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ポテトチップスの作り方

ポテトチップスは家でも簡単につくれます。買ってきたほうが楽ではありますが、じゃがいもの味を感じられる仕上がりになるのがメリット。

ポテトチップスは揚げることでじゃがいもの水分を5%以下にしたものを言います。脱水することでカリッとした食感が出るので、水分の多い新じゃがいもは向いていません。

皮付きのままスライサーで薄切りにして、表面を水で洗います。

この工程の意味はジャガイモに含まれる糖分(ブドウ糖や麦芽糖)を洗い流すため。水分と結びつく性質のある糖分(糖分の保水作用については何度か言及しています)をとりのぞけば、脱水がうまく進むのでこの工程は省けません。糖分を除去することで、揚げ色が軽くなります。

ジャガイモの水気をキッチンペーパーかタオルでしっかりとふきとります。キッチンペーパーよりも何度も使えるタオルがおすすめ。そのまま揚げると表面についたジャガイモの水が蒸発し、その際に周囲の熱を奪っていくので(=気化熱)均一に揚がりません。

160℃〜170℃の油で静かに揚げます。基本的に180℃以上だとメイラード反応が進む速度が早くなるので、脱水する前に焦げてしまいます。とはいえ、温度が低すぎると今度は水分が蒸発しないので、調理に時間がかかります。適温が焦げるよりもやや低いこの温度、というわけ。

しばらくすると泡が小さくなってきます。これはジャガイモから水分が抜けた証拠です。ジャガイモをたくさん入れると蒸気が邪魔して上手に揚がらないので、油に投入する際は重ならないように加減してください。フライパンの表面積の三分の二までが上限です。時間がかかると思いますが、気長に少しずつ揚げると失敗がありません。

キッチンペーパーで油を切って、塩を軽く振ればできあがりです。自家製のポテトチップスはジャガイモの風味が魅力で、いつも食べている市販品とは一味も二味も違います。もちろん、普段は市販品で充分かもしれませんが、一度自分で作ってみると、どのように作られているか、理解できますよ。

ところで最近、コンビニエンスストアなどに行くと「硬揚げポテトチップス」という商品も出ていますね。あの硬くパリッとした食感を出すためにはどうすればいいでしょうか? 答えは120℃前後の低温から弱火でゆっくりと、8〜10分かけて温度を上げながら揚げること。これは「ケトルフライ」という揚げ方で、低温で揚げることでデンプンが表面に溶け出し、そのデンプンから水分が抜けることで、ガリガリッとした食感が生まれます。ポテトチップスと組み合わせるのはやっぱりビールですね。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!