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おいしさの新常識、スピンオフ

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2018年6月の記事一覧

cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第5回余談

cakes連載の更新。「焼き魚をおいしくつくるコツは日本酒にあり」 焼き魚のポイントは皮と身という別のものを、それぞれ適切に加熱すること。頭ではわかっていてもなかなか難しい。串に打って炭火で焼くと皮はカリッと、身はふっくら仕上がるのはわかっていても、家庭では困難。 結果的に選択したのは「焼き餃子のようにつくる」という調理法。焼き餃子は皮の底はカリッとして、上部は蒸された状態でやわらかい。この方式を魚に応用。 弱火にかけたフライパンに魚を日本酒を入れて、蓋をして加熱。

cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第4回余談『湯煎で加熱した目玉焼き』

cakesの連載の4回目。テーマは『目玉焼き』 目玉焼きはすべての料理の基本。焼く調理法をレシピで伝えるのはとても難しいんです。調理には「煮る」「茹でる」「蒸す」「揚げる」「焼く」という5つの調理法がありますが、このなかで「煮る」「茹でる」「蒸す」は水を使った加熱調理法で、一気圧においての温度は100度付近で保たれているので一定。 「揚げる」の場合は油を使うので、温度変化は水よりも大きいものの、たっぷりの油をつかえば温度変化はゆったりとしたもの。火加減と時間を調節しながら

cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第3回余談

第3回のテーマは『みそ汁』 出汁を使わずにおいしいみそ汁が本当にできるのか、ということを色々とテストしましたが、いやはやみそ汁は難しいですね。結局、味噌をたくさん入れれば「まあ、食べられる」味になってしまうので、どのくらいのレベルを最低限の「おいしい」ラインにするかという部分が悩みどころ。某NHKの番組、○ッテンで紹介されていたと聞いた〈みそ汁にケチャップ〉も試してみましたが、、、 結果としては微妙な味でした。 ケチャップにはグルタミン酸が豊富に含まれているので違和感は

cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第2回余談

cakesの〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉という連載記事の2回目。 おまけ 鰹節の種類   昆布の種類については書きましたが、文字数の関係で入らなかった鰹節についての追記です。 鰹節にはカビ付けをしていない「荒節」とカビ付けをした「本枯節」の2種類があります。  安価な荒節は香りの強い出汁が引け、本枯節は高価で、旨味が豊富。穏やかな香りが特徴で、料理屋さん風のふくよかな味になり、特に血合いを抜いた本枯節は高級品です。  問題はパックの状態ではわかりづらいこと。見

cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第1回余談

本日、cakesで〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉という連載記事の1回目を掲載していただきました。 第1回目のテーマは『世界一おいしいご飯の炊き方』です。こういった連載は読んでもらわないとどうにもならないので、みなさまよろしくお願いします。 書き切れなかったマニアックな話をこちらに書きます。 米の吸水について記事で扱っている米の品種は日本で一番作付面積が広い、コシヒカリを想定しています。実際には米の品種によって吸水曲線はみな違います。記事中では洗い米とそのまま浸水