちなみにサツマイモの甘みはマルトース(麦芽糖)の甘みなので、塩味のスープにはべたっとした甘さになりがち。というわけでさっぱりした甘みのスクロース(ショ糖)で甘みをつけています)

レンジからサツマイモが出てきました。竹くしがすっと刺さればOK。

すべての材料と一緒にミキサーにかけます。ニンジンの場合は長時間ミキサーにかけましたが、サツマイモの場合はかけすぎないのがポイント。細胞壁が壊れると粘りが出てしまう原理は「マッシュポテト」をつくったときと同じです。

なので、理想はミキサーではなく裏ごしすること。ミキサーに短時間かけてから(水分で希釈してから)裏ごしたほうが楽です。ミキサーで回すだけでもいいのですが、漉す事で口当たりは滑らかになります。

ポタージュスープをつくる場合、難しい素材はデンプンを含む芋類。サツマイモの場合はジャガイモほど神経質になる必要はないですが、ミキサーにかけすぎると細胞壁が壊れて流出した遊離デンプンによって粘りが出てしまいます。糊のような口当たりでのポタージュは嫌ですよね。だから、古典的なポタージュの多くはとろみづけの材料としてルーやデンプンの粒子が細かい米などを使っていたのでしょう。ヴィシソワーズのようなジャガイモのスープはジャガイモの粒々が舌に感じるくらいがいいと聞いたことがありますが、裏ごししたほうが無難です。

温めて食べる場合はそのまま加熱しますが、少しでも置いておくなら香りが揮発していくので、氷水で温度を下げます。雑菌を増やさないためには大切なことです。

カップに入れて提供します。金箔を添えると結婚式場で出てきそうな感じ。ピュレスープは良さは短時間で仕上げるため香りが飛ばないこと。少量提供するのがおすすめですね。紫芋でつくると鮮やかな色で見栄えがします。またサツマイモの半量を栗に変えるなどアレンジはいくらでもできそうです。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!