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料理の基本

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基本的な料理を丁寧に解説します
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#卵料理

ピータン豆腐の作り方

ピータンはアヒルの卵をアルカリ性の条件下で凝固させるめずらしい食べ物。英語ではcentury egg、フランス語ではŒuf cent ansと言います。日本語にすると百年卵という感じでしょか。 香港あたりでは生姜の砂糖漬けと一緒に食べたりしますが、日本や台湾での定番は豆腐とあわせること。 外で食べると高いピータンですが、自分でつくれば安価です。 このあひるがかわいい。それでは材料です。 ピータン 1個 醤油   小さじ1 長ネギのみじんぎり 大さじ2 絹ごし豆腐 半丁

とろふわスクランブルエッグの作り方

以前、紹介したスクランブルエッグは湯煎でつくるフランス式。とびきりリッチでクリーミーな味が特徴ですが、作るのに時間がかかる上、できる量も少ない、というデメリットがあります。今回、紹介するアメリカ式のスクランブルエッグは短時間でつくれる上、トロフワという感じでボリューム感のある仕上がりになります。 とろふわスクランブルエッグ(1人前) 卵    2個 生クリーム 50cc(乳脂肪のもの) または牛乳 50cc バター  10g 塩    ふたつまみ 今回は生クリームをたっぷ

基本の卵焼きの作り方

お弁当に入っているとうれしい卵焼き。今日は基本の卵焼きの作り方をおさらいします。 卵 3個 砂糖 大さじ1〜3 醤油 大さじ1 卵焼きは砂糖がいっぱい入ります。砂糖の力によってしっとりするんですね。砂糖大さじ1〜3で好みで調節しますが、はじめは簡単な大さじ3から練習しましょう。砂糖の量を減らすほど硬くなるので、その場合は鍋の温度を上げて、ふっくらさせる必要があり、難しくなるんです。 砂糖は水分子と結合しやすい、という性質があります。水にはなにかと繋がった結合水と、水分子

ゆで卵の作り方のコツは卵を茹でない

料理の基本シリーズです。 ゆで卵についてはこんな記事も書きましたが、今回はイギリスが誇る三つ星シェフ、ヘストン・ブルメンタールさんの作り方の紹介。ヘストンさんは 「完璧なゆで卵(Boiled Egg)をつくるコツは、卵を茹でない(Not Boiled)こと」と言います。 最も知られているゆで卵の作り方は『水と卵を鍋に入れて、沸騰してきたら火を弱めて所定の時間茹でる』というもの。しかし、このレシピには2つ弱点があって、鍋の大きさや水の量という変数を揃えられないこと。また、沸

炒り卵の作り方

僕の炒り卵の特徴は砂糖が多めに入ること。炒り卵は卵を完全に凝固温度以上まで加熱するので、パサつきがち。そこで思い切って甘めの味付けにすると砂糖の持つ保水性のお陰でしっとりします。 卵 2個 上白糖 大さじ1 塩   一つまみ ボウルに卵を割り入れて、分量の砂糖と塩を加え、よく溶きます。 フライパンを弱火にかけて、かき混ぜながら熱していきます。小さな雪平鍋でつくるのが定番ですが、鍋肌にこびり付いて洗うのが大変なので、テフロン加工のフライパンを使っています。 なぜ、食材が

スフレ風フリッタータの作り方

フリッタータはイタリア風のオムレツ。ところでオムレツは日本風の焦げ目をつけないスタイルとヨーロッパ風のしっかりと焦げ目をつけた二種類がありますよね。今日、紹介するフリッタータはイタリア風ではなく、日本風。焦げ目をつけずに、繊細に仕上げます。 スフレ風フリッタータ(2個) 卵   1個 生クリーム 30cc 粉チーズ  10g(パルメジャーノレッジャーノかペコリーノロマーノ) じゃがいも 小1個~1/2個 生クリーム  30cc クノールチキンブイヨン 少々 トリュフオイル 

ワンランク上のオムレツを作るコツは15分前に塩を入れること

オムレツは卵料理の代表的存在。オムレツには焦げ目をしっかりとつける外国式の方法と、木の葉型に折り込み焦げ目をつけない日本式の2種類が存在します。後者のオムレツは僕が調理師学校に入った時の卒業課題の1つで、布巾を卵に見立てて、フライパンの柄をトントンと叩くのを練習したものです。 オムレツ 1個分 卵   3個 L玉使用 塩   小さじ1/4(1g) (指3本でつまむとだいたい1gです) バター 大さじ1(12g) 今日は特になにも加えずに基本のオムレツをつくりますが、卵に

メレンゲの科学『淡雪卵の作り方』

今日はメレンゲが泡立つメカニズムを復習します。つくる料理は「淡雪卵」(ウフアラネージュ)です。フランスでは浮島という意味の「イル・フロッタント」という名前で、アメリカやイギリスなどに行くと英語のフローティングアイラン ドという名前で提供されています。 材料 四人前 卵白 3個分 グラニュー糖 45g アングレーズソース カラメルクリーム アングレーズソースとカラメルクリームの作り方はそれぞれ カスタードソースの科学『アングレーズソースの作り方』 カラメルの化学「カラメルク

究極のスクランブルエッグ

スクランブルエッグは朝食の定番。作り方は様々ですが、ホテルの朝食で出されるのはフランス式が多いようです。というわけで今日はフランス式の究極のスクランブルエッグをつくります。 十九世紀なかばにブルジョワ家庭のフランス料理を本にまとめたサン・タンジュ夫人はスクランブルエッグを「もっとも洗練され、もっとも繊細な卵料理」と言っています。当時、熱源が火力調節のしづらい石炭だったため、おいしいスクランブルエッグをつくるのはとても難しかったのです。 究極のスクランブルエッグとはどんなも

完璧なゆで卵の作り方

完璧なゆで卵をつくるにはまず、卵黄と卵白の凝固温度を復習する必要があります。白身は63度から固化しはじめ、70度で黄身が固化します。つまり、63度以上70度以下の温度につけておけば温泉卵ができるというわけで、とろとろの半熟が好みなら70度以下の加熱にとどめ、やや固いのが好みなら中心部の温度を80度に近づけるようにすればいい、というわけ。 しかし、ゆで卵が難しいのは白身と黄身という二つの異なる凝固温度の物質を一度に求める温度まで加熱しなければいけないからです。正直、料理のなか

目玉焼きの作り方

目玉焼きは簡単な料理の代名詞ですが、なかなか難しいものです。プロセスを確認しながら目玉焼きの作り方を確認していきます。 まずは〈卵の保存〉から。卵は通常、冷蔵庫に保管しますが、野菜室は避けた方がいいでしょう。卵の殻には気孔という細かな穴があり、ニンニクやタマネギのような匂いの強い野菜と一緒にしておくと、匂いがすぐにうつってしまうからです。余談ですが、トリュフと卵を一緒に保存して、香りを移したトリュフ卵はその性質を逆に利用したものです。 購入した卵はできれば包装のまま、冷蔵

ポーチドエッグの作り方

はじめに  【HATTORI食育クラブ】が運営していた食育通信onlineというサイトが(色々ありまして)2017年10月31日で閉鎖したので、こちらに引っ越してきました。掲載していたレシピコンテンツを順次、転載していきます。(あ、もちろん新しい記事も載せてます) 料理の基本研究『ポーチドエッグ』 材料(2人前) 卵  2個 調理の基本は温度(Temperature)という要素をコントロールすること。基本の卵料理を研究することで調理温度について理解を深めることができ